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アウグスブルク大学でのシンポジウム登壇-ロクラクⅡ最高裁判例を題材に-

今回、ミュンヘン地裁の判事から声を掛けて頂き、「Die Rolle der Sondervoten in Entscheidungen des Obersten Gerichtshofs Japans」というシンポジウムに登壇する機会を頂いた。

会場はアウグスブルク大学。

ミュンヘンから電車で1時間もしないで行ける距離にあり、大学の場所も宇佐美選手が所属するFCアウグスブルクのホーム「WWKアリーナ」にほど近い。

大学に入ると大きな池とその中に謎の赤い鳥居があるのがみえる。親日の大学なのだろうか、何か見覚えのあるようなないような感覚にとらわれていると、厳島神社をイメージしたものではないかと思い出す(ただ、池は凍っている)。

そして、会場となる建物はドイツには珍しく非常に新しい建物で、設備も充実していた。

今回のシンポジウムのテーマは、日本の最高裁の反対意見等の役割に着目するというものであり、日本で開催しても相当マニアックな内容である。

そのため、このテーマをドイツで取り上げたとて、どれほどのドイツ人の参加者がいるのか非常に不安ではあった。参加者が1人とか2人とかしかいなかったらどうしようと思っていたが、会場に少し遅れて到着してみると思ったよりも参加者がいることに驚かされた。

私は、知財分野からロクラクⅡ最高裁判決を題材に、金築判事の補足意見が果たした役割とEUにおける議論への若干の示唆を述べることにした。

幸いドイツ人にもテレビ放送を題材した本判例は馴染みやすかったようで興味をもって聞いて頂けたし、カラオケや日本のクラブ文化などの説明も交えて「カラオケ法理(Karaoke Doctrine)」についても理解していただけたのではないか、と思う。

そして、「カラオケ法理」のその後として、日本ではどのような議論がなされ、どのような到達点にあるのか、という点について紹介することは、現在、EUで激論されているユーザーの利便性を向上させるための環境を提供している仲介者の責任に関するトピックスに少しは役に立つのではないだろうか、と考えている。

欧州に来て、アジアといえば日本ではなく中国である、ということを日々、ドイツ人や欧州の人々から感じる毎日のなかで、日本の法制度、ビジネスに興味を持って聞いてくれるドイツ人は貴重であり、非常に有難い存在である。

今後もドイツは勿論のこと欧州の人々向けに、日本の法制度・ビジネスについて興味をもっていただけるような活動をしていきたいと思っている。





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