コーヒーと、数学と、私(と母)。
コーヒーの香りが好きだ。
おしゃれで、美味しそうで、大人で、香ばしい、スッキリしたあの香り。
あの香りをかぐと、心が透き通り、今まで手につかなかったことまで爆速でできてしまいそうなエネルギーがもらえる。
そうだ。
母がコーヒーが大好きだった。
母は、私が小学校の頃まで小学校の先生をしていた。3人の子育てに追われ、当時の小学校の先生と言えば何から何まで自分でしないといけない。仕事も忙しく、家事や子育てに関してはのんびりした父だったので、それはそれは大変だった。母はいつも怒っていた。コーヒーを、1日に何杯も飲んでいたという。
ひるがえって私は子供の頃、コーヒーといえば、苦い。とりあえず、苦い。それが私のコーヒーのイメージだった。
それが変わったのは、やっぱり、あれだ。スターバックス。
中学か高校の時、初めてスターバックスコーヒーと出会った。衝撃だった。フラペチーノの存在。店の名前に「コーヒー」とつけながら、甘くてスイーツのように昇華されたコーヒー、みたいなもの。中でもキャラメルフラペチーノが好きだった。おそらく、キャラメルフラペチーノには、コーヒーは入っていない。
数学が苦手だった。
高校三年生当時。地元の医学科合格を目指していた。「医者=理系=数学が得意」の方程式が存在していると世の中ではまことしやかな噂が広がっている。が、私のことでいえば数学が苦手だ。なので、こと医学部合格に関しては、先生からはそう期待はされていなかったと思う。
実際に、化学の先生からは最後卒業の時にアルバムに書いてもらったメッセージにはこう書かれている。
「高一から高二になる時、進路決定の大きな分岐点だったと思うけど、私の期待を見事に裏切った頑張りには驚嘆の一言!」
今になって見返しても、「私の期待」は何だったのかははっきりしない。「予想外によくやったじゃん!おめでとう!」という意味だったんだろうな、と思っている。
「順子の頑張り屋さんなところが大好きだよぉぉ~(笑)」
「順子の負けず嫌いな所、尊敬しとるよ!!」
「…負けず嫌いなこととか、…、大好き♡」
卒業アルバムに書いてくれている、今でも大好きな親友たちのコメントの一部である。私は間違いなく、負けず嫌いなのだろうと思わずにはいられないページなのである。
もとい。
電車通いをしていた私は、友達の駅のスタバで勉強するのがたまの楽しみだった。お店に入るといい香り。だけどコーヒーは飲めなくて、甘くて美味しいフラペチーノを頼む。
勉強も捗り、友達との話も捗った、気がする。
勉強は、好きかと聞かれるとなんとも言いにくいが、やればやるほど結果が出るところは好きだった。数学というか数字は苦手だった。人と仲良くなるのも時間がある程度は必要なように、数字とも時間をかければまぁまぁ仲良くなることもできた。
当時、数学はチャート式を繰り返し解いた気がする。
わ、【信頼の黄チャート】(笑)懐かしすぎる。
正確に言うと、解いた、というよりは、一問一答とい感じで答えを覚えた、が近い。受験勉強でいうなら、私にとって、信頼した問題集や参考書を繰り返しすることが合格の鍵だった。
おっと話が逸れた。そう、私にとって数学は暗記科目となった。
もとい。
コーヒー。
今、私は、娘の寝ている間に、ミルクたっぷりのコーヒーを片手に、noteを更新している。いつの間にか、私の想像や創造にはコーヒーがおともになった。
母の影響かは分からない。分かることは、私はミルクたくさんのコーヒーを飲むと、すっきりする。これは、カフェインのせいなのか、思い出のせいなのか、また香りや味がそうさせるのかは分からない。
コーヒーが好き。
人生で言ってみたい言葉のひとつ。
コーヒーが好き。
これからは、大手をふるって言おうと思う。
「コーヒーが好き」
(ただし、ミルク入りに限る)
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