【写真展リンク企画】北京の胡同 Design Week(大柵欄)
BEIJING DESIGN WEEKというプロジェクトは、北京の建築家が始めた地域再生プロジェクト。現在は建築家の直接の手を離れ、運営組織が出来、毎年開催されています。主に北京内城の衰退市街地が対象地。
主人の所属していた建築設計事務所・標準営造(ZAO)が参加をしていたので、毎年10月の国慶節を含んで開催される北京設計周(BEIJING DESIGN WEEK)にはコロナ前まで足を運んでいました。住商混在する複数の胡同地区で開催されています。そのエリアに拠点を構える建築設計事務所がオープンアトリエを行ったり、通りや建物の壁などにアートやストリートファニチャーが設置され出店もあったり、空き物件でインスタレーションや都市リサーチの展示が行われる催しとして長く続いています。最初の仕掛け人だった建築家の梁井寧さんにお会いしたことがありますが、インタビューによると元々空き物件が増えて衰退した地区の再生を目論んでスタートさせたとのことでした。
私が北京で働いていた頃の中国人の建築設計スタッフである同僚たちからは「衰退した地区でアートやイベントを仕掛けるだけで、根本的解決になっておらず、意味がない」との声が聞かれましたが、開催の年を重ねるとそうしたエリアに新しい飲食店や物販店ができたり、アトリエを開業するアーティストが確実に増えていくので、今で言う日本のリノベーションまちづくりのようなものとして、コロナ前でも効果は実証されつつありました。ものごとの起きるスピードの速さは、開発が進むエリアよりは遅いので、色々批判が起こったのではないかと推察します。年々、参加エリアが増えています。
大柵欄地区は、最初にデザインウィークが仕掛けられた場所で、天安門広場の南、前門地区の南西あたりの古い住商混在地区です。前門の真南から東側のエリアは商業的に開発されて昔の街並みは全く残っていませんが、"古めかしい中国らしさ"の新解釈で新築されたグレーの建物群の中でスタバでお茶できたり、また無印良品のホテルもあるので有名です。
大柵欄は現在、と言ってもコロナ前の状況しか知らないのですが、デザインウィークの認知度の向上につれて、年々古い空き家空き店舗物件に出資をする会社や個人が増え、新しい飲食店なども増えていきました。