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ウェブ地図の著作権・利用規約との上手な付き合い方-自治体・企業がとるべき実務対策を考える
2016年11月、香川県が利用している「地図」について物言いがついたことを受け、香川県は自ら調査を行ったところ、香川県のウェブサイトから閲覧が可能な各種情報において、各地図情報提供業者の利用規約に違反して掲載しているものが 147件(地図1,562枚)あることが判明したと報じられた。
香川県は当該地図を全て削除し、各社に連絡して、著作権者としての権利を害したことをお詫びしたという。
こうした香川県の事例を受け、全国のいくつかの地方自治体において同様の調査が行われ、新たに宮城県で4,000枚、岩手県で2,000枚の地図が著作権侵害の恐れがあるとする報道がなされた。
ただ、報道の内容をよく読むと、著作権侵害というよりも利用規約に違反していたことが主たる問題であるかのように記載されている。
著作権侵害なのか利用規約違反なのか、釈然としない記事であるが、いずれにせよ、この問題は地方自治体の問題だけではなく、どこの企業にも起こり得る問題であり、早急に各社としてどのような対応を現場がすべきかのか、方針決定することが求められる問題であろう。
では、具体的にどういった体制を実務的には整えるべきなのだろうか。
地図を巡る著作権法の解釈、過去の判例、実際の利用規約に照らしながら、自治体、企業が取りうべき実務的対応方法を考えてみたい。
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