悪霊つよすぎ『悪霊狩猟団:カウンターズ シーズン2』ドラマ感想
人生は長編ドラマ。こんにちは、じゅんぷうです。
シーズン2やパート2というものは前作の人気を受けて制作されるケースと、最初からシーズン制や続編ありきのケースがありますよね。今年、いくつかの韓国ドラマのシーズン2と出会いました。
『ザ・グローリー』は分けて配信されたというだけなので制作期間にブランクもなく問題なかったですが、『還魂』のメインキャスト交代というのは受け入れがたく、視聴が進まずフェイドアウト。『D.P.』は兵役の2年という月日を連続体験させてくれるような構造が刺さりました。
そして『悪霊狩猟団:カウンターズ』のシーズン2です。盛大なネタバレ祭りとなります。
前作から3年近く。主演のチョ・ビョンギュの過去のいじめ疑惑はまだ解決していないようですが、どうにか放送されました。
こうしたヒーローもの、アクションものの続編はとくに、役者さんの体力を考えるとスケジュールの問題は深刻だと思います。このカウンターズもシニア組のみなさん…ブラボーです!
設定としては生身で戦うゴーストバスターズ。人間界と天界の間に存在する窿(ユン)と契約し、特殊能力を得て悪霊狩りをする選ばれし「カウンター」たちの活躍を描くお話。
1作目は主人公ソ・ムン(チョ・ビョンギュ)の成長物語であり、わたしの大好きな"ちょっとダサい"チームもので展開もよくて面白かったのです。これまた大好きヨム・ヘランのククス屋「姉貴麵屋」がじつは悪霊狩りのアジトで、という設定もよい。目に見えない存在やパワーを描くのでご都合な部分もありますが、ストーリーとキャラクター、俳優陣の説得力ある演技がすばらしかった。邦題で損をしている作品だと思います。
シーズン2でキャストの変更もないし、安心して見始めました。が…。カウンターズの安定の強さと絆でつかみはOK、ムンは垢抜けてイケメンだし中国から最強の悪霊たちがやってくるというスタートはよかったのですが、そこからが正直、なかなかのダルさでした。
ムンのおばあちゃんの命の恩人で家族同然のマ・ジュソク夫婦に赤ちゃんができた…これもう悲劇のフラグ確定ですよね。さらにカウンターズのメンバー、ハナが初恋の彼と再会するのももうやめてってぐらいフラグだし、同じくメンバーのモタクの後輩刑事が結婚式の招待状チラ見せしてきたところも頭抱えるぐらいのフラグだし、ハナのエピソードは泣いたけど、ドッキリグランプリかなってぐらいのベタフラグが物語の道筋を作っておりました。
悪霊たちによる打倒!カウンターズという図式になっていく中盤、ループしてんのかというくらい進まないストーリーに寝落ちすること数回。つらいんだろ?もうリタイアする?どうする?わたしの中のあいつが囁いてきたりもしました。
けど、信じたんです。今年『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME3』を劇場に8回観に行ったわたしがしみじみ思うのは、キャラクターが命!それが何よりも強いし尊い。
”I can do it,We can do it!!” カウンターズのキャラの力とチーム力を信じて、踏ん張りました。結果7、8話あたりからようやく気持ちが入り始め、ラストに向かって加速していきましたよ。
シーズン1からの変更点①新キャラ投入
『還魂』にも出演していたユ・インスが悪霊のニオイを感知できる能力者ジョクボンとして新加入し、チーム力アップ。田舎で牛舎を経営する父を心配させまいとカウンターズに「就職」。この申し分ないキャラ、全カウンターズファンが採用を認めました。ある意味即戦力。
②アジトがククス屋からハイスペ倉庫に
悪霊にアジト見っかっちゃったからという不可抗力で、カウンターズのスポンサーであるジャンムル流通の倉庫の中にご用意された新アジト。設備的には大変整った基地のような合宿所のようなin the soopのような、悪霊狩りさえなければわたしもここに住みたい。けれども、やはりわたしも『必殺!仕事人』や『影の軍団』で育っていますので、ククス屋から悪霊狩りに出動するのが好きなんですよねえ~。ククス屋だから面白かったんですよ。
③赤ジャージから黒ジャージへ
世界中にいるカウンターたち、赤ジャージはその共通ユニフォームだと思ったら黒ジャージにアップデート。黒はもちろんカッコいいし現実的に活動もしやすいだろうけど、赤ジャージのダサさが好きだった。シーズンごとに色変わるなら面白いけども。2で完結だって信じてる。
そして最大の見どころ。主役はムンではなく悪霊のラスボス、ファン・ピルグァンと誰よりも善良だったマ・ジュソクだった。
これ、公開が延びた原因のチョ・ビョンギュの炎上問題もあると思うんですけど、桁外れのムンのパワーを我がものにするために悪霊がどんどんレベルアップしていく話になっちゃってた。それで結果的に最強悪霊のピルグァンと、誰よりも善良だったのに強い怒りによって強い悪霊に魅入られてしまったジュソクのふたりのドラマみたいな印象になっちゃいました。
『恋するゴールドメダル』『キム秘書』『ウ・ヨンウ』とこれまでイイ人代表みたいな役が多かったカン・ギヨンのヴィランっぷりには初登場からノックアウトされたし、マ・ジュソクを演じたチン・ソンギュは逆にいっつもカウンターズのようなくせつよチーム側にいるくせつよキャラなのに、こんなただただ善良で苦しむ役だなんて。と思ってたらラスト近くではしっかりくせつよヴィランを見せてくれてサイコいや最高。なるほどー。「くせつよカン・ギヨンの演技をする」チン・ソンギュ、本領発揮。いいわあ。
悪霊のナンバー2、ゲーリーを演じたキム・ヒオラも『ザ・グローリー』を凌ぐイカレっぷりでした。
ラストまで完走すると、アクションは凄いし、ヨム・ヘランのダンスシーンのようなケレンもあり、何よりやはりキャラクターの勝利ということで落ち着きますが、モヤモヤも残るシーズン2でした。それでも愛すべきカウンターズなので、最後はこのOSTで気持ちよく締めたいと思います。