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カテゴリーに囚われない生き方

なにかと人をカテゴライズしようとする現代。
SNS社会が拡大するにつれて、人間をカテゴライズしようとする動きが顕著になってきたように思います。

⚫︎「ASD」「ADHD」「BPD」などの障害による分類
⚫︎「16パーソナリティ」などの性格診断による分類
⚫︎「モラ夫」「カサンドラ」「HSP」などの個人の器質による分類
⚫︎「LGBT」などの性自認による分類

「カテゴライズしたがる現代人」イルハンさんのnoteより

私が子供の頃にはなかった様々な人間のカテゴリー。
それだけでなく、趣味や家族構成、仕事、性格、年収などなど・・・
SNSのプロフィールには「自分は何者か」が分かる自己紹介的なカテゴリーが並んでいます。


カテゴリー化で生まれるメリット

こんなにも人間のカテゴリー化が進んだ背景には
カテゴライズすると恩恵を受けるしくみ」にあると思っています。

  • SNSから情報を受け取る側からすれば
    「共通点のある人と繋がれる」
    「自分に必要な情報が早く届く」

  • SNSで情報を発信する側からすれば
    「AIにジャンル認知され拡散されやすくなる」
    「フォロワーがつきやすくなる」

上記は一例ですが、「カテゴライズすれば恩恵を受けるしくみ」が巨大ビジネスを生み出しているのは事実で、このような背景がさらに人間のカテゴリー化を加速させていると感じます。

カテゴリー化によって失うもの

人間社会のカテゴリー化が進んだことで、人は皆何らかのグループに属している状態といえます。
それは社会が決めた「枠」に強制的にはめられているのと同じです。
自分自身の判断で「この枠だ」とカテゴライズしていたとしても、枠を用意しているのは社会なので「100%自分の意思」とは違います。

カテゴリー化は人々に利益を与えつつも、その裏で多くのものを奪い、人間社会に悪影響を与えているのではないかと感じています。

(1)柔軟な思考力の低下

カテゴリーとは、言わば「社会共通の判断軸(=ものさし)」です。
人はカテゴライズされると「あの人は〇〇なんだ」「自分は〇〇なんだ」と表面上で判断してしまいやすくなります。
でも本来人間は非常に複雑な生き物で、簡単に判断できるものではありません。「Aという枠にいながらBという側面を持つ」というようなことが往々にしてあるのです。
カテゴリーが増えれば増えるほど、柔軟な思考力が低下し、決めつけが横行する生きづらい世の中になってしまうのではないでしょうか。

(2)多様性から生まれる差別意識

「多様性を受け入れよう」という言葉がよく聞かれるようになった昨今。

多様性を受け入れるとは
「マジョリティ(多数派)がマイノリティ(少数派)を受け入れる、ということではなく、誰もが他者から受け入れられる側でもあるわけです。そしてそういった状態が成立するのが共生社会であって、多様性を受け入れるということだと考えています」

東洋大学 ライフデザイン学部 生活支援学科 教授 南野奈津子氏

でも実際、カテゴリー化が進む社会で多様性を受け入れることは綺麗事のように感じてしまいます。
なぜなら、多様性を受け入れられるかどうかは人の価値観や考え方によって違うからです。
例えば、関係が深まる前に「あの人は〇〇だ」と分かると、それ以上踏み込めなくなってしまうことってありますよね。
それがいけないことだとは全く思いません。
人は誰しも「共感できる相手と一緒にいて安心したい」と思うからです。

問題は、カテゴライズしてしまうことで「あの人は〇〇なんだ」という先入観が生まれてしまうこと。
人をカテゴライズすることが、人と人の間に線を引き、差別意識を生み出す原因になっていると思いませんか?
私は多様性を受け入れるためにカテゴライズは必要ないと思っています。

(3)自由主義から全体主義へ

もう一度言いますが、カテゴリーとは社会共通の判断軸(=ものさし)です。
SNSを使う私たちはカテゴライズされた社会の中で生きていると言っても過言ではありません。
広い視野で見ると、まるで様々な選択肢があるかのように見せかけて、実際は用意された枠の中で生きているのです。
それは自由と見せかけた束縛とも言えます。
人間社会のカテゴリー化が進んでいるということは、自由主義から全体主義へと進んでいると捉えざるを得ません。

カテゴリーに囚われない生き方

「脱カテゴリー」が理想だと思いつつも、現代を生き抜くためには結局のところ自分をカテゴライズしなければいけません。そうしないと、この競争社会で食べていくことは難しいからです。

だからこそ、心の中ではカテゴリーに囚われずに生きることが大事です。

社会のものさしで自分を判断しないこと。
あくまでも、自分を決めるのは自分。
もし、自分でも自分のことが分からなくなったら
一度自分がはめた枠を全て外して、何もない「ただの自分」に立ち戻ってみてください。

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junko|整う暮らし
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