『リコリス・ピザ』感想。
2022年7月13日(水)
TOHOシネマズ新宿で『リコリス・ピザ』。
フィルム撮影ならではのよさがすごく出ていた。光。夕日(マジックアワー)。夜の街の灯り。空気の匂いさえも感じられるような。
ちょっとした事件は起こるけど、大事件は起こらない。スリリングとか、エモーショナルとか、そういうものでもない。些細なことでくっついたり離れたり。僕もあなたも身に覚えのある、若い頃特有の気持ちの通じ合いとすれ違いのミルフィーユ。ものすごく共感!、というのでもないけど、僕の中にもゲイリーが、アラナが、確かにいる(いた)。
「あそこよかったな」というシーンは、どれも音楽と一体となって思い出される。ニーナ・シモンの「July Tree」がかかるあそことか。ドアーズの「Peace Frog」がかかるあそことか。ウイングスの「Let Me Roll It」がかかるあそことか。
ショーン・ペンとトム・ウェイツと誰よりブラッドリー・クーパーの狂気が効いていた。
さて、アラナとゲイリーのこの先は……?。長く続くか否かは誰にもわからないけど、ソニー&シェールのシェールが、あのときライヴに来なかったのはどこか示唆的でもあるような……。
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