Char×Chabo“宝箱”@六本木EXシアター
2019年4月26日(金)
六本木EXシアターで、Char×Chabo“宝箱”。
共演歴は少なくないが、意外にもふたりがこうしてガチでがっつりやるのは初めてのこと。がっつりもがっつり、アコースティックセットの1部とエレクトリックセットの2部、合わせて3時間半(休憩15分含む)ですからね。ま、チャボにとってはいつものことではあるけれど。
タイトルの通り、演奏されるのはまさに宝箱的なレア曲があれこれ。特に1部のアコースティックセットでは、JL&C「Cloudy Sky」、スパイダース「フリフリ」、ゴールデンカップス「愛する君に」、村八分「夢うつつ」、泉谷しげる「春夏秋冬」と珍しい曲が多く、ふたりが元うたを歌ってた人のことを話しながら進めていく感じがとてもよかった。「Cloudy Sky」はジョニー、「フリフリ」はムッシュ、「夢うつつ」はチャー坊や冨士夫に捧げられてたわけだが、「じゃあ次も死んじゃった人の歌で」とチャーが言って泉谷の真似をし出したときには笑いました。因みにチャボが歌った村八分「夢うつつ」がチャボのダークな側面と声のトーンに非常にフィットしてた。チャーとチャボでチャー坊、とかうまいことも言うとりましたw
エレクトリックセットでは「よォーこそ」とサム&デイヴ「ホールド・オン、アイム・カミン」を繋げたそれで始まり、チャーがストーンズ展のアンバサダーを務めてることの影響あってか、ストーンズ曲を4曲半も。「ドント・ストップ」~「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」~「レイン・フォール・ダウン」と3曲続け、アンコールでは土屋アンナをリサ・フィッシャー役で迎えて「ギミー・シェルター」、それと「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」を少しやってから「雨あがりの夜空に」に繋げたりも。まあそれもよかったんだが、自分的には石田長生に捧げた「ラ・ジ・カ・セ」と(BAHOの)「happiness」のチャーの歌とギターがこのライブのハイライトでした。「ラ・ジ・カ・セ」、泣けたわぁ。で、チャボが清志郎の曲をずっと歌い継いでいくように、チャーはジョニーや石やんの曲をずっと歌い継いでいくのだな、とか思ったりも。
因みにチャーが「従業員のみなさん」と呼んでたこの日のバンドメンバーは、 Dr.kyOn (key)、古田たかし (ds)、澤田浩史 (b)の3人。チャーのいつものリズム隊にkyOnさんが加わった形で、これがまた言うまでもなく最強。kyOnさんは3人目の主役と言ってもいいくらい「歌ってるような」鍵盤音を鳴らしてたし(なんかいつにも増してkyOnさん、ノリノリでニコニコで楽しそうだったな)、しーたかさんと澤田さんはそりゃあチャーのプレイに対応できる日本で数少ないリズム隊であるからして実にぶっとい音を出していた。ハードロックOKのリズム隊ですからね。「雨あがり~」のような聴き慣れたチャボ側曲も、しーたかさんのバスドラが効いててロック曲として新鮮に聴こえたものでした。
ところで主役のふたりは基本タメ口なんだが、ときどきチャーが冗談めかして「わかりました、先輩!」などと言ったりも。チャボが古井戸でデビューしたのが72年。その頃ShockとBad Sceneをやってたチャーがスモーキー・メディスンを結成するのは翌73年で、ソロでプロデビューしたのは76年。年齢もチャボが上で、確かに「先輩」ではあるんだが、でもその先輩のバンド(RC)が電化していい感じになってきた頃にJL&Cの79年の武道館公演の前座に起用するなどして引き上げたのはチャーだったわけで(もちろん観てます、その公演)、そんなことを思い出してたら尚更“くるもの”があった。
総じて永遠のやんちゃギター坊主ふたりのやりとりは熱度と余裕がいい塩梅で、チャボはこのバンドでツアーに出たいぜと言ってたけど、まあこれからもときどきやってほしいものです。とりあえずフジでまた観れるのが楽しみね。そこではどのくらいやってくれるんだろか。ぜひともヘブンあたりで長めにひとつ。
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