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「坂本龍一|音を視る 時を聴く」@東京都現代美術館
2025年1月12日(日)
東京都現代美術館で、「坂本龍一|音を視る 時を聴く」。
坂本龍一の大型インスタレーション作品を包括的に紹介する日本初かつ最大規模の個展。テーマは「坂本の創作活動における長年の関心事であった音と時間」。
かなり混んでいると聞いていたので、開館時間(10時)ちょっと過ぎに現代美術館へ。チケットはあらかじめ買ってあったが、日曜とあってそのように早い時間でも既に並んでいたし、中も人でいっぱいだった。落ち着いてゆっくり見たいなら、やはり平日がいいだろう。
それでも2時間半近く、時間の感覚を失いながら見た(気づいたらそのくらい経っていたという感じだ)。
東日本大震災の津波で被災した宮城県の高校のピアノを「自然によって調律されたピアノ」と捉えて作品化した《IS YOUR TIME》が印象に残った。「捉える」こと、見方の角度が重要なのだと思った。
終わりのほうに坂本さんの手書きメモがいくつも展示された部屋があった。メモには坂本さんのそのときどきで思ったこと、感じたことが書かれ、それは氏の頭のなかをのぞき見る感覚があった。見えるもの、聴こえるものを、自分はどう捉えるか。どの角度で見て、どう感じて、どう定着させるか。常にそれを考えていたことが数々のメモからわかった。そうした思考の断片がやがてイメージとなり、音となり、音楽となり、多方面の作家と出会って(コラボして)ここでのインスタレーションとなっている。
最後、坂本さんのホログラムのピアノ演奏は唐突といった感じでそこに現れたこともあり、さすがに涙腺にきた。演奏を終えたときの所作が在りし日の氏そのもの。フワッと現れ、演奏を聴かせ、フッと消える。幻のようだ。故人のホログラムは、その現れ方と消え方も手伝い、相当心にくる。
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