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シオ・クローカー@ブルーノート東京

2023年5月17日(水)

ブルーノート東京で、シオ・クローカー(1stショー)。

前夜のブルーノートのBLUE LAB BEATS公演にもゲスト出演したらしいシオ・クローカーのリーダー・プロジェクト初公演。メンバーはシオ・クローカー(トランペット、ヴォーカル、ラップトップ)、マイケル・シェクウォァガ・オデ(ドラムス)、マイケル・キング(キーボード)、ジャーメイン・ポール(ベース)。ベーシストは当日バンドに合流したばかりだとクローカーが話していたが、そうとは思えない馴染みっぷりだった。

あれこれのジャンルからはみ出した、こう!と説明し難い音楽性。ネオソウル的だったり、ヒップホップ的だったり、アフリカ的(呪術的)だったり、なんならサイケ(?)的だったり。それらを行き来しながらも、総体的にはやっぱりこれこそ現代ジャズってことになるかな。エゴ・エラ・メイを大フィーチャーして作った新EP『バイ・ザ・ウェイ』なんかはだいぶネオソウル的だったけど、ライブで女性ヴォーカルが入らないとなるとよりジャズ成分が濃くなるというか。「ジャズ・イズ・デッド」という曲をやりつつも、それはジャズに対する思いの強さの裏返しなんだろうということがわかった気がした。

クローカーはトランペッター。だが、吹いている時間はそれほど多くなく、ここぞというところで吹く。ほかの3人の演奏を聴きながら落ち着きなく動いたりノッたりしてる時間もまあまあある。ポエトリーリーディング調に音に言葉を乗せたり、ラップしたり、歌ったりもする(歌やラップはそんなにうまくないけど個性がある)。DJみたいにラップトップで音を出したりもする。多動っぽくもあって、もっとどっしりかまえていればいいのにと僕はちょっと思ったり(でもそれが今っぽいってことかも)。日本語を混ぜながらフレンドリーな感じでけっこうたくさん喋ってもいた。なんか所作が軽い。が、所作は軽くても、アンサンブルからは不思議なほどに濃いめのブラックネスが立ちのぼってくる。そこがいい。

それ、マイケル・シェクウォァガ・オデというドラマーによるところも大きかった。ちょっとした要塞みたいになってるドラムセットで柔軟かつ超絶なリズムを刻み続け、こいつぁすげえと思わされた。

ブルーノートには珍しく、後ろのスクリーンに映像が映されてもいた。その効果はクラブ的というか、ちょっとアシッドな感覚をもたらしもする。なので、例えばFFKTのようなフェスでこのプロジェクトの音を浴びたらもっと気持ちよくなっちゃいそうだなと思ったりもした。


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