『暗数殺人』
2020年6月8日(月)
約2ヵ月半ぶりに新宿へ。自分の住む下北沢の街はだいぶ以前の風景に戻ってきているが、新宿は「夜の街」として都知事らから目の敵にされているためか、まだ思ったほどの人出ではないという印象。
2ヵ月半ぶりに劇場で映画を観る。ステイホーム時期はそれが出来る日を待ち望んでいたものだが、いざ行ってみれば2ヵ月半ぶりという感慨もさほどなく、こうして人は意外とあっさり元通りのあり方に馴染んでしまうんだろうなと思ったり。よくも悪くも。
場所はシネマート新宿。入口で手指の消毒をし、中は並びでは座れず、一席ずつ空けて座るようになっている。
観たのは韓国映画『暗数殺人』。
“「殺人の追憶」「チェイサー」に続く衝撃作“ という宣伝文句ほどには衝撃度が高いわけではなく(そりぁその2本並の衝撃作だったら大変なことだが)、むしろなかなかの重厚さ。
刑事役は『チェイサー』のキム・ユンソクで、信念と執念を表情で伝えてくる。渋味が光った。そしてサイコパス的な連続殺人犯役がチュ・ジフン。ちょっとした目の動きや口の動きで、なんとも嫌な感じを出す。その憎たらしさたるや。とにかくこのふたりの演技が観る者を引き込んでいく。
韓国映画特有の後味。何か引きずったものを持ちながら外に出て、新宿の街をしばらく歩く。
そんなことも含め、やはり映画は劇場で観てこそだなと実感した。