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衣服が人を作る。その人の個性表現と社会的役割、その両方を果たす服とは?アンガーマネジメント協会代表・戸田久実さんをスタイリング。

「衣服が人を作る」


だからこそ、私は、人の魅力を最大限に引き出すだけではなく、服から「可能性を拡張」し続けたい。

その人が、大切な顧客であればなおさら、安心安全な提案に留まらず、共にチャレンジしていきたいと思う。

8年前から、スタイリング提案をしている戸田久実さん。

アンガーマネジメント協会の理事を長年務められているが、その『代表理事』となって初のカンファレンスが行われた。

そのスタイリングの前に、ちょっとこれまでのスタイリングをいくつかご紹介。


カンファレンスでのスタイリングはもちろん、ここぞというときは
いつもお声がけ下さっている。
この日は tae ashida 本店にてアテンド。
taeさんにはいつもショーにもお招きいただいているが、この日初めて
久実さんにお勧めしたときの記録。

お店でゆっくりと。身も心も清まる店内です。


このときお勧めしたのは、こちらのワンピース+ボレロジャケットの組み合わせ。
身体にぴったり馴染み、蛍光グリーンが華やか。ワンピースと別のジャケット、という組み合わせもできるし、ボレロジャケットははいウエストのジーンズなどでもよさそう。

アニマル柄は似合わない、と宣言されていた久実さんだが、こちらのアニマル柄なら上品な久実さんにぴったり。アクティブな雰囲気も醸し出し、旅行に行かれる際などに重宝して貰っている。
ヒョウ柄ではなくゼブラで面積が少ないことがミソ。サファリな雰囲気も久実さんが着こなすとエレガント!


過去のカンファレンスでは・・



エミリオプッチの地図柄トップスにトモローのグリーンパンツを合わせて。このころ前髪パッツンでもあったので、少しキュートな要素もミックス。


もちろん カンファレンスの時だけではなく、新しい本が出た際のプロモーションにも。


こんなドレスの裾をカットし、ジャケットのインで着用したことも!!


インナーのグリーンプリーツブラウスはオリジナルで作成してポイントに。


アンガーマネージメント協会のポートレートカラーはグリーンで
毎年グリーンを基調としたスタイリングを行っているが


昨年は『ミントグリーン』に挑戦。


ありがたいことに、沢山の久実さんのファンの方々からもお問い合わせを頂いたスタイリングです。


このパンツスーツはイタリアから仕入れた歴史あるブランドのもので
日本では手に入らないもの。

その時期、日本の市場にピンとくるものがなければ、海外から調達する、ということも毎回視野に入れている。他者と差別化、という意味でも、マーケットは世界中です。

様々なグリーンの着こなしが際立つ協会の皆様の中でも、ミントという色の爽やかさと、ブラウスの深緑&柄との落ち着きで、理事という立場も含め
絶妙な表現でまとめあげた。


カンファレンスだけではなく、澤さんとの対談でも着用。


これまでのスタイリングの数々を全部、一冊の本にまとめたいくらい
お付き合いは長く、スタイリストと顧客という関係だけではなく、お食事に一緒にいったり、プライベートでも散々お世話になってきました。


こんなお食事シーンでも、チョイスした服を着てくださっていますね。華やか。


そして なんといっても 「戦友」でもある。


同じ時代を生きて、そして実は2人とも、長男が同じ年で。。。
働きながらの子育て、しかもヘビーにパナク働く性分な私たち、、
お互いあのころの記憶が飛ぶくらい、子育て、仕事とてんやわんや。

特に語らずとも、その状況が手に取るようにわかる相手なだけに
この関係を一言で表現するなら

戦友。

親友、心友、朋友 etc
友の表現も多々あるけれど、戦友と呼べる数少ないかけがえのない友だ。

あの戦いの日々は、今じゃ笑えるけれど、
毎年お互いの長男の誕生日投稿には、戦友モードが働いて、じーんとしたりしています。笑

こうした『状況』や、その人の 『背景』をキャッチしているかどうかも
パーソナルスタイリングの大事なところ。


私が足を骨折した際も、変らずアテンドに。杖をもってのアテンドだったけど久実さんとなら平気です。戦友の絆?なぜかこの日はペアルックのようだった。


その人の個性と社会的役割、その両方を果たす服とは?


戸田さんといえば、働く女性たちにとって憧れの女性の一人としてよく名前が挙がる方でもある。

久実ファンの皆様には、ありがたい事にファッションも含めて大好き、真似したい、というお声を多々頂いている。

真似したいけど、真似できないところに毎回感激しながらカンファレンスの服装を見ている、という方もいる。

今回は、洋装でありながら、ちょっと和装に見える、着物スリーブのシルクブラウスにチャレンジして貰った。

正式には着物袖、ではなく『ドルマンスリーブ』というが

広げるとモモンガの羽のような広がりがあり、そのデザインは無数だが、今回選んだものは、ドルマンの中でもかなり贅沢なパターン(型紙)でシルクの生地をふんだんに使った個性あふれるデザインだ。


ドルマン+着物スリーブ、独特なデザインだが素材がシルクで斬新さだけではない上品さもある。


着用するとこんなかんじ。ヘアスタイルも、こんなかんじでいきますか?とハーフアップにしてみているアクション。当日はハーフではなくもっとサイドをすっきりさせました。



以前、久実さんお着物はどうかしら?と聞いた際に、カンファレンスでは洋装で、とはっきり仰ったことがあり、そのお考えを汲みながら『和』と『洋』のミックスができないものかという考えはいつも私の中にあった。

今回実は、もう一つ候補があって、海外から仕入れ、取り寄せたワンピースもあったのだが、不覚にもどうしても気になる傷のようなものを発見。これはもう、ご縁がなかったのだなと早急に頭を切り替えた。こういうとき、ショックを受けたり、あっちのほうがよかったなんて思うことが一ミリでもないように、あの手この手を普段からどこまでも準備をしておくことが肝心で私の頭はすでに、違うスタイリングの完成に向かっていた。


実は候補だったワンピースはこれ。あのベッカムの奥様、ビクトリアベッカムがプロデュースしたもの。こちらも間違いなくお似合いだったはずよ。また、新しいブランドにもチャレンジしてもらいたいなー


候補であったワンピースは1点で完成するものだったが、次なる案はアンガーマネジメントのポートレートカラーであるグリーンは健在でありながら、色に甘えず、全体としてのシルエットのインパクトを狙った装い。


フロントはイン、バックは裾をパンツに入れず、というレクチャー中。後ろの鏡にバックスタイルが映っているが、この着こなしに久実さんは最初抵抗があった様子。^^これも時代の空気です。



ショッピングは、私がチョイスはしていますがお店のスタッフさんとの連携がすごく大事。
この日もお世話になっている販売員さんも一緒に久実さんのスタイリングをつくりあげていきます。お店のゆったりソファーで。



カンファレンス当日を迎えて


結果、戸田久実という唯一無二の存在感を現すものになったと同時に、見る人に新しい風を吹かせたのではないかと思います。

凛とした優雅な姿に惚れ惚れ。


この大人数の中、舞台に立たれるわけです。


また、多くの人が集まるカンファレンスで、トップであるその立場を担う服装であることも大事で、その両方を満たす存在になるように、衣服が戸田久実という人を作っていったようにも思うのです。もちろん私自身も、スタイリストとしてその思いを衣服にふんだんに籠めるのですが。

見る人の想像を超えていくことは、どこまでもリスクが伴うけれど、その境界線を程よく超え、新鮮味がある姿だからこそ伝わる

ギフトが必ずあると思うのです。


全員集合写真の中では特に、代表というお役目があります。



理事の方々のお集まり。久実さんの←、スポーツテイスト、カジュアルスタイルでご参加なのが元、代表の安藤氏。実は彼のスタイリングも、以前任されていたことがあるのですよ。


このように、カジュアルな人もスーツな人もそれぞれがグリーンを基調に装う中で、では久実さんはどうしたら『馴染む』のか はたまた 別の役割があるのか、皆さんはどう思いますか?


場の価値を上げる存在の重要性。


私は『場の価値を上げる』存在にも、久実さんはなっていると思うのです。
他の方の表現したいことも尊重しながら、代表としての立場は確実に、、
そして

そうきたか! は 久実さんのカンファレンスでのお役目でもあり、かといって意味不明すぎても共感を呼ばず、どこに着地点を置くかが私のお役目。

着地点が今まで通りであれば、安心安全かもしれないけれど、それはもしかしたら見る人を飽きさせるリスクもあります。

毎回良い意味で頭を悩ませ、チョイスするに骨が折れる仕事を任せて頂いている。これはとても有難いこと。

私はそのことを『生きがい』のように感じていて、これはもう本当に大げさじゃなく、大好きな久実さんを衣服から応援し、共にその日を迎えられることへの喜びは、言葉にできないものがあるのです。


こんな人から表彰されるのは嬉しいのではないかと勝手に想像していますが、お着物の方と並んでもお互いが良い感じですね


全身コーデ解説


ドルマン型のブラウスに、ボトムは今期注目のベルベット素材のパンツスタイルで。フロントはイン、バックはブラウスの裾は出しましょう、と伝えると「え~~~!!!」と困惑されていたが

毎回まず商品を見せた瞬間から「え~~~!!」で、だんだんとマインドが整い、「これでいく!」と腹を決めていく久実さんを見ていられることも最高の幸せなのです。


ボトムは『あえて』ベルベットパンツで重厚感とパンツというアイテムの軽快さも。


髪型のアドバイスも、今回はフロントから見たらショートのような編み込みをご提案。袖のデザインが際立つように頭は小さく。美しく新しいバランスが整ったと思います。


フロントからはショートにも見えるバック編みこみヘアは好評でした~頭も小さく見え、特徴があるブラウスデザインを際だ出せてもいますね。


ブラウスは、あるセレクトショップのスペシャルラインのもので、ほぼ他者と被ることはないものです。

久実さん自身がスペシャルな人なので、やはり着こなせてしまうのですよね。デザインや色に決して負けない人ですから。

最後に添えたシルバーネックレスはシンプルでクールなものにしました。エレガンスが得意な久実さんを少しモードに寄せた装いの仕上げには、今期流行のゴールド、ではなく、あえてシルバーのロングタイプをチョイス。

流行は知っていれば良いのであって、そこに乗るだけでは脳がありませんし。


シルバーアクセサリーは目立たせる必要はないのだが、あるのとないのとでは差があるんです。遠くから見て主張せず、近くで見てクールさとセンスが伝わるもの。


この画像は、安藤氏(元アンガーマネージメント代表)とちょっと遊んでいるキュートな画像、笑。そう、協会のカンファレンスは堅苦しいものではなく、こうした愉しいシーンも多々あるのだとか。

そんなシーンには自然とカジュアルにも見える不思議な幅広さのあるコーデともいえますね。


人生を共に伴走。そこに服があるから応援することができる。



この画像は、久実さんとのショッピングで最も思い出深いもので、、、
私からの感謝の気持ちをこめて、そして忘れないように、ここにも記録しておきたいと思います。

キャロリーナへレナのお店でショッピング。

コロナ、という世界を震撼させた出来事は、正直、ファッションレスキューにもファッション業界にも、大打撃があり、東日本大震災のときに続く
サービスの停滞がありました。

まず買い物に行く?ということ事体が出来なくなる、服は二の次どころか三の次、十の次という感覚に世の中は傾きます。だって外出は避けられ
皆がリモートになった イコール 服が要らないのですから。

そんなときも 久実さんは変らず、オファーを下さって
人前で弱みを見せない自分が始めて、久実さんの前では泣きました。

自分でもびっくり。

そのときの思いは今でも言葉に出来ないです。

普通に考えてサービス業の人間が顧客に涙を見せるなんて、そんなこと
やっちゃいけないというか、ハッピーを届ける仕事なのに
久実さんに沢山励まされたのです。


私はこの日、久実さんに感謝の気持ちを伝えたくて、手作りの小さなハットを作ってプレゼントしました。ピーちゃんという、おかめインコを大切に飼っている久実さんに、ピーちゃんをイメージしたヘアアクセサリーを。


ピーちゃんです。 このときのスタイリングもプロデュース任せて頂いてます。


ラブしかない


長くなったけど、それほどやっぱり、顧客さんのことをラブなんでしょうね。
過去も今も、多くの後進たちを育成していますが、ここのところ一番大事だと常々教えています。
クライアントの一番のファンになるほど興味と愛を持って接し、追いかけることを。

でもそれって教えてどうにかなるものでもないんですよね。





この日、アシスタントに入った MFJ(政近主催のファッションスクール)で学ぶ本橋も同行しましたが、この仕事を、いずれやっていきたいと思っている彼女にも、そういう心を持ったパーソナルスタイリストになってほしいなと心から思っています。


久実さん、来年もまたよろしくお願いします^^


本橋がとってくれた画像、アテンド中のリアル! カンファレンスの装いだけではなく、この日はジーンズもトライ図^^




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