JUNGLE@渋谷・Spotify O-EAST
2024年5月27日(月)
渋谷・Spotify O-EASTで、JUNGLE。
土曜日のグリーンルームフェスだけでなく、単独公演も早々にチケットをとって観に行った。野外と屋内、両方でしっかり観ておきたかったのだ。
オープニングアクトは、最近独立したどんぐりず。一昨年あたりは最も多くフェスで観たのが彼らだったが、今年になって観るのは初めて。JUNGLE目当ての人たちの前で、しかし彼らは気負うことなくいつもの調子でやり、次第に熱が入って、観客たちも徐々に開放されていったのがわかった。森は「オレたち、JUNGLE好きなので、やれて嬉しいっす」とも。
セットチェンジをはさんで、20時過ぎから我らがJUNGLEのオンステージ。
グリーンルームでは、全体の構成やら、映像、ライティング、どの曲をどうやってどう繋げるかなど、野外ならではの雰囲気含めてトータルで楽しんで観たのだが、今回の単独はより演奏そのものに注目して楽しもうと思い、そうした。それで実感したのは、メンバーひとりひとりの演奏力とアンサンブルのよさだ。初期はジョシュとトムのふたりだけでライブもやっていたが、ある時期からバンドへと拡大。今回グリーンルームと単独の両方を観たことでジョシュとトム以外のメンバーたちの働きの大きさもよくわかって、ああ、ベースがいいな、生ドラムがここでこう入ることでこういうグルーブが生まれるんだな、パーカッションの果たす役割は大きいな、などといろいろ感じ、何よりリディアのヴォーカルの音への溶け込み方と、控えめながらときどき真ん中に出て歌うときの明るさがいいなと、そう思った。終盤でいくつかのビーチボールが投入されたときには、それを思いっきり蹴っ飛ばしていて、その無邪気な感じににっこりしたりも。こうして観てるとリディアあってのJUNGLEという気がしてくる(アー写も3人で写っていたし。もう正式メンバーってことでいいんじゃないですかね?)。
グリーンルームではやらなかった曲も中盤にあり、そのあたりでバンドアンサンブルの強度を特に感じたり。当然『Volcano』(23)と『Loving In Stereo』(21)の曲が中心なんだが、14年の初作『JUNGLE』からも2曲(「Julia」と「Time」)やったりして、その演奏もまた熱かった。
また、みんな大好き「Back on 74」で華やかに盛り上げてから、ちょっと懐かしめのクールな「Casio」に繋げるあたりの流れもグッドで、センスよし(「Casio」はシンガロングも起きていた)。グリーンルームでも感じたことだが、わりと短めな曲をDJ的なセンスでどんどん繋いで繰り出していくからグルーブが途切れたりしないのだ。
グリーンルームでは最後の「Keep Moving」まで一気にやったのだが、単独では「Holding On」で華々しく本編を終えて、アンコールに応える形で「Keep Moving」をやり、それもまたよかったし、単独のあり方としてはこれが正解だと思えた。
そして大きな拍手に包まれる中、ウォルター・マーフィー&ビッグ・アップル・バンドの大ヒット曲「運命76」でメンバーみんなが前に出てきて大団円。この曲で締めることの意味を噛みしめながら、幸福感いっぱいで会場をあとにした。
といった感じで、今年上半期のベストライブと言いたくなるくらいに感動的な盛り上がりを生んだJUNGLE単独公演。次の動きに期待しつつ、願わくばこの編成のライブを今度はフジでも観てみたい。
CD『Loving In Stereo』と『Volcano』の国内盤は、ライナーノーツを内本が担当してます。インタビューも盛り込んで書いてますので、よければ国内盤でぜひ。https://www.beatink.com/artists/detail.php?artist_id=2191
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?