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ファッションとは、いつか必ず時代遅れになるもの。だからこそ、引継ぐ人に求められるは、安泰ではなく革新。一流は逆境こそをチャンスに更に飛躍する。芦田多恵さんのショーに思う。
「JUN ASHIDA AUTUMN WINTER COLLECTION 2023-2024」
グランド ハイアット 東京へ。
もうずいぶんと、この日から時間がたってしまった~~ !!
それでも、ショーの余韻がハートに心地よく響いていて
いつまでも豊かで、心躍る気持ちでいられるのはショーの威力だと思う。
こうして記憶をたどるだけで若返りそうだ。笑
JUN ASHIDAのショーの1週間前は TAE ASHIDAのショーだったのだが
その記録もFBでご紹介はしたものの、noteでの記述は未だ。汗。
よって、近年のショーの様子を、少し振り返りながらのご紹介を。
芦田多恵さんといえば、故・芦田淳氏のBIGメゾンを一手に率いる
日本のトップデザイナー。JUN TAE ミスアシダなど、メゾン全体をプロデュースするわけだから、ショーシーズンは特に、想像を絶する大変さだとお察しします。
鬼スケジュール過ぎて、正直、元ファッションデザイナーの私には
そのご苦労が垣間見えるだけに、マジ尊敬。怪物・宇宙人レベルです。
一体その舞台裏はどうなっているのでしょうか?怖いわ、、、
国立競技場を舞台に。
2022年のショーでは、小室氏の生演奏とともに なんと国立競技場を舞台にランウエイしてしまうのだから、本当に驚かされた。
何が凄いって、伝統を引き継がれるだけでも重圧なのに、この過密スケジュールの中で2ブランドのショーをこなし、一切の妥協がない進化と驚きを提供してくださる演出力。バイタリティー。
そして関係する人々への、愛も半端ない。
どれだけの名声を得ても、いつも丁寧にお優しくご対応くださる多恵さんとメゾンの皆々様。
そして、毎度オーディエンスの喜ぶ顔が見たくて、どこまでも進化すること自体が愛の塊。
人をわくわくさせ続けるって、神ですからね。普通は自分のことで精一杯ですから。
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そして驚くべくは、こうしたショーの様子は この会場に来ることが不可能な方にも、最先端テクノロジーを用いて、同時配信を可能にしていること。
住友ビル・三角広場が会場
国立競技場という斬新な会場のあとは、いったいどうされるのだろう?と勝手に心配してしまうほどインパクトがあったショーの次シーズンはなんと、西新宿の住友ビル・三角広場が会場~~!!!こうきましたか!!
と又も驚愕。全くをもって、飽きるということがない。
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10名の奏者によるチェンバーオーケストラ
そして、やっとJUN ASHIDA AUTUMN WINTER COLLECTION 2023-2024の画像。TAEブランドとは違い、会場は安定しているものの、やはり毎度心を鷲掴みにされる演出には、ため息が漏れます。
驚くべくは、10名の奏者によるチェンバーオーケストラがランウエイに沿って一列に並んだ、、その構想。
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ミニマルな管弦楽演奏と現代的でエレクトリックなリズムがミックスされて
なんとも新しく洗練された音を奏でていました、、。
音源は、いくつかの種類にわかれていて、これまた音まで飽きさせることがない素晴らしさです。
特にラストのモードなテクノ クラシック ミュージックと全員のランには
感動!
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いつだって 多恵さんはご丁寧に接してくださいます。そしてお会いするたびに、その美貌と若さが際立ち、、、実は同じ世代の私、刺激しかありません。多恵さーん!汗。
Tae Ashidaには数年前から、新しいメンズラインも登場しています。
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トガっちさんにお会いできるのでは?と思っていたら、やはり。笑
戸賀氏はtae ashidaのメンズラインのプロデューサーを務めていらっしゃいますよ。
3人申し合わせたようなスタイリングで、更に盛り上がる私たち。多恵さんとの4ショットも頂きたいくらいのモノクロチーム感でしたね。
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本当はすべてのショーに対して、エデュケーション詳細にnoteに残したいのに、、FBポストのみになっているので反省中~~~っ。
今期のコンセプトは、“エレガント&プラクティカル”。
お父様の時代から引継ぐ、オートクチュールのテクニックは毎回息を呑みます。最高級の仕立てに相応しいクオリティー高きマテリアルの美しさ、
高級なもの=着心地は我慢、なんてことは一ミリもなく 手を通しては驚く
類を見ない着心地のよさ。(先日展示会に伺い、ここに写る作品を
試着させて頂きました)
コロナも収束に向かい、外出の機会もやっと増えてきた世の中の動きに合わせ、リアルクローズなアクティブなアイテムのラインアップも充実。
エレガントが基本なスタイルでありながら、クールでモダンなマニッシュスタイルが特に、私の心を掴んだ感じ。
ラストにはいつも、泣きそうになるほど美しいラグジュアリーなカクテルドレス、イヴニングドレスなどが登場し、そのようなシーンを思い浮かべながら至福のランウエイタイムが幕を閉じていきます。
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未来的。
いつものこととはいえ、沢山の駐日各国大使をはじめ
政財界のVIPや華やかなセレブリティが来場される格式高きAshidaメゾンのショーは、東京コレクションの中でも類を見ない存在。
ショーが終わった後は、余韻に浸りながら、シャンパンを少しだけ頂いて岐路へ。今回登場の、後藤氏、大橋氏、トガっちさんとも久しぶりにリアルにお会いでき、じわじわとコロナ収束の喜びを感じています。
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ショーならでは、の大人の遊び時間。
一流は逆境こそをヒントに躍進する。
考えてみたら、ファッションショー自体が世界中で中止となった2021年。リアルで発表することがかなわなくなったことで、多恵さんは新しいテクノロジーの開発に励まれたわけですから、一流というのは、どんなことにもヘコタレナイどころか
更に進化を遂げるのだと身をもって教えて貰っている気がします。
そして根性論ではなく、どれだけ大変でも風をふかし、常にさわやかだ。過去がよかった、元に戻そうというオーラではなく
良い意味で、今をあっさり過去にもしていく強さとしなやかさがある。
伝統を引き継げるのは、未来を見据える強かさと、軽やかな行動力がある人だけが担えること。
それは、ファッションとは、いつか必ず時代遅れになるものだから。
そして、その時代遅れに見える服を
「新しい」センスで着こなす流れが 若い世代に流行している。
若さは、古いものを新しく魅せる力があるね。
それはまた、別の話。
そんなことをまた 書き綴ってみようと思う。