じゃ股！
11月12日は、KANちゃんの1周忌で、
私がいつも聴いているFM COCOLOでは
一日中KANちゃんの歌が大増量で流れ、
親交のあるミュージシャン達の
コメントもオンエアされた。
とはいえ、私は平日は朝6時から8時の
家を出るまでの間に聴いているだけなので、
1週間かけて聴けなかった番組を
タイムフリーで聴き返した。
私の世代では、KANちゃんとの出会いは、
『愛は勝つ』で、やまかつＴＶの人が多いと思う。
で、その後はそれ以上のヒット曲がなく、
なんとなく過去の人みたいな。
私は、KANちゃんのアルバムをほぼ全部
持っていたと思う。
リアルタイムで聴いていたのは３枚目までで、
そのあとは少しブランクがあった。
そのブランクの間に、
カラオケで『永遠』を歌ってる人がいて
あらためていい曲やなあと思い、
そこから再度聴くようになった。
802で桜井さんと週替わりで担当してた番組や
ココロで要さんと一緒にやっていた
『wabi-sabi ナイト』も聴いていたし、
ライブも何度か行った。
音楽的なバックボーンにみっちりクラシックが
あることがおそらく理由で
彼の描くメロディは美しいし、
すんなり心に入ってくる。
『Song Writer』とか『めずらしい人生』とかで
彼の音楽人生をうかがい知ることができる。
（おそらく実体験）
歌詞はロマンチックやったり、
言葉遊びとか、ギャグを盛り込んだ
楽しいやつやったり。
私にとっての前者の代表は
『世界でいちばん好きな人』、
『すべての悲しみにさよならするために』、
後者の代表は『牛乳のんでギュー』、
『ドラドラドライブ大作戦』とか。
好きな曲はいっぱいあるけど、まず『月海』。
恋人を失ったあとの絶望を歌ってる。
実体験に基づく歌詞なのかどうかは
知らんのやけど、
絶望を歌ってるのに美しいし
それだけに切ない。
それから、『長ぐつ』。
ほのぼのした調子で、
好きな人への愛をストレートに
歌っている。
雨の日って憂鬱な気分になりがちやけど、
この歌を思い出すとなんかじんわりと
心があたたかくなる。
で、『50年後も』。
KANちゃんが亡くなったニュースが流れた翌日、
ヒロTがココロに寄せたメッセージで
涙ながらにこの曲を紹介していて、
「明日の朝もしもぼくが死んでいたら
君はどうする？」
の歌いだしで、私も一緒に泣いてしまった。
ヒロTは、関西圏以外の人の知名度が
どれくらいなんかは定かではないけど、
関西のレジェンドDJで
私は802の朝の番組を担当してた頃から、
ココロに移って朝の番組を担当していた番組も
聴いていた。彼が帯番組を卒業した際は、
しばらくロスに陥り、ヒロTのいない朝なんて……
と思っていた。
（今はすっかりまちゃおに慣れたけど）
で、KANちゃんはヒロTの番組に
ゲストで出演することもよくあったし
親交も深かったんやと思う。
どの時期やったか忘れたけど、
ヒロTがKANちゃんについて
『愛は勝つ』っていう大ヒットがありながらも
あまりにもヒットしすぎてそのイメージが定着して
ご本人的には、LOVEHATEなところがあったのを
乗り越えて……みたいな話をしていたのが
すごく印象に残っている。
愛は勝つはたしかにキャッチーやけど、
KANちゃんの良さは
もっと別のいろんなところにあるのに、
とは私も思っていた。
音楽的な素養の高さや音楽愛ゆえ、
いろんな曲へのオマージュをしのばせたり、
深い歌詞やったり。
とはいえ、KANちゃんはいろんなアーティストに
尊敬されて、ファンにもすごく愛されていた。
で、11月12日は、横浜では追悼ライブ
『KANタービレ〜今夜は帰さナイトフィーバー〜』
が開催された。
豪華ゲストが集って、楽しかったみたいなので
放送を心待ちにしている。
ココロでオンエアされたコメントの中でも、
複数の人が語っていたのが、KANちゃんのメールは
いつも最後が「じゃ股！」だった、
というのがなんかおかしかった。
で、そんなふうにKANちゃんのことを
思い出していたら、韓国の俳優ソン・ジェリムの
訃報が届いた。
『太陽を抱く月』で初めて彼を知ったけど、
寡黙ながらも王に忠誠を誓った
できる護衛の役がめちゃくちゃかっこよかった。
セリフは少ないから、演技がウマいか下手かは
あんまり関係なかったんかもやけど、
佇まいというか、存在が光ってた。
そもそも私は、チョンイル君目当てで
このドラマを見ていたけど、
途中から、イル君とともに、すっかり「ウナ」の
ファンになった。
その後、コンスタントにドラマに出演するように
なったけど、やっぱりあのとき以上のインパクトは
なかったような……
そう思うと、KANちゃんにも通じるけど、
当たっても、それがかえって
足かせにもなることもあって
成功したからといって、
幸せになれたとは言えないのがなんとも……
てんかんじでちょっと、
しんみりした11月12日でした。