医療的ケア児さん、ご家族と佐賀バルーナーズの試合観戦に行ってきた!(vs信州戦)
しかも、昨日は佐賀バルーナーズ勝利!!
とっても素敵な1日になりました。
佐賀バルーナーズさんと弊社の始まりは、こちらの記事から↓
その後、10月5日にスタッフで開幕戦に行った時の様子は↓
◾️医療的ケアが必要なお子さんや、重度の障がいを持つお子さんについて
みなさんは、『医療的ケア児』とか、『重症心身障がい児』という言葉を聞いたことがありますか?そして、そう呼ばれるお子さんやそのご家族に出会ったことはありますか?
『医療的ケア児』は、たとえば人工呼吸器を付けて暮らしているお子さんもですが、さまざまな理由でお口から食事が取れなくて、お鼻やお腹についたチューブから食事を取ったりする必要のあるお子さん、インスリンを定期的に投与する必要なお子さんなど、“日常的に医療的なケアが必要なお子さん”を『医療的ケア児』と呼んでいます。
また病気などによって身体機能などに障がいがあり、療育が必要なお子さんに『重症心身障がい児(以下、重心児と略す)』さんがいらっしゃいます。
日本では少子化が進む一方で、産科医療や新生児医療の進歩により、医療的ケアや重い障がいや病気を持ってお家で暮らすお子さんたちが増加傾向にあります。
医療的ケア児さんや重心児さんは、昼夜問わず医療的ケアを行なったり、常に体調の変化を見守るなど、一緒に暮らすご家族はなかなかゆっくり休む時間が取れなかったり、家族一緒にお出かけしたり、と言う私たちが何気なく生活していることがなかなかできないことが多いのです。
私自身は、佐賀大学附属病院のNICU(新生児集中治療室)と小児科病棟で看護師として勤務していました。
注入や気管切開で吸引が必要など医療的ケアを持って帰るお子さん、生まれつき心臓の病気で酸素が常に必要なお子さん、そういったお子さんとそのご家族の日々の頑張りにいつも私自身が励まされていました。
そんなお子さんたちとご家族がもっともっと自分達らしい暮らしが送れるように!と、大学病院の看護師を退職後に、会社を立ち上げてお子さんたちが過ごせる場所を作ったり、佐賀県の事業として「佐賀県医療的ケア児支援センター」として、ご家族や支援者のご相談に対応できる場所を運営するなどしています。
そんな、病気や障がいのあるお子さんとそのご家族とバスケット観戦に行きたい!
その想いが、今回初めてようやく叶いました。
◾️どうやって行く?どこで観戦できる?問題
先ほども触れたように、病気や障がいのあるお子さんの移動は大変です。
安心してバスケット観戦ができるように、事前に佐賀バルーナーズのフロント(運営)の方々に協力をいただきながら、準備を進めました。
10月25日の観戦のために、10月14日・15日に行われる試合の準備が整った前日13日に特別にバギーを持参して事前視察をさせていただきました。
実際SAGAアリーナには、車椅子の観客用の席が2階に設けられてはいます。
しかしながら、リクライニングのあるお子さんたちがその席から階下のゲームをみることは・・・できません。天井を見つめるだけになってしまいます。
そんな事情を説明させていただきながら、フロントの方と一緒に、観戦できそうな場所を相談して行きました。
運営の皆様、試合前日で大変忙しい中にも関わらず、とても丁寧に対応いただきありがとうございます。
体調が悪くなった時はどうする?など、不測の事態にも備えつつ会場の下見を終えました。
試合前には、お子さんとご家族が安全に移動できるよう車から乗り降りする場所の手配や、移動方法など丁寧に地図等用意していただき、メールや電話でやり取りをさせていただきました。
◾️そして初観戦!しかも勝利!!
10月25日、その日はやってきました!
佐賀バルーナーズvs信州ブレイブウォリアーズ戦を観戦しました。
途中、お子さんとご家族でグッズを購入しに行く時、やはりエレベーター問題は今後を考えると少し考えさせられました。
と言うのも、今回のお子さんのバギーのサイズでギリギリ乗れましたが、これ以上大きいバギーのお子さんの乗れるエレベーターの場所は1箇所と限られているので、グッズを買いに行くことも想定すると時間にゆとりを持って会場入りするなど今後の課題も見えました。
また、バスケットの試合の醍醐味とも言える音と光の演出。
これもこのような雰囲気を感じる機会の少ない、お子さんたちにとってはとっても刺激的なため、最初は緊張が入って、しばらく抱っこが必要だったりしました。
ご家族だけの観戦ではなく、スタッフが抱っこをいつでも代われるようにしておくことや、お子さんがきつくなった時にクールダウンして休める場所の確保(今回は医務室も利用させていただきました)も大事だな、と思いました。
バルたんがすぐそばを通って、踊って楽しませてくれたり、勝利が決まった後すぐに井上諒太選手がお子さんのところにグータッチに来てくださったり!と、ご家族もお子さんも楽しく観戦できました。
◾️おわりに
今回、初めて病気や障がいのあるお子さんとそのご家族がバスケットの試合を生で観戦する、と言う貴重な機会を実現することができました。
しかし、私はこの体験が『貴重』であってはいけないと思います。
いつでも、誰でも行きたいときに試合に、きょうだいもパパとママも一緒に行けるようになりたい。そう思っています。
今回は佐賀バルーナーズの田畠社長はじめ、たくさんのフロント(運営)の皆さんのご協力で実現できました。本当に感謝しかありません!
そして、“これから”なのです。
今後、ご希望の毎ホーム試合にお子さんとご家族を看護師スタッフつきで佐賀バルーナーズのホーム試合に行かせていただく予定にしています。
これから病気や障がいを持つお子さんも、佐賀バルーナーズのブースターの仲間入りをどんどん、させていただきたいと思います!
今後も佐賀バルーナーズさんにはご協力いただくこともあると思いますが、
「日本一若者がバスケットに触れられる街にする!」
と言う、佐賀バルーナーズさんの想いに私たちも共にできることを創っていけたらと思います。