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詩の本棚

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いただいたり買ったり。大好きな詩集を気まぐれにご紹介。 元気なときも凹みかげんなときも、言葉をおともに。
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#詩

詩集 キリンの洗濯 高橋杞一

どうしてこの本を買ったかなあ……。たぶん、表紙のキリンの姿に惹かれたから。本屋さんでのジャケ買い。改めて披いてみると今では珍しい活版印刷。表紙も随分焼けちゃったし汚れたなあ……。

「破裂」

夜に

どこか遠くの扉がひらく

これだけの詩。扉が開くことが破裂とはねー、ととても不思議な感覚。ビッグバンかなあなんて思ったり。

「ホッチキスがやってきて」



ホッチキスがやってきて

ぼくを

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『四角いまま』武内健二郎

『四角いまま』武内健二郎

舌。体位。のっけから誘うような言葉に操られる。

遠い身体の記憶が/私の今を開く

帯の言葉に誘われ四角いはずの世界が小さな扉をきしませてまるく開くような。なんと傷つきやすい身体。声が届かないだけで傷つく身体。

金魚のような白い手。ミヒツノコイ。チンムク!イルカ!

空ハ、雲ハ、・・・・ポケットのなかのレゴ。

ああ、でも凹凸の背骨にいちばん親しみがあるのは、わたしのなかにおなじものがあるから?

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