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不登校の海㊹ あの頃の自分に伝えたい

2020年5月、新5年生になったばかりの長男が不登校になりました。noteでは長男が9ヶ月かけて学校に復帰するまでの記録を公開しています。

「はじめに」はこちら★


あの時の自分に伝えたい

長男が「自分でやると決めたことは実現できる」というプログラムを手に入れた。
私は…どうだっただろう?

この9か月間で、何か得られたことはあるのか?少しは成長できたのかな?

Motherhood

長男が5歳の頃、 お隣さんが紹介してくれた子供向けの英語の家庭教師をお願いしてみました。

ちょうど次男が生まれて育休中でわたしが家に居たので、「職場復帰したらできないことを今のうちにやっておこう」といろいろ試していた時期でもありました。

別に、長男が英語を習いたがったわけではありません。
私も週1のレッスンで英語力が身に付くとも思っていませんでしたが、「楽しく英語に触れる機会になればいいかな」くらいの気持ちでした。

それなのに、いざレッスンが始まると「ちゃんとレッスンを受けて欲しい」という期待が私の中に生まれてしまいました。

長男は英語のレッスンを座って聞いていられず、ボーっとしたり全然違う遊びを始めたりしていて、それを見るたびにイライラするのです。
まだ5歳の男の子が、興味の無い英語のレッスンでじっとしていられないのは当たり前のことなのに。

私は、レッスンしている横から長男の名前を読んで「座って!」と怖い顔で注意をしていました。
それを見た先生はある日の帰り際、こんなことを言いました。

お母さんにお願いがあります。次のレッスンは長男君がどんな様子でも何もおっしゃらずに見ていてくださいませんか?」

先生は、わかっていたのだと思います。
私が長男を注意したのは、本当に長男のためを思ってでは無く、長男を自分の思うとおりにコントロールしたかっただけだということ。
私が「良い母親に見られたい」と思っていること。
長男を「良い子に育てていると思われたい」というフィルターを通してしか、長男を見ることができていないことを。

ですが、当時の私はそれに気づくこともできませんでした。

「私が注意すると余計に気が散るからかな?」「確かに先生に任せた方が、うまく工夫してレッスンしてくれそうだな。」
と勘違いしていました。

実際に先生は、毎回長男が大好きなウルトラマンや怪獣を使ってレッスンしたり、オリジナルの教材を準備してくれて、次第に長男も英語のレッスンを楽しめるようになっていきました。

1年近くレッスンを続けたのですが、私が育休を終えて職場復帰するタイミングで、その先生ともお別れすることになりました。

平日の夕方のみのレッスンだったのです。

最後のレッスンの時、先生が私にお手紙をくださいました。その中に入っていたのが、この詩です。

Motherhood is not a competition to see
who has the cleverest kids,
the cleanest house, the healthiest dinners,
nicest clothes, newest car or most holidays.
Motherhood is YOUR Journey with YOUR children.

引用元不明

この詩を読んで、私はようやく気が付きました。

「長男のため」「子どものため」を装いながら、「自分がどうみられるか?」しか考えていなかったことに。

先生は、私が当時の状況から抜け出せることを心から願ってこのメッセージを伝えてくれたのだと思いました。

私がやるべきことは、自分がよく見られたいがために長男をコントロールすることじゃない。

人にどう見られるか?を考えず、私自身の人生を生きること。

それは、私と子どもとの旅でもあるのだということ。

Mother hood is YOUR journey with YOUR children.

自分の誤った思考をすぐに矯正することは難しく、すぐに変われたわけではありません。

だけど、「良い母親だと思われたいがための行動を取っていた」と気付けたことで、少しずつ意識を変えていけたように思います。

・この行動は「自分が良い親に見られたいがためのもの」になっていないかな?
・本当に長男のための行動になっているかな?

それを自分に問うことが習慣になっていきました。

もしあの頃のままの自分だったら、長男の不登校にとても対応できなかったと思います。

5年かけて本当に少しずつ、子どもへの期待を手離し、コントロールを手離し、誰かとの比較じゃない、私と子どもとの旅を続けてきた末にたどり着いたのが、この「不登校の海」だったのかもしれません。


目をつぶる勇気




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