季節感という、ごく当たり前のこと。桃メイクに、和柄アディダスを着る。
季節感というのはごく当たり前のように思っているけれども、われわれはそういうものにすごく動かされている。
ファッションはそれの最たるもの。季節感を感じさせる装いは、それだけでギフトだ。自分が暑いから涼しくしている、という自分都合・自己満足を超えて、【見る人にとっても、涼やかさを感じられる】ことは思いやりであり、粋な計らい。
福島から桃が届いた。
大切な教え子さん、佐藤めぐみさんから、みずみずしい桃が届いた。
彼女との出会いは福島復興の思いを形に、福島でのファッションショーを企画実行した際、ランウエイモデルのお一人だったことから。市長(福島市・二本松市)のお二人を筆頭に、地元で暮らす方々に、あえてステージに立って貰うことにこだわった。その様子はこちら。↓
めぐみさんは、この出会いがきっかけで、私の元でファッションを深く学ぶようになった。そして、この桃は、同じくショーのときのモデルだった農業女子の 景井愛美さんが作った桃で、二人は親友。そんなお二人と、福島復興がご縁で、今も関係が繋がっていることを、とても嬉しく思う。
そして送られてきた、福島の桃。瑞々しく、愛らしい。心が篭ったメッセージとともに。
にゃんも 香りを不思議がるの図。
詩人 長田弘さんの言葉
冒頭のメッセージは彼のこちらの原文から頂いた。
とてもおいしい桃を頂きながら、福島に思いを馳せる。
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(被災地に)わたしが行ったり、話を聞いたりする人にとって、一番支えになっているものは季節なんですね。
3月11日に大震災が起きたことが、東北ですからまだ春は来ていないんですけれども、その後、春が来たなということが多くの人にとって非常に支えになったというか、なぐさめになったというか、励ましになったというか、それは何度か聞きました。
自分たちがこんなに悲しくても花が咲くというようなこともあり、それで、人が入れないところでも植物は育っているわけですね。
そういうのを見ると、そういうところで変わりなく季節が変わっていくことの美しさというか、そういうものによって人は、ただ花が咲いているだけのように見えるけれども、あるいはそれで散っていくようなことだけれども、実際問題として、いろんな報道を見る限りでも、桜が咲いた、ヒマワリが咲いた、柿はどうした、野菜はどうしたというような話が人々の励みの中で一番生活の目安になっている。
もしそれがなかったら、みんな自分を支えることは非常に難しいのではないか、ということを強く感じるようになりました。
むしろ、季節感というのはごく当たり前のように思っているけれども、特にその後、ことしのように、まれにみる大雪の日が続いたり、去年の夏のようにものすごく暑い日が続いたりすると、われわれはそういうものにすごく動かされているというふうに思いますね。(長田弘・詩人)
季節はめぐる
日本の四季はわれわれ日本人にとってDNAだろう。知らず知らず、繊細な感性が育まれていることは自然の恩恵だ。
福島の桃は桃の中でも色鮮やかな外見。切るとピンク、赤、イエロー、白、キュートな色目がマーブルになっていて可愛い。うだるような暑さのなか、のどが潤う、みずみずしい福島の桃を見ながら娘は言った。
【生まれてはじめてのネイル、桃ネイルにしようかな】
桃のマーブル柄をネイルに施そうと考えた娘。
小学校の先生だから夏休みくらいしかネイルはできないそうなんだが、そんな発想も生まれる、季節ならではの感性。こんなマーブルカラー、24歳の夏にいいかも。
そして 私も 桃メイク?! こういうピンクメインなメイクアップにあわせ、装いもピンクをポイントに。ピンクが効いた和柄のアディダスは、クールなんだけど、甘い要素もありますね。
真夏でも リネンのジャケットは涼しげで、インナーはシルクのブラックノースリーブだから ホワイトジャケットは冷房&日焼け対策に。
福島と、桃と、ご縁と、ファッション。
「変わりなく季節が変わっていくことの美しさというか、そういうものによって人は、ただ花が咲いているだけのように見えるけれども、あるいはそれで散っていくようなことだけれども、実際問題として、いろんな報道を見る限りでも、桜が咲いた、ヒマワリが咲いた、柿はどうした、野菜はどうしたというような話が人々の励みの中で一番生活の目安になっている。
もしそれがなかったら、みんな自分を支えることは非常に難しいのではないか。」
そう、こうした暖かい便りにも支えられ、何があっても季節がめぐっていくという【当たり前のこと】こそ、日々丁寧に大切に 感謝の気持ちを忘れずにいたいとおもう。
今一度、しあわせをかみ締めながら。
あー美味しかった!笑 桃の季節も、そろそろおわりですね。
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