【ドイツ知財実務】違法ダウンロードを巡る裁判の法と実務①-裁判管轄をめぐる問題/ドイツの法廷
日本でも権利者の許諾なきコンテンツのダウンロードについては、民事・刑事ともに違法となる立法がなされて久しい。
しかしながら、日本では私の知る限り、違法ダウンロードで民事・刑事ともに裁判になった事例はないと思われる。
他方、日本よりもはるか前に違法ダウンロードに関する規定が著作権法で定められているドイツでは、多数の違法ダウンロード事件が存在する。
そして、その一因に弁護士の存在があるといっても過言ではないだろう。ドイツの法律事務所のなかには違法ダウンロード事件を専門に扱う事務所がある。
こうした弁護士事務所が日夜、ひな型の警告状(概ねA4で5枚程度)を送付し、数多くの違法ダウンロード・アップロード事件を担当しているのである。
実際にドイツで違法ダウンロード事件を多く担当する裁判官とディスカッションさせて頂く機会を得たので、ドイツの法廷の様子も含めドイツ著作権法の実務を整理しながらいくつかに分けて書いていく。
まず、今回の記事では問題の多かった違法ダウンロードをめぐる裁判管轄と実際の法廷の様子を書いてみたい。
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