落語らしい品格がほしい
滑稽噺、それに怪談噺そのほか、落語である限り人情に訴え
る部分は多少は匂うもの。俺はね、滑稽噺を軸に書いていき
たいと思ってるんだが、それにしたって落語らしい品格=セ
ンスあるカタチ、そこは必要だと思うんだね。
怪談を書くとして、たとえばバイオハザードだったり、ラノ
ベで言うところの『異世界もの』だったりすると、まずもっ
て落語の客層には合わないだろう。時代に合わせたバージョ
ンアップは必要だろうが、寄席へ行ってみなさいよ、お客さ
んの年齢層はそうではない。古いのは若い層に向かないとし
ても、ぶっ飛んだ新しさではトビ過ぎてて『なんのこっちゃ』
になってまう。 む。
滑稽噺なんてまさにそうで『何でもアリ』では落語じゃなく、
下手をすると一人で演じる漫才になってしまう。
閉塞感に満ちた時代の中で、面白ければ=笑わせてくれるの
なら、いいと言えばいいんだろうけど、そこがちょっと違う
んだね。
品の良さ。言ってしまえばソコなんだが、着物姿の演者が座
布団に座って演じる話芸なんですよ。アンデッドと戦うアリ
スが前面に出過ぎてしまうと、聞いてる側からすれば、何だ
ろなぁ・・あーあ・・てなカンジになっちゃうでしょ。
えー、言うならば『古い船を新しい水夫が動かす』みたいな
ね、逆に『新しい船を古い水夫が動かす』でもいいかもです
が、今昔ミックスの『とっつきやすさ』が不可欠ってこと。
お客の年齢層は思うほど低くない。と言って、その昔の熟年
層とは比較にならない新しさも表裏に抱き合わされているわ
けで。
えー、これをですね、古典的に表現するなら『王道』とも言
えるもの。逸脱しすぎると落語としては陳腐すぎて聞いてら
れない。
だっから難しいわけですワ。うん。悩んでドツボにはまる俺。