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サステナブルファッション。同じワンピースを、16通り、とことん着こなす。着まわしと着こなすの違い。服は数でもお金でもない。

着回すということばを、自分自身も結構使ってきたのだけど、ちょっと封印しようと思っている。着回すことが悪いのではなく、その言葉がもたらす空気が、マインドにあまりよい影響がないと感じているからだ。

職業柄、クライアントのご自宅へワードローブのチェックに伺うことが多いのだが、その際よく出てくる着まわしアイテム、という存在。その姿は大事にされているというより【疲れた顔を持つ】特徴がある。

沢山着まわしては貰ったものの、なぜかとくに大切にされていない。ないがしろにもされていないけど、その姿はいつも疲れている。ヘビロテされるそのアイテムは、一言でいってしまえば無難でオーラがない。人間の世界にも【使いっ走り】という善くない言葉があるけど、少し近い感じ。

もともと 着まわせそう、というマインドから選ばれたアイテムは、最初から【利用されるだけの】存在なのかもしれない。そこに着る人独自の思いが宿らないのだ。思いが宿らないものには、その人がない。そのひとの持ち味を感じられないアイテムということになる

その疲れたアイテムは、色々着れるが全部同じ印象。どこか貧乏臭さが漂い、服も人も輝かないという事態が起きている。貧乏くさいなどと書くと批判されそうだが、私は自分の本にも【貧乏はいいが貧乏くさいはよくない】と伝えている。

私が選んだ、この春の一枚は、自身が何故これを着るのかという理由が明快であり、いつまでも心地よく愛用するだろうという安心感もありながら、着こなすときのテンションがとても高いものだった。このワンピース、実はオファーいただいた仕事で購入したものでもあり、とにかく環境にも人間にも優しいもの。

乾癬という皮膚患者の方々を対象としたお洒落の指南ができないか?という相談をあるメディア媒体から受け、私はお役に立ちたいと思った。私自身、出産と同時に不治の病に犯され、その薬の副作用で全身がケロイドのようになった経験がある身だ。服を着ようとしても、皮膚に張り付き、かゆくて引っかけば皮膚がただれ落ち白い粉のように服についてしまう。悲惨だった。

乾癬の患者さんたちの辛さは多少なりとも、理解できるところがあった。私の場合、病気の緩解とともに症状はマシになったものの、未だに皮膚は弱く、洋服を選ぶときの優先順位に【素材。着心地】が高い位置にある。

感染の患者さんたちは、なかなか完治しない状態と共存しながら、今日もそのしんどさを抱えながら服を着るのか、、と思うといてもたってもいられなかった。この仕事の撮影で用意したラインナップの一枚がこのワンピース。

ワンピース一枚で可能な着こなしの事例です。

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トレンド色の蛍光イエローグリーンは強い色ではあるが オーガニックコットンの独特な風合いでナチュラルな雰囲気も醸し出す。ナチュラルというと、ホワイト、ベージュ、やっさしいグレーなどを思い浮かべるでしょうが、皮膚疾患がある場合はこのナチュラルな色は時に致命傷になることもある。私はそうだった。

正常な状態を保てない皮膚は、ちょっと掻くと血が滲み出てしまうこともある。外に出て、皮膚の状態をじろじろ見られている気がして冷や汗が噴出すこともあった。そんなとき、白は自分の身を守るどころか時にストレスマックな状態になったのだ。もちろんポイントで使うことは構わないしナチュラルな色は着たいですよね。ただ主役の一枚には決して選べないと思っていた。

かといって暗い色は最悪。先ほども書いたように爛れて落ちていく皮膚の粉がフケのようについてしまうし、実際頭の皮膚からも沢山の皮膚が爛れ落ちていた私には、黒い服、ダークな色目も厳しかった。実際乾癬患者の方にお聞きしてみたら同じ悩みが。

となると、どんな色目がいいのか?皮膚疾患が辛くともマインドが前向きになれ、手抜きなく、お洒落を楽しんでいるように見える、そんな色やデザイン。そして永く愛用でき、洗濯も可能。一番のポイントは肌触りと素材。そしてそのアイテムが作られていく過程の真実だろう。

信頼できるものかどうか?は着る人の心を左右する。結果見栄えには大きく影響を及ぼし、マインドフルな状態は 自信を持って【着こなす】喜びが生まれるのだ。それは見る人の心にも【病気でかわいそう】などという同情が生まれない。病気も個性、そんな風にまで感じられる装い、アイテムを探そうと思った。

選んだ一枚のワンピースは、乾癬患者さんのためのもの+自分も愛用したいと思うもの、の両方を満たす、このオーガニックコットンワンピースに決めた。そして今実際に、この一枚を着回すのではなく、着こなす日々だ。

これだけのバリエーションで着こなせるのに無難なものでなくても可能なのは、私自身が8年ほど前に出した本【素敵の法則】にそのスタイリングの方法や極意は書いてあるので一読いただけたらわかりやすいと思う。

最近になってまたこの本、改めて多くの方に手に取っていただいている模様。似合うの箱に入る詰まらなさに気がついてきた人が増えたと見ています。この本を出すとき、写真では古くなると思い、イラストで各テイストを説明しているんですが、それも無理がなくていいのかも。

似合う自分軸を元に、あらゆるテイストをミックス、そして表層の似合うだけではなく、そのひとがもつ内面・マインドをブレンドしていくこのスタイリング手法には、「でなくてはならない」がない。どこまでもそのひとの可能性を広げていけるメソッドで、このマインドブレンドの部分は、ゆくゆく出版したいと思っている。素敵の法則は、マインドの部分にも触れているが、診断方法などはまだ未公開だ。今、準備中。素敵の法則で基本を知って、このnoteをご覧くだされば、その深さと楽しさがわかるかもなぁ。

では実際の、着こなし画像はこちら。私の 似合うの軸は マニッシュクール。(素敵の法則参照ください)こんな風にハットとゼブラベルトでマニッシュに装う基本がこちら。↓

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ゼブラベルトはアルマーニ。ウエスタンデザインのショートブーツと合わせて少しハード目に使う。これは一枚のワンピースを自分軸へとスタイリングした基本事例。

下はマニッシュクールの応用。ワンピースの広がるフレアをクールに折りたたみベルトで固定。得意の革ジャンで更にテンションをあげます。かわいさがでるフレアーをたたんでしまうなんて驚かれるけど、割とよくやります。

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革ジャンは自分の肌か!というほど着熟している YSLのもの。ブーツはオリンピック開催式でピアニスト上原さんの衣装をデザインしたことで再び注目を浴びているミハラのもの。両方とも20年選手?長いなぁ

えー、そんなマニッシュなスタイル自分には無理ーと言う方にも、こんなナチュラルな装いならOKなのでは?こちらはマニッシュクール軸に、ニュアンスボーイをミックスしたコーデ。なんでもないコーデですがバックスタイルが肝。

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娘と共有トップスは、サスティナブル。とってもリーズナブルですが、コスパ最高な若い人向けブランド。要は選び方です。

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こちらはその応用で、ロングシャツをプラス。このシャツは無印良品で同じく肌にとっても快適。あ、そうそう スタイリストはお高いものばかり着るんですよね?の謎もリアルに撤回します。

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ちょっと年齢不詳になるニュアンスボーイミックスですが、逆に大人っぽくなるワイルドシックは大判の巻物が得意なテイスト。様々なデザインの大判スカーフやショールでワイルドな装いに。左のスカーフだとシックな空気も出せますね。スカーフの持ち味によって さまざまなテイストミックスが可能です。

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ではこのワンピース、ビジネスでは絶対無理?いえいえ キャリアクラシックをミックスすれば、マニッシュクール軸のジャケットスタイルが出来上がり。もちろん職業やオフィスの雰囲気によってはNGでしょうが、ハットをとれば許容範囲は広そうでしょ。でもこの帽子、かんかん帽ですが、かんかん帽はメンズの世界ではビジネスのシーンで被られていたものなんですよ。H&Mのかんかん帽に自分でリボンデザインしました。ホワイトとブラックのリボンの太さを微妙に変えているところがミソです^^手作りはとてもマインドフル。

ジャケットは長年愛用のドルチェ&ガッパ-ナですが、こんなマニッシュなジャケットだってオーガニックに合わせてしまいます。テッパンエルメススカーフは淡いカラーをチョイス。

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千鳥格子のショートジャケットを合わせれば ノーブルな雰囲気も。ノーブルにクラシックをミックスしていますよ。季節は秋口ですね。

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こちらは、乾癬患者の方々にもご紹介したスタイル。ZARAのコットンシャツで爽やかに。キャリアクラシックミックスですが、こちらはカジュアル編ですよ。ネイビーパンプス+ホワイトスニーカー両方の画像を。気分は軽やかです。

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今はコロナで、ファッション仕事のレセプションパーティーなどめっきり減りましたが、このワンピースを着用して伺うならこんな感じ。

コムデギャルソン30年愛用のアイテムを合わせて、モードな空気を。この場合、マニッシュクール軸にアジアンスマートをミックスします。袴を彷彿させる巻きスカートは日本の美を感じさせますが、蛍光色とのコーデで無国籍な雰囲気に。

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こちらもレセプションや展示会にお邪魔するスタイル。アジアンスマートや、ワイルドをミックスしています。ネクタイを着物襟のように見立て、ジャパンメッセージを密かに取り入れたりします。

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真夏のバカンスも遠のいたこの夏だけど気分はこんな感じ。エキゾチックセクシーをミックスして、リゾート気分です。これ、大判のスカーフを腰に巻いていますよ。この素材感も肌にすっごく気持ちがいいんです。サンダルのヒール部分がワンピースと同じカラーでテンション上がります^^

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ナチュラルなオーガニックコットンをセクシーよりに着こなすことも可能ですね。ストレッチレースはイタリア産下着。下着も下着と思ってしまうのは勿体無いですね。

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この何十通りにもなるスタイルをFB投稿したら、いろんなモデルさんがやってるんだと思ってました!!というご感想も。ええ、こんなキュートなスタイルは、私には見えなかったみたい。笑 まぁマニッシュクールが軸(似合うの軸)なので想像がつきにくいのかもですが、実はこういう気分の日も私には結構あるんです。アクティブキュートテイストは乙女な気分を呼び戻してくれたり、ポジティブになれたりと楽しいですね。パールもオレンジピンクでスニーカーに合わせて、キュートさアップ。この画像が一番 ワンピースの原型が見えるかもですね。前髪だけのウイッグで遊んでますよ。

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こちらはキュートとフェミニンをミッスしたスタイル。アンティークレースのジレでレトロな雰囲気を楽しむ。バレエシューズは通販生活さんで商品をプロデュースさせていただいたときのもので、完売しましたが私も愛用。

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ラストは、本当は今日いけるはずだったオリンピック観戦を意識して。アクティブなポロシャツをインに。まぁ実際行ったなら、陸上なのでこれではなかったかなぁと思うけど、またオリンピックファッションもアップしますね。

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着こなし例は、まだまだあるのだけど、数じゃないんです。気回しではないから。着回すというマインドで服を選べば 必ず起きるのは【無難】なチョイス。あれもこれもあわせられそうだからという、少し大雑把な概念だけがつきまとう。気持ちの豊かさから遠のいていくんです。

私もここをちゃんと伝えずに、気回しが利くという言い方をしてきたことにいまさらながらちょっと反省。利くも利用の利くじゃなく、着こなしが効く、効用のほうの効くを使いたいものだわ、と思っています。

途中で気こなすを さらっと着熟すと書いていますが、そう着こなす、とは熟すとも書くんですよね。人生熟成が深まるほど着まわしは寂しく大雑把無難なものになる。大人であれば、こうした新しい概念を纏ってほしいなと思うのです。そう着回すのではなく着こなすこと。

私自身は変幻自在にテイストを扱い、その日会う人やシチュエーションに合わせ、自分のマインドも生かしながら、開放感いっぱいで服を楽しんでいます。何でもいいという自由ではなく、自分の軸を表層と内面から編み出し、あとは応用やアイデアで、今日会う人へのギフトに、そしてマインドフルなファッションを体現し、スクールでもこの哲学とスキルを教えています。こうした着こなす訓練は、いずれ絶対に、じぶんだけの【スタイル】にたどり着くもの。生徒さんや顧客さんにやろうっていうことは、まず自分から体現するのが信念。

次回は、デニムの着こなしを、変幻自在にお伝えしまーす。



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