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佐々木倫子の漫画は大人の嗜みを教えてくれる
佐々木倫子先生が作り出す文芸作品が大好き
「動物のお医者さん」
「おたんこナース」
「チャンネルはそのまま」....
どの作品も人気を博しファンが多い
その中で私は
「Heaven ご苦楽レストラン」
が一番好き!
今日のnoteはHeavenの面白さを深掘りしていきたい。
注)以下、ネタバレがあります。感想はあくまで個人の見解です。
レストランの楽屋を覗いているようなオモシロ擬似体験
あらすじ
フレンチレストラン「ロワン・ディシー」を立ち上げから店が軌道に乗るまでを描く作品。
従業員の中でフレンチの経験があるのは主人公、伊賀観のみ。
傲慢だけど何だか気になる女性オーナーと、ほぼ「フレンチ初心者集団」が織りなすレストラン経営で伊賀君てんてこまい!フランス語で「この世の果て」という名を持つレストランは生き残っていけるのか!?
Heavenを読んで、「レストラン経営」ひいては「経営」とはこんなに色々あるのだなと楽しみながら学べる。1話完結型の構成で、レストランオープン初日から従業員はすったもんだの大騒ぎ!レストラン経営に関する雑学知識もあり興味深い
個性溢れる従業員達の日常に親近感が詰まっているHeavenの世界
レストランの楽屋が
こんなに楽しいなんて!
もちろん、色々なトラブルや乗り越えなくてはいけない経営上の問題も
ある。各従業員の仕事に対するモチベーションも異なる
でも、結局最後はなんとかなる!
Heavenの世界を
安心しながら楽しめる
以下に
投稿主が特に好きな話しを
3話載せていきたい
第12話 楽しい夜をありがとう「レストランに元女優が来店!芸能記者から彼女を守らなきゃ」
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フレンチレストラン「ロワン・ディシー」のある一日
人気タレントが店にやってくる
芸能人であることを殊更にアピールする目立ちたがり屋
周りの客も(当然気付きはじめ)色めき立つ。しかし、この日の主役は「彼」ではなかった。店の片隅で
50年前に引退した元女優がひっそり食事を楽しんでいたのだ
それに気づいたイキリ芸能人は記者にタレコミを目論む
さぁ、大変!女優さんのプライベートを守ってあげるべく奮闘するストーリー。「ローマの休日」をオマージュしたような設定でワクワクする、いわばロワン・ディシーの皆んなは
「チーム・グレゴリーペック」
彼女の世話を焼く姿にクスリと
笑える
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引退した元女優自ら仕掛ける
カード
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このピンチ、どう乗り切る?
せっかくのフレンチレストランでのひととき。お客様それぞれが自分の時間を楽しんでいるのだから波風は立てたくない
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ここで大人の嗜みが発動。
賢い大人は喧嘩をしない。困った自己中さんを軽くあしらうサマが描かれる。トラブルをおこす人へ注意をするのは骨が折れるから、あまり期待しない。ケムに巻いて自発的に退散してもらったら誰も傷つかず平和に解決する。
第32話 五万円「縁がある人は何処かで繋がる、そのとき最高の自分でありますように」
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実は、シェフと今回の客は修行時代に面識があった。どうしてウチに大口予約をしてくれるのだろう?
しばらく時間をかけて
漸く思い出した
ここがリアル
私はこのHeavenを友人から
教えてもらった。
20年前当時、入院中の私に暇だろうと漫画を差し入れてくれた。受け取った私はたちまち夢中になる。
時を経てHeavenは大切な愛読書になり、このnoteの題材に選んで書いている。
その友人へ「こんなに面白い漫画を教えてくれてありがとう、今でもずっとお気に入りで私のバイブルだよ」
改めてお礼を述べてみると
友人は覚えていなかった
「え!?そうなんだね」とキョトン顔。
確かに20年も前の出来事だから...
そんなものなのかもしれない
自分が影響を与えていたことに自覚がないくらいがちょうどいい
そんなことに気づけたのも
Heavenのおかげ
可能性は無限というけれど、時間は有限。
可能性を拡げる人はこれからの時代、AIと仲良く付き合っていける人だろう。自分の時間を自分で「拡張」できる人。
アラフィフの私
取り残されたくはない
元気な日はnoteを書こう!
ご縁のある人は時を経て繋がることがある。SNSの時代なら尚更、足跡が辿れる
いつか自分に幸せが
舞い込んできた時
それは偶然ではない
過去の自分が蒔いた種
そのときが来るのなら、毎日を丁寧に生きなくちゃと思い改める。
第39話「幸せな一日」良いことが伝染すると皆んながハッピー
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![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/106357867/picture_pc_f00a89345540bb23e5e6fae4901e24d8.png?width=1200)
いつも店をかき回すオーナーが今日は店に来ない
従業員一同、喜びを隠せない。
それぞれの持ち場で気持ちよく仕事ができる
あれ、今日調子いいな。
あるある、たまにだけどね!
いつもなら腹が立つことも今日なら
前向きに受け答え
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![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/106357966/picture_pc_57dfc257b4b5b0a454a098b54b9a758a.png?width=1200)
こんな日が続いて欲しい。今日の占いで「1位」になると少し気分がアガる。たまの1位は「貴重」なのだ。
また次の「1位」の日が来るまで
いつもの毎日が続いていく
更年期に入っている私は「1位」の日が若い頃より格段に減ってきていると気づいている。(若い頃も特別多くはない、気づいていないだけ)
気分がのらない、怠い
いつも何処かが調子悪い
だからこそ、思わずお花が飛んでしまうような調子良い日が増えて欲しいなと思う幸せな一日のエピソード。
令和の価値観にすんなり馴染む、みんな違って自分らしく
佐々木倫子先生の作品には心地よいリズムがある。このHeaven以外の作品群にも共通していること、それは「恋愛」が描かれない点だ。たとえばHeavenの山縣さんには妻がいて本人の口から語られるものの、物語の中で重要な項目ではない。あくまで個人の一要素として紹介されるのみ。
写実的な絵のキャラクターは主人公や周囲の人物も美男美女が多く、
これだけ綺麗な絵だから主人公は誰かと恋に落ちるのかと思いきや、それは最後まで訪れない。
ただひたすらに
毎日が淡々と過ぎていく。
「動物のお医者さん」の主人公ハムテルは見た目モテそうな獣医学部生でありながら、その点は華麗にスルーされる。ヒロインポジション風の女子大生、菱沼さんとは生涯恋愛に発展しないシュールな関係。
これは獣医学部のお話しです
という先生からの引き戻しは第一話でしっかりある。
令和の価値観と合致しそうな世界観
恋愛したい人は恋愛を楽しむ
仕事をしたい人は仕事に励む
みんなそれぞれ自分らしく
でも、人は一人では生きていけないから困ったときは助けてもらう
人のプライベートを覗くのは
ほどほどに
大人の嗜みが詰まっている。
ありがとう、Heaven。
この物語は終わりがまた、胸にくる。
伊賀くん、素敵な人生だね
オーナー、憎めない女性です。
Junko Summer