見出し画像

CHANEL東京・銀座でモノトーンヴェルサイユを学ぶIn Praise of Shadowsヴェルサイユ宮殿 森田恭通 写真展

2023.9.27 WED - 11.5 SUN

11:00 - 19:00 (最終入場18:30)
9/27(水)は18:00まで(最終入場17:30)
無休・予約不要
入場無料

CHANEL NEXUS HALL

インテリア、グラフィックやプロダクトなどを幅広く手がける森田恭通氏の写真展を覗いてみた。ヴェルサイユ宮殿協力のもと、モノトーン写真100点ほどが展示されており、きらびやかなヴェルサイユ宮殿をモノクロで切り取り、肉眼では見えない部分が鮮明に映し出されているのが新鮮だった。

ヴェルサイユ宮殿の門
パイプオルガンの鍵盤
調度品の脚
部屋に差し込む自然光
写真の配置が美しい
マリーアントワネットが覗くオペラ座客の席
宮殿の屋根の装飾

「陰翳礼讃(いんえいらいさん」:まだ電灯がなかった時代の今日と違った日本の美の感覚、生活と自然とが一体化し、真に風雅の骨髄を知っていた日本人の芸術的な感性について論じたもの。

Weblio辞書

展覧会のタイトル通り、「栄華の光」と「幕引きされるフランス王朝の闇」が美しく表現されていた。黒いカベにモノトーンの写真が整然と並ぶ。海外旅行先として人気の高い観光地パリ、ヴェルサイユ宮殿。
切り取り方によってこんなに違うのだな...「静」に見えて「動」が思わせぶりに息を潜めている。

展覧会入口の森田氏の挨拶文が印象的だった

(中略)今では誰も住んでいないはずの場所で、撮影を行うたび、私はいつも人の気配を感じていた。ゴーストを見たわけではない。けれど、その場に立つと、目の前を大きくスカートを膨らませた貴婦人が階段を昇り降りし、庭園を馬車がザッザッと音を響かせながら去っていったような気がした。すべては人の手で作られ、人によって使われてきた。それら工藝の集積による圧倒的な美しさによって、物語は封印されたまま。しかし、太陽光を浴びて輝く噴水のための地下構造のように、その美もまた暗闇を養分としていたはず。(中略)
人生を賭して美を追い求めるうちに、私はヴェルサイユ宮殿に辿り着いていた。

森田恭通

新しい切り口でのヴェルサイユ宮殿。
東京・銀座CHANELネクサスホールで2023年11月5日まで開催中。

Junko Summer


いいなと思ったら応援しよう!