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バブルガム・ブラザーズ@ベースグランベル
2024年10月14日(月・祝)
銀座に昨年できたベースグランベルというベニューでバブルガム・ブラザーズの「LAST LIVE vol.1」を。
ラストライブと銘打たれてはいるけれど、vol.1なのでvol.2やvol.3も期待できそう……かな?
5年振りの復活ツアーだし、自分が観るのは数十年振りだったんだが、さすがというほかないエンターテイメント・ショー。入院中の点滴生活を笑いに変えたような登場の仕方に始まり、サックス奏者がファンキーにブロウして歩くのについてふたりがフロアをグルリと回ったりと、楽しませることが相変わらず上手い。
トムさんはその佇まいもちょっとした動きもカラダが大きいだけに様になっていてかっこいいし、乳がんを克服して無事に復帰したコーンさんの声は病後とは思えないほどしっかりよく出ていた。またホーン隊もパーカッションも入った大所帯バンドの演奏は厚みがあってグッドだったし、1時間半の間に各時代の代表曲(それぞれのソロも含む)を散りばめた構成もよかった。自分的には大好きな「Torokel Lady」でぶちあがってしまったな。もちろん何十回聴いても未だ名曲としての鮮度が失われない「Won't Be Long」もね。というわけで、聴きたかった曲はほぼ聴けた。
ただぁ。初めて行ったベースグランベルというハコがなんともこうバブルの時代の夜の遊び場を再現した感じで、変にハシャがず2024年を生きる者としては居心地があまりよろしくない。場所も導線もわかりづらいし、中に入っても案内係らしき人は別の何かで忙しそうでしばらく放っておかれたし、頼んだホット・ジャスミンティーはさめていたし、ライブ中にも店のスタッフが歩き回っていて落ち着かないし。ブルーノートやビルボードライブのフロアスタッフがいかにプロフェッショナルで気遣いが行き届いてるかが改めてよくわかりましたね。とはいえ年齢層高めながらもブリブリのお客さんたちはみんなめっちゃ楽しんでいたようだったのでよかったけど。というかライブそのものは本当に満足度の高いもので。2024年にBGBの歌をナマで聴けることの喜びを十分に感じたライブだった。
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来月はとんねるずのライブもあるが(行きます!)、80年代後半~90年代にかけてファンクやソウルやディスコと歌謡の要素とをかっこよく混ぜ合わせていた彼らのようなコンビの音楽性が今しっくりくるのは確かだし、このタイミングでしっかり再評価されるといいな、されるべきだよなとも思う。
雑誌「昭和40年男」10月号(発売中)。この号の巻頭(6ページ)で、バブルガム・ブラザーズのインタビューを担当しました。彼らの過去と現在、そしてディスコ通いをした日々の話を聞いています。ぜひ書店で手に取ってみてください。