家出少年と間違われた!?小学生のオルタナスクール電車通学の実際/⑯不登校から別居・離婚そして教育移住までの記録
突然の不登校、突然の別居でシングルマザーになった親子が辿り着いた「市民立小中一貫校」への教育移住。その4年間の記録をマガジンにまとめています。
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ツクルスクールを見学したことで、市民立小中一貫校への電車通学を決めた我が家。長男小3、次男は年長の2月。
次男は小学1年の入学に向けて、長男と一緒に電車通学を開始することにしました。
小学生の電車通学、しかも私立などで電車通学の児童がたくさんいるわけではない、オルタナティブスクールへ。その実際についてです。
電車通学の練習
ツクルスクールへの見学時、電車通学の子どもたちの様子を目の当たりにしました。
我が子たちもこんなたくましく生き生きと育っていくといいなと思ったし、息子たちも電車通学をしたいと望んでいる。
であれば私は送り出すのみ。・・・なんですが、まだまだ小さな子どもたち。「送り出す覚悟」はなかなかのハードルでした。
もともと電車が好きな長男は、1回一緒に往復してみて、自信満々で「もういける!」と、あっという間に乗り換えなどを覚えました。
「もう次は自分たちだけで行くよ」というので、私は後ろから見守りスタイルでこっそりついていきました。
珍道中を見守りながら送り出す覚悟をする私
こっそり見守り中、案の定ハラハラがたくさん。
もうすぐ下車駅につく直前にトイレに入っていった息子たち。そろそろ着く頃になってもトイレからでてこない!
→ギリギリで出てきた降りた!
改札付近で切符を取り出す時、もう一枚の切符がヒラリと落ちる
→歩き出す直前で気づいて拾った!
乗り換えたら反対方向!
→私も気づかずに一緒に間違う。笑 次の駅で降りて反対方向に乗り換える。
ヒヤヒヤハラハラしながらも、スクールの最寄駅につきました。
駅からスクール会場まではバス。私の見守りはここまで。本当に息子たちだけでスクールへのバスに乗っていったのでした。
生きる力を信じること
息子たちをこっそり見守ってみて思ったことは、子どもたちは想像以上にひょうひょうとしていて、あわあわしているのは私だということ。
社会という大きな波に、飲み込まれてしまわないか、心配で心配で、もしひょいっと誘拐されても誰も気づかないんじゃないか、寝過ごしてどっかまでいってしまったら大丈夫だろうかとか心配の種を見つけては手放せないのは親の方なのです。
子どもたちの生きる力を育みたいなら、子どもたちが生きる力をまず信じることから。その覚悟をまずは親が持つことが必要なのだと、いたいほど感じました。
親から離れるからこその経験
実際に電車通学をはじめた2人。最寄り駅まで送るたびに、今日も無事で帰ってきてねと背中に願う私。
電車通学は良くも悪くも経験の宝庫です。
混雑する駅で、先頭に並んでも大人の波に身動きが取れず、何本も電車を見送って、電車に乗れない!と電話がかかってきたことがありました。
私は話を聞くことしかできません。もどかしい。近くの駅員さんに相談してみたら?アドバイス。すると、駅員さんが先導してくれてなんとか電車に乗れたとあとから連絡がきました。
コロナ禍でマスクを忘れてしまった長男に、1枚あげるよと、声をかけてくれた優しいおばあちゃん。
寝過ごしてしまった息子を見守って声をかけてくれた駅員さん。
親が隣にいたら経験しないだろうことを日々経験してきます。
自分たちで助けを求める、そして助けてくれる人がいる。社会を信頼して生きていくことを体感して帰ってくる息子たちは、あっという間に想像以上に、たくましくなっていきました。
切符をなくす、落とすは基本
地域の学校に通っていた頃。「落とし物が多い、物の管理ができない、〇〇君の机の周りはいつも何か散らばっている」と言われていた長男。
切符の管理とかできるんかな、、、と思っていた私でしたが、案の定です。
「切符がない」と連絡が来ることは想定内でしたが、少し慣れてきて購入した半年分の定期券をなくしたことも何度も。「無くすもんだ」という心づもりのもとで買ったものの、連絡が来るたびに「おい〜〜〜〜〜〜〜」と言いたい気持ちを私はグッと堪えました。笑
何度も何度も、なくして、失敗して、その度に、毎回定期券が見つかって。
駅員さんが協力してくれて最寄り駅まで運んでくれたこともあれば、忘れ物受け取りのちょっと遠い場所まで行かなきゃいけないことも。
受け取る時に住所を書いて、電話番号を書いて、身分証を見せて受け取る、なんてことも、私が一緒にいたら私がやって終わるだろうことを自分でやってくるしかない。
なくした時、定期があったら乗れた電車に乗り遅れて困った、帰宅してから友達と遊ぶ予定ができなくなってすごく嫌だった、という経験を何度も繰り返した結果、
長男は、どうすれば自分は無くさないのかという対策を見つけることができたようで、ある時から無くさなくなりました。
親から、無くさないようにね、とか、ここに入れておくんだよ、とどれだけ伝えても、そう行動するかどうかは本人次第だし、その提案が本人にとってやりやすいものとも限らない。
時間はかかったけど、長男にとっては本当に、生きた実体験の中で成長することだらけでした。
家出と間違われながらも社会が見守ってくれる
「駅員さんかおまわりさんか、わかんないんだけど心配していて、かっかと話したいって言ってる」
長男がひとりで通学した日、ホームから電話がかかってきた日がありました。
電車通学をしていると「どこにいくの?」と声をかけられることは多いようで、市民立小中一貫校と言っても伝わらないので、「オルタナティブスクールという学校に通っているんです」と自分で説明できるようになっていたものの、それでも心配したおまわりさんが直接大人と話したいといって電話してきたのでした。
「小さな子がひとりで、しかも草履でいるもんで心配になって。」と電話の向こうのおまわりさん。確かに息子、冬なのに裸足に草履(それがお気に入りスタイル。笑 小6の時にやっと、冬は寒い!と言い出しスニーカースタイルになりました)。しかも草履はボロボロで買い替え時だった頃。^^;
私からも事情を話し、スクールの名前や代表者の方の名前も伝え理解してもらえました。
そんなことを重ねていると、使用駅でもなんとなく「電車通学してるあの子」ということを認識してもらえるようになり、窓口で「今日も気をつけてね!」と声をかけてもらえたりするようになっていきました。
怖い経験もあります
突然、知らないおじさんに頭を叩かれるという被害にあったこともある長男。怪我などはなく無事だったのですが、怖い思いも経験しました。
その時は、近くにいたお兄さんに助けを求めたそうで「降りる駅で一緒に駅員さんのところに行こう」と寄り添ってくれたそう。
私からもすぐに警察に相談し、被害届を出すかどうかなど長男と話し合いました。
それ以降長男は、できるだけこわい思いをしないように、ホームで待っている時は駅員さんの近くにいたり、車掌さんが乗っている車両に乗るようにしたそう。
そんなことがあっても、電車通学をやめたいということはなかった長男。好きってすごいなと感心します。
社会ではいろんなことがある。でも助けてくれる人もいる。そんな経験の中で生きる力を育んでいる。不登校問題が始まった頃のしおれた長男がイキイキできる道と環境を見つけられて本当によかったと感じました。
一方次男は・・・
電車通学をはじめて、みるみるうちにたくましく成長しはじめた子どもたち。
次男も最初は楽しく通った1学期でしたが、夏休みが終わる頃、「ちょっといきたくないかも」と言い出しました。
⑰に続く。
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