人生での低空飛行は学びのとき
「純子、つばめが低いところを飛んでいるときは、明日は雨だからね。傘を持って出かけなさい」
「お父ちゃん、どうして?」
「湿気が多いと、羽が重くなって虫が低いところを飛ぶ。虫をエサにしている鳥は、それを狙って低く飛ぶんだよ」
私が子どものころ、父がこんなことを教えてくれました。いろんなことを教えてくれた父が大好きでした。あらゆるものを見ると関連付けられるように生前の父の言葉が心に浮かびます。
つばめのように、人間も低いところをひたすらに横ばい状態で頑張っているときは、エサというか、学んでいるときなんだろうなと、ふとそんなことを思い。
横ばいでもひたすらにじっと我慢しながら頑張って続けることができる人は、ある日、天にのぼる龍の如くに急上昇します。私はそういう人をたくさん見てきました。のぼって、何かの大きな成果を出すと、そこのエリアでまた横ばいが延々と続いて、ある日急上昇する。
その道で本当に生きたいのならば、歯を食いしばってでもひたすらに耐えて続けること。旅のつばくろの中の一節に、「どんな者にでもなることはできる。肩書をつけた名刺を一枚持てばいいんだから。しかし、難しいのはなりつづけることだよ」と、ありました。
なるためにも、なった後になりつづけているためにも、横ばいでもできうる努力を続けることが本当に大事だと思った次第です。
「旅のつばくろ」おすすめの一冊です。若かりし頃、沢木さんを読んだときには文章がさらりとし過ぎている感じをうけ、通り過ぎていく風のような感覚で読んでいました。今読むと、徹底して削ぎ落された文章でありながら心を打つ文脈に感動します。あなたも旅エッセイを読んで心の中であちこちと行ってみませんか。楽しいですよ。
お詫びです。「バグる潜在意識」の161ページ。今日やってみよう、のところの後ろから4行目の「内容も不備があればその報告書を突き返されますよね」の箇所で、「不備があれば < その報告書を・・・」のところでヤマカッコの「<」が校正ミスで入ってしまっています。正しくは「、」が入る箇所でした。誠に申し訳ございません。できましたら、修正テープや修正液などで消していただけますと嬉しく思います。
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山下純子
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