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ラノベ感想「30ページでループする。そして君を死の運命から救う。」

30ページという制約の中でループを繰り返し悲劇を回避するという小説ならではのループもの。 タイムリミットならぬページリミット・サスペンス。 多くの謎を残して物語は幕を閉じるのですが、その中でも最大の謎「怪物」は誰だったのかについて少し考察してみたいと思います。 最近は作家さんが自身のSNSで情報を発信されていたりしますが秋傘先生はTwitterをされていないようですし、あとがきもないので詳細は不明。 最初に言っておくと「こいつが怪物だ!」という結論はありません。 ただ僕の思

    • ラノベ感想「りゅうおうのおしごと!17」

      現実では先日藤井聡太竜王が史上最年少二人目の六冠を達成し将棋界の歴史が塗り替えられたところですが、本作も現実に負けず劣らず面白かったです。 百年後の将棋を追求する八一とプロ編入試験の実施を目指すあい、今まで現実に寄せていた物語からよりファンタジーの強い展開へと動き出したようで、タイトルを獲って終わりという物語の結末ではない感じがしてきたのがどうなっていくのか先が読めず楽しみです。 将棋の結末を見てしまい絶望する八一。編入試験を公言しプロ棋士や周囲の反感を勝うあい。 終盤ま

      • ラノベ感想「落ちこぼれから始める白銀の英雄譚 1」

        今こそ叫べ! クロス・モーフィング!! と、思わず叫びたくなるほど熱いヒーローもので大満足でした。 カバーだけ見て闘気を纏う系なのかと思ってたので表紙をめくってびっくり! ガチの変身ヒーローで期待が高まりました。 変身や必殺技のシークエンスが後期の平成ライダーっぽくていいです。 武器や用語のネーミングセンスが絶妙にあれなのもぽくて好きです。 爆発シーンはナパームの炎が見える! 頭に浮かぶ映像がアニメより特撮の画角で再生されました。 街に突然現れたボーツにレイとフレイアが

        • 小説感想「貞子DX」

          いまやリングシリーズから離れ貞子シリーズとも言える映画シリーズ最新作。 ホラー作品として極上の恐怖を感じさせてくれた原作からは遠く貞子のキャラクター化が著しいですが、作者の鈴木光司先生が歓迎しておりそもそもホラーが好きじゃないとまで言われれば原作至上主義者としては作者=神の言葉に手のひらを返すのは当たり前というもの。 ホラーエンタメとして思い切り楽しんでやろうと読みましたが呪いとウィルスが融合するリングの続編としてとても面白くまた恐い作品で大満足でした。 著者の牧野先生によ

          ラノベ感想「古き掟の魔法騎士 5」

          古き伝説と新しき伝説の物語、堂々の完結! 明かされていなかった伝説時代、シドとアルスルの最後の場面も明らかになり、フロレンスに心の間隙を突かれたアルスルが魔王に堕ちたという過去は驚きでした。 どうして今の時代にシドが裏切り者の汚名を着せられているのか、《野蛮人 》などと呼ばれているのか明らかになったのが面白かったです。 自らに残された時間が残り少ないと悟り単身ダクネシアへと乗り込むシド。 蘇ったかつての仲間達との戦いで追い込まれるも、アルヴィン達今の時代の仲間達が駆け付け

          ラノベ感想「古き掟の魔法騎士 5」

          ラノベ感想「七つの魔剣が支配する 10」

          今巻一冊を通じて「魔法使いが子を生すということ」が軸にあったと感じました。 マルコが語る子供を持てば人は変わるというトロールの人生観、リバーシの血を残したいというピート、エルフという稀少な血の漏洩を防ぐため子供の産めない身体にされたキーリギ、互いに殺し合う事ができない代償行為でむつみ合うナナオとオリバー、オリバーを普通の魔法使いとして育てようとしていたクロエ、そしてオリバーに大きなトラウマを植え付けることになったシャーウッド家での出来事。 魔法使いがその血統の先に見ている

          ラノベ感想「七つの魔剣が支配する 10」

          ラノベ感想「デモンズ・クレスト 1」

          ソードアート・オンラインの川原礫先生がおくる新たなバトルファンタジー。 小学生6年生の芦原佑馬はクラスメイトとともにVRMMMOゲーム「アクチュアル・マジック」のテストプレイに招待される。 ゲームをプレイ中に不自然な形で現実世界に目覚めたユウマが見たのは怪物に変貌したクラスメイトや跋扈するモンスターの姿だった……。 導入で「アクチュアル・マジック」内の描写はあるものの舞台は現実世界。 ソードアート・オンラインやアクセル・ワールドと大きく違うのは二作品が作中の戦闘でダメージを

          ラノベ感想「デモンズ・クレスト 1」

          読書感想「小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団」

          文庫化を待っていたので発売されてとても嬉しいです。 単行本を読んだのがもう10年以上前なので細かいところは忘れていましたが、終盤に星野スミレが登場しオリジナルの展開があったのは覚えていたので懐かしく読みました。 物語の序盤はセリフなども原作そのままでまるでマンガや映画を見ているように楽しめました。解説で辻村先生が仰っているようにコマとコマの間の描写によって物語に奥行が出て、こんなに濃密に“小説”だったんだと新たな驚きがありました。 ザンダクロスで遊んでいたのび太達がアクシ

          読書感想「小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団」

          ラノベ感想「戦翼のシグルドリーヴァ Rusalka(下) 」

          再び飛び始めたルサルカに神が保護を命じた姉妹は失った彼女とあまりにも似ていて……。 大切な人を守りたいという少女の願いが、人類のために命を捨てる男達が、様々な想いをのせて戦場の空は砲火に彩られていく! ※※ 以下ネタバレ ※※ 「ヤドリギ」の出現に出撃しようとしたアルマにオーディンが投げかけた「スヴェイズ」という言葉。 人名のように思いましたがオーディンが認めたワルキューレに与える称号というのが最後に明らかになりました。 オーディンはすでに称号を与えるワルキューレを選んで

          ラノベ感想「戦翼のシグルドリーヴァ Rusalka(下) 」

          ラノベ感想「異世界、襲来 01」

          「カンピオーネ!」の丈月城先生と、「りゅうおうのおしごと!」のしらび先生の強力タッグでおくるバトルファンタジー。 舞台は異世界と繋がり幻想の住人が当たり前に存在する現代。 世界を侵略しようとする異世界軍に、現実世界は同じく異世界から訪れたエルフ達に力を借り対抗していきます。 ※※ 以下ネタバレ ※※ 実在する地名が登場し、それが荒廃している世界観リアル感がとても良かった。 軍隊の規律が乱れている嫌な感じと、その後イヤな上官に最後救われた(なんだお前かとイヤな感じのまま逝

          ラノベ感想「異世界、襲来 01」