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『四角いまま』武内健二郎

舌。体位。のっけから誘うような言葉に操られる。

遠い身体の記憶が/私の今を開く

帯の言葉に誘われ四角いはずの世界が小さな扉をきしませてまるく開くような。なんと傷つきやすい身体。声が届かないだけで傷つく身体。


金魚のような白い手。ミヒツノコイ。チンムク!イルカ!

空ハ、雲ハ、・・・・ポケットのなかのレゴ。

ああ、でも凹凸の背骨にいちばん親しみがあるのは、わたしのなかにおなじものがあるから?


大阪行き、裏を返すと長崎行き。鹿児島でも東京でもなく。ーー旅は遠くてちかいところがいい。

(『四角いまま』武内健二郎 2019 12.15 ミッドナイトプレス)


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