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『ザ・ファイブ・ブラッズ』

昨夜はNetflixでスパイク・リー最新作『ザ・ファイブ・ブラッズ』(原題は『Da 5 Bloods』。「Da」は「ダ」のままでいいのにわざわざ「ザ」に直しちゃうの、ちょいダサ)。

仲間の遺骨と埋蔵金を探すためにベトナムを再訪する4人の黒人ベトナム帰還兵を軸とした物語で、軽い気持ちで観ると痛い目に合う2時間半の重量級作品。何しろスパイク・リーの語り口の熱量がものすごく、それだけに引いてしまう人もいそうだが、いろんな意味でリーの集大成的作品であるのは確かだろう。

ブラック・ライヴズ・マター運動が世界的な社会現象になっているまさにその最中に配信されることのタイムリーさにまず驚くが、スパイクにとってはずっと言い続けている一貫した主題……であることを承知した上で、しかしやっぱりこのタイミングで配信されたことの重みを感じないではいられない。

スパイク・リー作品に慣れていれば、前半はこういう感じだけど後半は……みたいな展開の仕方がある程度読めもするだろうけど、読めても尚ガツンとくらってしまう。

『地獄の黙示録』のオマージュ…というよりはリーなりのアンサーでもって展開し、中盤はじいちゃんたちの『スタンド・バイ・ミー』ってな側面も。ざっとツイッターの感想見てみたら「詰め込みすぎ」とか「途中でもたつく」みたいな意見もあったけど、僕は「面白い映画を」というリーの気迫に引き込まれっぱなしで2時間半が少しも長く感じなかった。できれば劇場の大スクリーンで観たかったところだ(劇場公開されることになったら絶対観に行こう)。

マーヴィン・ゲイ「What's going on」の現代からの捉え直し、といったところが全体のベースラインでもあり、観る前と後とではその曲の聴き心地までも変わりそう。いやぁ、それにしてもスパイク・リー、ブレない人ですね。

ところでランボーの最終作『ランボー ラスト・ブラッド』って今月公開されるんだよね。『ザ・ファイブ・ブラッズ』観たあととなると、どんな気持ちで観ればいいやら。


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