クォン・サンウ主演『ハンガン警察』のどういうわけか昭和感
10年ほど前、スーパー銭湯でよもぎ蒸し中に渡されたよもぎ茶がクォン・サンウのマグカップに入っていたことが忘れられないじゅんぷうです、こんにちは。
Disney+で配信中の韓国ドラマ『ハンガン警察』を見ました。ハンガン=もちろんソウルを流れる漢江のこと。ハンガンの安全を守る水上警察の部署が舞台で、いつでも出動!いつでも潜水!河川の海猿的な男たちの物語です。
ネタバレあり感想
クォン・サンウとキム・ヒウォンのおじさんバディ、署長はみんなのアッパ!ソン・ドンイル、ハンガン開発の裏で暗躍するチェ・ムソン…タイトルはアレだけどキャスティング的には期待値爆上がり。あと船好きというのもあって、ハンガン警察のパトロール船の活躍も楽しみでした。
視聴を始めてまもなく、期待していたものと何か違うと思いましたが、その期待はずれ感が逆に面白くなってきたのと、全6話というコンパクトサイズだったので1日で完走しました。
何か違う、というのも…
何ていうか最近なかなか見ない、
コテコテ
なんです。
この人が悪い人で、この人とこの人は過去に因縁ありで、この人はこの人を好きで、という人物設定や関係性、展開に何の意外性もなく、安心して見られます笑
署内の人間関係もここがじつは…みたいな設定と見せ方が、あーなんかそれ知ってるー!笑
たとえるなら昭和の2時間サスペンスドラマ。十津川警部や捜査一課長(昭和じゃないけど)の世界線。事件は起きているような、いないような。いや起きてるんですけどハンガンチームが追うにはスケールでかすぎ。
チェ・ムソン演じるクルーズ会社の会長と、イ・サンイ演じるその甥っ子が悪役2トップで、イ・サンイのスレギ(ゴミ)っぷりは強烈。イ・サンイのベッドシーン、笑えるぐらい全力。あの全力が彼の異常さや危うさの演出ともいえるけれども、ふつうにちょっと引く。
『天国の階段』のトゥルンっとした御曹司だったクォン・サンウ、いいおじさんになりました。2006年にユ・ジテと主演した『美しき野獣』で途中経過を確認したときは、うすらヒゲでダーティーなクォン・サンウも悪くないと思ったものですがそれからさらに時は経ち。
『ハンガン警察』での役どころはバカ正義というか正義バカというか、腕っぷしは強いけど暴走しちゃう脳筋おじさん。最近の刑事ドラマであまり見かけなくなってきたタイプ(『椿の花咲く頃』のカン・ハヌルがもっと筋肉増量した感じ)も、水上警察という特殊設定では生きられます。
上の昭和なポスターで巨大クォン・サンウの左の子(新人警官ジス役のシン・ヒョンスン)が敬礼しています。警察ものや軍隊ものの韓国ドラマで敬礼シーンを見たことがある人はご存じと思いますが、敬礼のとき「チュン!ソン!!(忠誠)」と発声するのが韓国式。で・す・が、ハンガンスタイルは「チュン!ソン!!」と同じクオリティで「ハン!ガン!!」とやっているのです。
ここまでくると…
ダサくて愛おしい。
巨大といえば、オープニングのアニメでもだいだらぼっちみたいな巨人のクォン・サンウとキム・ヒウォンがハンガンを守っているというダサかわ具合。
あとクルーズ船の船長がホン・ウジンだったのはツボ。『愛の不時着』でク・スンジュンとナイスコンビだった北朝鮮のブローカー、チョン社長だった方です。このクルーズ船のくだりまでは水上警察っぽい見せ場でしたが、中盤はハンガンと言いつつ陸ばっかだな…という展開。船好き視聴者代表の欲求不満がたまっていたところ、ラストは待ってましたのハンガン水上チェイス。よかったよかった。
思っていたのとは違ったけど、いつか渡韓してハンガンクルーズにでも参加したらこのドラマを思い出して「ハン!ガン!」してしまいそうです。見えない巨人に向かって。