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僕の選んだ「2023年の年間ベストアルバム/楽曲/ライブ/映画/ドラマ」
2023年は悲しみの多い年だった。あまりにも多くのミュージシャンが亡くなってしまった。若い頃からよくレコードやCDを聴いていた(あるいはライブを観ていた)、好きだったアーティスト……高橋幸宏さん、岡田徹さん、坂本龍一さん、谷村新司さん。もんたよしのりさん、大橋純子さん。ジェフ・ベック、リサ・マリー・プレスリー、トム・ヴァーレイン、ロビー・ロバートソン、ティナ・ターナー、シネイド・オコナー、バート・バカラック、ジミー・バーナー(バイ・オール・ミーンズ)、ジェーン・バーキン、シェイン・マガウアン。それにチバユウスケさん。フジのGEZANのライブで観たばかりだったOLAibiさんも亡くなられたし、ほかにも数多くの才能深きミュージシャンが世を去った。そんななかでも好きというレベルを超えて自分の人格形成に多大な影響を与え、物事の見方や価値観の幅を広げてくれた人……鮎川誠さん、PANTAさんの死は、前の年にもインタビューしていたことも手伝ってショックが大きく、立ち直るのにかなりの時間を要した。
また、やはり好きというレベルを超えて自分にとってすごく重要だったふたつのバンドが活動休止を発表。亜無亜危異と、ザ・たこさんだ。このふたつのバンドが活動を続けること、そのライブを観ることが、どれだけ自分の力になっていたか。まあ、あくまでも休止であって、生きていればまた集まることもあるかもしれないが、やはり拭いきれないさびしさがある。
悲しさやさびしさと同じくらい、あるいはそれ以上に、腹立たしい気持ちになること、嫌になることも多い年だった。呆れはてるしかない政策。世界で相次ぐ人道に外れた戦争・侵略・残虐行為。酷い年だったし、2024年が少しは良くなるかと言えば、いまのところまったくそうは思えない状況だ。
一方、コロナが5類に移行したことで、ライブやフェスの開催状況がほぼ元通り(パンデミック以前の通り)になったのは、とりあえずは喜ばしいことだった。国外アーティストの来日公演数は2022年から増え始めていたが、2023年はさらに増えて、“コロナ前でもこんなに来てなかったんじゃなかったっけ?“というほどに。ただ、価格高騰はまるで収まる気配を見せず、“観たいけど、この金額では…“と諦めるしかない公演も増えるばかりだった。
そんな2023年、自分はどんな曲を聴き、どんなライブ、どんな映画を観て、救われた気持ちになったり、勇気づけられたり、幸福感を味わったり、感動したりしていたのか。備忘録的な意味も含めて、今年も自分にとっての年間ベストを記しておく。
2023年私的年間ライブベスト10
まずはベストライブから。先に述べた通り来日公演もずいぶん増えたので、国内アーティストと国外アーティストの「よかったライブ」をそれぞれ10本ずつ選んでみた。その公演についての感想も合わせて貼っておきます。
国内アーティストのライブベスト10
10位: Char 45th Anniversary Tribute Live(Day1 ~JLC session、Day2~PINK CLOUD session)@LINE CUBE SHIBUYA
9位: ASOUND@渋谷クラブクアトロ
8位: 泉谷しげる×仲井戸“CHABO“麗市@有楽町 I'M A SHOW
7位: GEZAN with Million Wish Collective@フジロック・グリーンステージ
6位: betcover!!@渋谷クラブクアトロ
5位: The Street Sliders@日本武道館
4位: 七尾旅人@梅田クラブクアトロ
3位: 鮎川誠 追悼ライブ「音楽葬」@下北沢シャングリラ
2位: Rei “versus DRUMMER”@品川 Club eX
1位: ザ・たこさん@渋谷クラブクアトロ
長く追い続けているアーティスト/バンドばかりだが、初めて単独公演を観て”これは素晴らしい!”と思い、ベスト10内に入れたのがASOUND。ヴォーカルのARIWAは希望そのものだ。満杯の客のバイブスも最高だった。フジのグリーンで観たGEZAN with Million Wish Collectiveは、その公演をもって「Million Wish Collective融解」とあり、終盤でメンバーたちみんなが感極まっていて、それを観ながら僕も妻も号泣してしまった(しかし、そのわずか2ヵ月ちょっと後にOLAibiが亡くなったのは信じ難かった)。スライダーズの復活は2023年の邦楽シーンで最も喜ばしい出来事であり、4人の演奏も、この日を待っていた客の歓迎っぷりにも胸が熱くなった。鮎川さんの追悼ライブは5月の下北沢シャングリラと11月の新宿ロフトと両方観たが(後者は追悼ライブではなく、シナロケ結成46周年ライブだったが)、どちらも大勢のゲストたちの溢れる思いが演奏に表れていたことにも増して、ルーシー・ミラーの歌表現の進化と愛ある進行の仕方にグッときまくった。2位に選んだReiの“versus DRUMMER”ツアー・ファイナルは、ギターと3ドラム編成によるもので、自分がインディー・デビュー前から繰り返しライブを観てきたなかでもベストと言えるもの。とてつもない集中力と全身全霊といった感じのパフォーマンスに震えた。あんなことをできるミュージシャンがほかにいるだろうか。そして1位は、結成30周年記念ワンマンにして、活動休止前の最後の東京公演となったザ・たこさんのクアトロ。感想記事にも書いたが、自分が19年間追いかけてきたなかでもこのライブはトップクラスの出来と言っていいもので、ザ・たこさんを好きでいてよかったと心底思えたライブだった。ほかにフジロックのUA、スターパインズカフェで観た木村充揮ロックンロールバンド、国際フォーラムで母と観たTULIP、久しぶりの長尺ワンマンだったBONNE PINKの品川インターシティホール、復活したモダンチョキチョキズのO-WEST、GOOD BYE APRILとキンモクセイの共演によるSHIBUYA PLEASURE PLEASURE、LINE CUBE SHIBUYAでのAnly、JIROKICHIでのFoREVER YoUNGERS、三井ホールでのT字路sもよかった。あと、the Tigerのライブ力に衝撃を受けた。ASOWNDのARIWAがレゲエミュージックの希望だとしたら、the Tigerのりんはブルーズロックの希望。もうすぐアルバムを出して、ワンマンもやるので楽しみだ。
国外アーティストのライブベスト10
10位: カッサ・オーバーオール@朝霧JAM・レインボーステージ
9位: キティー・デイジー&ルイス@渋谷クラブクアトロ
8位: ガブリエルズ@サマーソニック・マウンテンステージ
7位: スティング@有明アリーナ
6位: アークティック・モンキーズ@東京ガーデンシアター
5位: ヤー・ヤー・ヤーズ@フジロック・レッドマーキー
4位: バーミング・タイガー@フジロック・レッドマーキー
3位: グレゴリー・ポーター@すみだトリフォニーホール
2位: ビョーク@東京ガーデンシアター
1位: リゾ@フジロック・グリーンステージ
単独公演よりもフェスで観たもののほうが環境も相まって強く印象に残るというところが(フェス好きの自分の場合は)どうしたってあり、選んだうちの半分はやはりフェスで観たものとなった。キティー・デイジー&ルイスはクアトロの単独のほうを入れたが、開放的な朝霧JAMでの好演と合わせて選んだ。サマソニ2日間でいろいろ観たなかではブラーも素晴らしかったが、それよりも初めて観たガブリエルズのライブ力に驚いた。音源で聴くより遥かにソウル濃度が高い上に“見せる“力もあり、亡くなったティナ・ターナーの「プライベート・ダンサー」をあの美声で歌われたら、そりゃもう泣くしかなかった。スティングは来る度に観ているが、70代に入ってもあの現役感で、しかもベストヒットパレードということもあり、素直に感動。ずっと好きでいてよかったと思った。フジロックは今年も素晴らしいアクトばかりだったが、noteに感想を書いた段階では2位に選んでいたヤー・ヤー・ヤーズ以上に、今思い返すとバーミング・タイガーの面白さと観客のとんでもない沸き方のほうがより強く記憶に残っている。後にアルバムが出たとき、フジで披露された曲が多かったことにも驚いた(つまりまだ世に出ていない新曲を多めにしながらあんなにも熱量の高いライブを見せていたわけだ)。ビョークは古典的な「orchestral」と最新型の「cornucopia」の両方観てどちらにも圧倒されたが、自分的には映像演出が一切なくビョークの肉声とオーケストラの演奏の融合のされ方があまりにも見事だった「orchestral」のほうにより感動した。そして1位はフジのグリーンで観たリゾ。「演出、照明、構成と全てが練りに練られた一大エンターテインメントショーという意味においては例えば全盛期に観たマイケル・ジャクソンのショーとかにも引けを取らないクオリティで、これを苗場で、フジロックの出し物のひとつとして体感していることが不思議な気持ちにもなったくらいだった」というふうにnoteのフジロック感想記事に書いたが、いま思い返してもそういう奇跡的なライブだったように思う。ほかには、フジのレッドマーキーで初めて観たヤード・アクト(12月のクアトロ単独も観たが、フジで初めて観たときの驚きが大きかった)、ソニックマニアでのジェイムス・ブレイク、神田スクエアホールでのジョン・バティステ、ビルボードライブ東京でのマーカス・キングと同じくビルボードライブ東京でのヴィンテージ・トラブル、WWWXでのスクイッドが、それぞれライブ力を見せつけていて素晴らしかった。
2023年私的年間ベストアルバム
今回も順位付けは難しかったので、国内外合わせ、順不同で20作選んでみた。
●The Rolling Stones 『Hackney Diamonds』
●Victoria Monét『JAGUAR II』
●The Lemon Twigs『Everything Harmony』
●Janelle Monae 『The Age Of Pleasure』
●Cleo Sol『Gold』
●Kiana Lede『Grudges』
●Boygenius『the record』
●Troye Sivan『Something To Give Each Other』
●Kali Uchis『Red Moon In Venus』
●Mayer Hawthorne『For All Time』
●Durand Jones『Wait Til I Get Over』
●Kelela『Raven』
●Anohni And The Johnsons『My Back Was A bridge For You To Cross』
●Claud 『Supermodels』
●Maeta『When I Hear Your Name』
●Jamila Woods 『Water Made Us』
●中山うり『tempura』
●Bonnie Pink 『Infinity』
●Nacomi Tanaka『The Nacometers』
●Cornelius『夢中夢』
順不同と言いつつ、2023年のベストアルバムを1作選べと言われたら、ヴィクトリア・モネの『JAGUAR II』。最も回数聴いたアルバムはストーンズの『Hackney Diamonds』。どちらも聴き返すうちに好きになったのではなく、一聴して「これだ!」「待ってました!」「最高!」と気持ちが高まった。やっぱり傑作は明らかに傑作に相応しいオーラを放っているものだなぁと。それにアルバムだからこその(曲の並びによる)物語性、説得力を有していたことも大きい。
ほかにアルバムでは、Mitski『The Land Is Inhospitable and So Are We』、Jungle『Volcano』、Everything but the Girl『Fuse』、Black Pumas『Chronicles Of A Diamond』、Arlo Parks『My Soft Machine』、Taj Mahal『Savoy』が素晴らしかった。
それはそうと、実はフルアルバムを丸ごと聴き返す頻度は以前に比べてずいぶん減っている。アルバムでこそ表現できるものがあるというのは十分わかっているし、自分はもともとシングルチャートに昔からさほど興味がなく、アルバムで初めてそのアーティストを評価するほうだった。が、サブスクで音楽を聴くのが日常になってから明らかに1作の繰り返し回数が減ったというか、できなくなったというか。『JAGUAR II』や『Hackney Diamonds』、あるいはTroye Sivan『Something To Give Each Other』のように全曲いいというアルバムも少なくなり、この曲は大好きで何度も聴くけどこの曲は飛ばしちゃうみたいなことが多くなった。そういう意味では、今はアルバムよりも5曲から7曲くらい収録のEPのほうが馴染みやすいし、アーティストにとっても作りやすい上に自分のよさを出しやすいんじゃないかという気がしている。
ということで、EPとしてよかったもの、よく聴いたものもあげておこう。
●V『Layover』
●具島直子『Prism』
●倉品翔『satellite flying alone』
●XinU『XinU EP #02』
2023年年間私的ベスト楽曲
続いては2023年に聴いたなかで「これ、好き!」と強く思った楽曲を。前回同様、先に「my best of my 2023」というプレイリストを作って公開し、「国内アーティスト編」「国外アーティスト編」とそれぞれ130曲ずつ選んで、流れも考えながら並べたのだが、ここでは特に好きだった曲を15曲ずつ選んでみた。基本的にプレイリスト「my best of my 2023」のなかから選んでいるが、別の曲にしたものもある。MVのあるものないもの混ぜこぜです。いやぁ、ホントいい曲ばっかだ。
国内アーティスト編
●Ellie「キミに夢中」
●ASOUND「Meditation feat.鎮座DOPENESS」
●the Tiger「金町」
●DENIMS「ugly beauty」
●田我流「センチメンタル・ジャーニー」
●クレイジーケンバンド「マンダリン・パレス」
●黒川沙良「LOVE」
●KID FRESINO「that place is burning feat. ハナレグミ」
●Merchant 「微笑み」
●倉品翔「River」
●Ayane Yamazaki「FANTASY」
●優河「遠い朝」
●藤井風「花」
●BONNIE PINK「Bittersweet」
●Elle Teresa「Pierce Snake」
国外アーティスト編
●Victoria Monét 「Good Bye」
●Olivia Dean「Dive」
●Cleo Sol「There Will Be No Crying」
●V「Slow Dancing」
●Troye Sivan「One of Your Girls」
●Maeta「Cool Cat」
●Ben Folds「But Wait, There’s More」
●MichelleI「Glow」
●Burming Tiger「Moving Forward」
●Janelle Monáe「Float」
●The Rolling Stones「Sweet Sounds Of Heaven Feat. Lady Gaga & Stevie Wonder」
●Laufey「bewitched」
●The Lemon Twigs 「corner of my eye」
●SunKissed Lola「Dal’wang Patinig」
●Durand Jones「Gerri Marie」
〇国内アーティストの「好きな曲」130曲からなるプレイリストはこちら。
〇国外アーティストの「好きな曲」130曲からなるプレイリストはこちら。
2023年私的年間映画ベスト20
2023年も映画はたいした本数観てなくて、劇場で観た本数はライブの数の3分の1以下。なので選出はそんなに難しくなかった。が、順位付けは難しかったな。2023年はミュージシャンのドキュメンタリーに傑作と思えるものが多かったんだが、それをフィクションと同列に考えて順位付けしてしまっていいのかどうか……というところでちょっと悩んだりして。最終的には割り切って並べてこうなった、っていう。で、今回はベスト10じゃなく、ベスト20にしてみた。感想はnoteに書いたものだけ貼っておきます(書こうと思いながら時間が経っちゃって書きそびれてしまったものがけっこうあるけど)。
20位: 『ザ・フラッシュ』
19位: 『ザ・キラー』
18位: 『マーベルズ』
17位: 『ほつれる』
16位: 『バーナデット ママは行方不明』
15位: 『Renaissance: A Film by Beyoncé』
14位: 『エゴイスト』
13位: 『GOLDFISH』
12位: 『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』
11位: 『フェィブルマンズ』
10位: 『バービー』
9位: 『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』
8位: 『市子』
7位: 『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~』
6位: 『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』
5位: 『怪物』
4位: 『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』
3位: 『ザ・ホエール』
2位: 『TAR/ター』
1位: 『THE FOOLS 愚か者たちの歌』
胸をえぐられるようなドキュメンタリーがいくつかあって、その最たるものがTHE FOOLSの映画だった(完全版は公開時に観に行けなかったけど、またいつかチャンスがあるだろう)。鮎川さんの映画と、亜無亜危異の実話をモチーフにした『GOLDFISH』はどちらも監督にインタビューをしてパンフレットとプレスリリースの原稿を書かせてもらえたことが嬉しかったし、どちらも素晴らしい内容で数回ずつ観た。そして観る度に気づきがあり、観る度に涙してしまったのだった。
2023年私的年間TVドラマベスト10
配信のドラマシリーズも10作品選んでみた。
10位: 『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』パート1 (Netflix)
9位: 『D.P.ー脱走兵追跡官ー』シーズン2 (Netflix)
8位: 『ハイジャック』(Apple TV)
7位: 『ジェン・ブイ』シーズン1 (Amazonプライム)
6位: 『ガンニバル』(ディズニープラス)
5位: 『バリー』シーズン4 (U-NEXT)
4位: 『BEEF/ビーフ』(Netflix)
3位: 『最悪の悪』(ディズニープラス)
2位: 『ムービング』(ディズニープラス)
1位: 『THE LAST OF US ザ・ラスト・オブ・アス』シーズン1 (Amazonプライム)
『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』はパート2で話を広げすぎて収まりの付かない感じになってしまったが、パート1は相当面白く見た。『D.P.ー脱走兵追跡官ー』はシーズン1のほうがよかったという意見もあるようだが、シーズン2の重みは1を超えていたと思う。『ハイジャック』はこの上ないハラハラドキドキ感。『ジェン・ブイ』は相当グロくて露悪的だが、Z世代の男女の抱えるトラウマやコンプレックスや心的病がスペック(能力)に密接に結びついている……というのが実に現代的で、メッセージ性の強度もすごかった。『ガンニバル』は外資製作だとここまで桁違いに面白い映像作品に作り込めるんだ?!という驚きあり。『バリー』はまだコメディ味もあったシーズン1の頃が長閑に思えたほどの重み。衝撃的にして完璧な閉幕。『BEEF/ビーフ』は後半のドライブのかかり方がものすごくて(特に最終話ひとつ前)、ゴールデングローブの作品賞受賞(主演男優賞と主演女優賞も)も納得。『最悪の悪』はノワールながらも三角関係のキツさを入れ込んでハラハラを増幅させる、過去の抗争ものとは一味も二味も違う新しいノワールの形を提示した傑作。最終話のエンドロールに挿みこまれた映像に涙。『ムービング』は、(コミック版の)幻魔大戦、ヒーローズ、X-MEN、AKIRA、クロニカル、あしたのジョー、幸せの黄色いハンカチまで、自分が好きだったいろんな映画/マンガを想起させる場面がいくつもあったのも胸熱。面白さという意味では年間1位。なんだけど、『ザ・ラスト・オブ・アス』の見応えはやはりそれをも上回るもので、とりわけ誰もが神回と絶賛する第3話はドラマ史に残る傑作だと思った。
地上波のドラマはもうほとんど見なくなったが、朝ドラの『ブキウギ』だけは欠かさず見ている。趣里の演技の素晴らしさがなんといっても大きいが、音楽/歌を大事にしてちゃんと1曲をフル尺で聴かせるところが今まであったドラマとの大きな違いでもある故。わけても、およそ10分間にわたってスズ子の歌唱シーンが描かれた第49話に感動した。
ほかに『季節のない街』(ディズニープラス)、『サンクチュアリ -聖域-』(Netflix)、『アメリカン・ボーン・チャイニーズ 僕らの西遊記』(ディズニープラス)、『ブラッシュアップライフ』(日テレ)も面白かった。
あと、お笑いはもっと劇場に足を運んで見たいと思っていながらもほとんど行けなかったが、3月に大阪のよしもと漫才劇場で令和ロマンを見てさらに彼らを好きになっていたので、年末のM1は大興奮でした。
小説は市川沙央の『ハンチバック』かな。
といった感じの2023年。さて2024年はどんなものに出会えるか。現実が現実なので、音楽や映画にはずっと、もっと、ワクワクしていたいものです。
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