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タンク&ザ・バンガス@ブルーノート東京

2024年9月24日(火)

ブルーノート東京で、タンク&ザ・バンガス(2ndショー)。

初来日公演を観たのが2020年1月31日(パンデミックで国外アーティストの公演がなくなりだす直前だ)。彼らの来日はそれ以来なので、4年半ぶりとなる。

前回公演とはメンバーがガラっと入れ替わり、今回は(ブルーノートのサイトによれば)以下の布陣。

タリオナ “タンク” ボール(リードヴォーカル)
ノーマン・スペンス(ミュージック・ディレクター、マルチ・インストゥルメンツ)
ロバート・ケルナー(キーボード)
CJ・ノウルズ・ジュニア(ドラムス)
マシュー・スキルズ(ベース)
エティエンヌ・ストゥフレット(サックス、フルート)
ジェリー・ジョセフ(バックヴォーカル)
マーク・アンソニー・トーマス(バックヴォーカル)

日の丸ハチマキ(70~80年代頃にはあのハチマキをまいてミュージックライフとかのグラビアに載る海外ロックミュージシャンがよくいたもんです)をまいたCJ・ノウルズというシカゴのドラマーのプレイがとんでもなくすごくて見入ってしまった。それと、今回はふたりのバックヴォーカルを連れてきていて、そのうちのマーク・アンソニー・トーマスという男性はオペラの歌手でもあるらしく、ときどきオペラ歌唱で歌ったりも。そういう歌唱がああいう音楽に混ざる様もユニークだなと。

メンバーの変化に伴って、というところもなくはないのだろうけど、前回の来日時とはサウンドも内容も大きく変化。前回特徴的だったエクスペリメンタルなロック要素(時にサイケ)はなくなった。ニューオーリンズらしいごった煮の混沌度合いに面白さがあった前回来日時よりも洗練されたというか、今やりたいのはこう!というのがより明確になった印象だ。とはいえ、1曲やって次の曲やってというふうではなく、曲と曲とが切れ目なく連続性を持ちながら続いていくというあり方は変わらず。グルーヴが途切れることがまったくない。前回も観ていて思ったことだが、まるでプリンスのライブのようだ。ずっとグルーヴが続いて、どんどん高みへとのぼっていく。タリアナ(おっきなメガネとトミヒルの衣装が可愛かった!)は表情もコロコロ変わるんだが、それもまたプリンス的。彼女の動きと表情にメンバーは即時反応してテンポや流れも変わっていく。ただ、プリンスやJBのような圧のある統率の仕方ではなく、彼女は笑顔で、メンバーみんなも笑顔で、一体となって流れを作っていく。そのへんが今っぽいという言い方もできるか。

スティーヴィーやアイズレーの名曲もさらりと入れ込みながら、過去作の曲(国内盤CDのライナーを書かせていただいた2022年作『Red Balloon』からの曲が多めだった)を著しくアレンジ変えてやったり、ポエトリーリーディングを中心とした番外編的新作『The Heart, The Mind, The Soul』の曲を初披露したり。終盤、タリアナの合図で場内総立ちとなり、最後の曲の前に「タンク&ザ・バンガスのニューメンバーを紹介するわ」みたいなことを彼女が言って、登場したのはなんとSTUTSくん!    。そういえば彼、タンク&ザ・バンガスの「ノー・ID (STUTS Remix)」というのを手掛けてたんでしたね。彼はドラマーのCJ・ノウルズと呼吸を合わせながらいつものようにニコニコでMPCサンプラーを叩いていて。そんなサプライズも含め、全てが最高の上を行く最高さ。

この数年、いろんなフェスに出てライブバンドとしてぐいーーんと進化したことが実によくわかるライブだった。ので、前にも書いたけど、やっぱフジロックのフィールドオブヘブンあたりでいつかぜひともやってほしいもんです。めちゃくちゃ盛り上がるに決まってるんだから。


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