不登校の海㉙ 3歩進んで2歩下がる
2020年5月、新5年生になったばかりの長男が不登校になりました。noteでは長男が9ヶ月かけて学校に復帰するまでの記録を公開しています。
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3歩進んで2歩下がる
運動会の翌日からも、私と長男は変らず会議室へ登校していました。
実はこのころ、私は「運動会でクラスのみんなと会えたのだから、すぐにでも教室に入れるんじゃないか?」そんな期待を抱いてしまったのです。
ちょうど不登校になってから、半年が経過していました。
ところが私の期待とは裏腹に、会議室から教室へ…というステップにはなかなか進みませんでした。
運動明けの週はちょうどテストが重なったり、おそらく運動会のあれこれで滞っていた日常業務の処理で忙しかったのでしょう。
担任の先生ともなかなかお話するタイミングが合いませんでした。
「せっかく運動会であんなに前進したのに、運動会前と全く状況は変わらないなんて…」
「先生も、せっかく運動会でクラスの子たちに会えたんだから何か提案してくれたらいいのに…」
私は一人で勝手に焦りを募らせていました。
よく考えたら、運動会で他の子に会えたからといって、一足飛びに登校できるようになんて、なるわけないのにね。
それまで家を出てマンションの1階に降りるところから、数十メートルずつ学校に近づいて…と、ほんの少しずつ目標を刻んできた長男だったのだから。
5月からの半年間で長男がやってきたことは、たとえ小さくても自分で目標を決めて、それを自分で達成することでした。
だとしたら、先に進む方法も、それが一番確実なのです。
私は、運動会というきっかけや担任の先生からの働きかけに依存してしまっていたのだと気が付きました。
期待したり、依存するから、その想いが遂げられなかった時に焦ったりイライラしてしまうということにも。
「なんだ、そうだったのか…。」
自分の勝手な見通しだとか期待だとか、こうして私もひとつづつ手離していったのだと思います。