六分儀句会皐月の段

今回もまとめたん消えた!?とか寝てた!ごめん!!とかありつつ、無事終了です。3点までの高得点句です。ちなみに今回は一人で14点、全部開いた!という方もあってなかなか競ってる感じですね。季節が変わっていく中で言葉の風景も変わります。


14. 手のひらに頬骨かたき五月かな (青に桃々)5点
◎佐伯一馬 頬杖のイメージです。のんびりとした感じがしていいと思います。
○じゅんこ 頬杖の光景?かたいと感じるところに深刻さを感じてただの頬杖ではなさそう。ストレート?ど直球な印象で「五月」が効いている。五月病を想起したけど、ここでは無視したい。
○岡田朋之 "頬杖を付いてるところですかね(一瞬ビンタかもと思いましたが)5月の気怠げな感じには頬杖のほうが似合うから頬杖ということで勝手に解釈します。"
○宮川由梨 そのまんまですけど、頬杖ついて手に当たる骨が硬いなあと思うだけのぼーっとした時間。放心状態。

33. あれは先輩の自転車木下闇 (青に桃々)4点
◎岡田朋之 木下闇の中に先輩の自転車だけが一台ある。物語のはじまりを想起させるような一句ですね。
○宮川由梨 自転車だけ残して先輩はどこへ消えたのでしょう。
○久留島元 すごくリズムが悪いように思いましたが17音なんですね。情景は、男女どちらでとっても青春物語の広がりそうな。

7. 芍薬であることにまだ気づかない (久留島元)4点
◎川嶋ぱんだ 誰視点であるか分からないことが功を奏してる。ふつうに解釈すると芍薬を見て、それが芍薬であることに気がついていないと読めるが、自分が芍薬であることに気が付いていないとも読める。夢十夜の第一夜、百年はもう来ていたと気がついたような不思議さ。
○黒田さつき おお!立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花のあの人ですね!気づいていない所が、また奥ゆかしい。
○佐伯一馬 芍薬であることにいつ気づくのか、どう気づくのか、気になります。

20. 新緑をざくざく抜けてゆけば空 (わたなべじゅんこ)3点
○山本たくや 「ざくざく」が良い。その後の「空」が晴れやかに感じます。
○青に桃々 新緑と夏のはじまりの空の色は似ている。大胆に掻き分けてゆくその先。
○髙橋梨華子 とても爽やかで素敵です。鮮やかで気持ちがいいです

23. 晩春をまだ降っている雨の中 (久留島元)3点
◎青に桃々 絹糸のような雨、夕方、明るい雲の色。「まだ」は降っているではなく雨の中の後の言葉に掛けたいです。
○宮川由梨 まだ、がいいですね。長く降る春の雨。


36. 元彼のちゃんと不器用花曇 (青に桃々)3点
○じゅんこ 男たるもの不器用であらねば。そんな要求が「ちゃんと」に込められる。でも不器用を売り物にする男子にろくな奴はいない。小器用もろくでもないけど。…悶々とした気分が季語花曇に象徴された。
○川嶋ぱんだ 元カノがしっかり不器用だったなぁと思うという俳句。花曇りのもやもや加減が面白い。副詞のちゃんとが効いているようで、あざとい気もする。
○岡田朋之 ド好みの句なんですが、花曇が若干の仕様遠いかなあ…

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