こどもが夜中に眠れない(2)体がこどもを夜中に起こす理由
ではなぜ家族が5時間以上起きた状態で一緒に居るとまずいのでしょうか。
それは、家族同士で察し合ってしまうからです。
体は、6歳以上の家族や仲間同士で、察し合うことをとても警戒しています。
なぜなら、察するという行為は、本来獲物に対して行うものだからです。
例えば釣りをするとき。
釣り人は、魚の感情を察して作戦を練ります。
「この魚はきっとこういう餌が好きだろうな」と察して餌を選びます。
「そろそろこの魚がお腹を空かせる時間だ。きょうは暖かくて晴れているから、このあたりに集まるはずだ」と察して、そのポイントに餌を投げ入れます。
魚が餌を警戒してツンツン突っついている時は、それを察してじっと待ちます。
魚が油断して餌を口に入れたら、それを察して釣りあげます。
狩りとは、獲物との察し合いの勝負なのです。
生き物たちは、それを大昔から繰り返してきました。
そのため体は、相手のことを察すると、「あ、狩りが始まった」と判断し、ホルモンバランスを変化させ、戦闘モードに入るのです。
戦闘モードに入ると、すべての基準が、勝つか負けるかになります。
そして勝者は、敗者を100%支配したい感情が発生します。
釣り人は、察し合いの勝負に勝ち、魚を釣り上げました。
今、その魚は、釣り人の手の中で、ピチピチと暴れています。
釣り人は、その魚をキャッチ&リリースで海や川に戻すか、殺して食べるのかをその場で決めます。
狩りの勝者は、相手を生かすか殺すかを100%決める権限を持ちます。
これは、完全なる支配です。
この感情は、獲物を殺生するという行為をさせるために必要な感情です。
ただし、その相手は獲物です。
それを仲間に向けるということは、共喰いです。
共喰いにエネルギーを注いでいては、外でまともな狩りができません。
そのため体は、家族や仲間同士で察し合わせないように、いろいろなサインを出します。
その中で一番多いのが、
相手が察する前に、自分の感情を言葉にして伝えてしまうというもの。
感情を聞いてしまえば、察しようがありません。
ところが今回のコロナ自粛がはじまると、このテクニックだけでは補えない事例が出始めました。
それがこの5時間リミットなのです。
仲間同士のコミュニケーションが連続で5時間続いたら、自動的に体が狩りモードに入るのです。
このモードに入ると、感情を伝えあっても、その裏の感情を探り合いはじめてしまうのです。
なぜなら、狩りは騙し合いが基本だからです。
虫が枝に擬態するのは、「わたし虫ではありません。枝です」と相手を騙すためです。
ルアーフィッシングでは、模型の魚を本物のように動かして、魚を騙しています。
そのためこの狩りモードに入ると、相手が本当のことを言っても、疑う感情が湧き、その裏の感情を察しようとしてしまうのです。
そういう時に体がよく出すヒントは、外に出ちゃいましょう作戦です。
片方が家を出て、喫茶店や習い事に行くことで、一緒に居る時間を5時間以内に抑えられます。
ところが今はその作戦が使えません。
そこで登場したのが、眠る時間をずらす作戦です。
昼寝や、夜眠らせないことで、連続5時間を超えないように体が調整してくれるのです。
赤ちゃんの夜泣きも、その調節のひとつと考えられます。
ということで、何でそうなるのかが分かってしまえば、いくらでも作戦が立てられます。
5時間タイムリミット対策の名案を思いついた方は、ぜひコメント欄で教えてください。
次回は、こどもの夜中の不眠の理由が、家庭内の5時間リミットかどうかを見極める反射点を、公開します。
つづく
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