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Char@EX THEATER ROPPONGI

2023年12月2日(土)

EX THEATER ROPPONGIで、Char Live Tour 2023 ~Soliloquy~。

今年は春にSmoky Medicineをやり、夏にはJOHNNY, LOUIS & CHARとPINK CLOUDをやったChar。今回は久しぶりとなるソロツアーだ。

バックは、澤田浩史(Bass)、Tully Ryan(Drums) 、柴田俊文(Keyboard)。ベースの澤田はいつもの通りだが、Tullyと柴田は初参加で、実質これはCharの新バンドと言っていい。そこに対してChar自身が新鮮味を感じながらやれているというのも大きいのだろう。いつにも増してCharのギタープレイはキレッキレで、熱量の高さが感じられた。

前半は新作『Soliloquy』の曲を次々に。全編インストのアルバムだが、その1曲1曲からCharの現在のモードが伝わってきたし、ナマともなればアルバムで聴く何倍もの熱が伝わってきて興奮した。わけても春畑道哉に提供した「I Feel Free」が凄まじかった。しびれた。演奏終了時に最も大きな拍手が起きたのもこの曲だった。

今年Smoky MedicineやJOHNNY, LOUIS & CHAR~PINK CLOUDをやることで過去曲に対峙したCharだったが、そうして過去をも消化し終えた現在地からまたさらなる進化を目指す。現在の自分はこうなのだと表明する。60代後半にして少しもあぐらをかくことなく、日々ギターを触り、ギターミュージックを進化させようと努力する、その姿勢が『Soliloquy』の曲群から伝わってきてグッときた。今回のライブを観たことによって、尚更このアルバムを深く楽しむことができそうだ。

中盤からはヴォーカルありの曲、お馴染みの曲もどんどんプレイ。まだ追加公演も残っているので曲名は伏せておくが、聴きたかったあの曲この曲が聴けて大満足。アンコールはなんと3度あり、2度目のアンコールでもう終わりだろうと思いきや、3度目はアコースティックであの曲も聴かせてくれた。

演奏の熱量も、よく練られた全体の構成も、文句なしで素晴らしかった。トリプルアンコールまでやって1時間40分と、時間的には長くないが、密度がめちゃめちゃ濃かった。今年観たCharのライブのなかで一番よかったんじゃないかと、そう思う。今のCharがこれだけ凄いということをはっきり知らしめた、そういうライブだったと僕は思うのだ。最高!

ただ、ひとつだけ。前半、手持ちカメラでステージ上を歩き回って映像を撮っていたカメラマンの無神経さにはイラついた。メンバーのことも客のことも考えていないのか、プレイ中のメンバーに図々しく近づいてはカメラを向けるのだ。邪魔。気が散ってしょうがない。Charもそう感じたようで、途中、手で「あっち行け」と指示したのだが、それでもその男はやめずに続けるものだから、Charは怒って、ギターのネックでそいつのカラダを押して追い払っていた。なんだったのだろうか、あの男は。ZICCAの撮影クルーであるならば、事前に打ち合わせがあって、Charやメンバーの承諾をとるはずだろう。しかしあそこまで無神経であるということは、別の組織の何者かなのだろうか。どうしてこんなことが起こるのか不思議だ。

それを見ていて思い出したのが、1982年に品川プリンスのゴールドホールで行われた「糸井重里プレゼンツ、ヘンタイよいこ白昼堂々秘密の大集会」というイベント。出演したJLCのライブ中、ステージにあがって映像を撮っていたカメラマンがいて、Charは怒ってギターでグイグイそいつのカラダを押して追い払ったのだった。

あれから40年以上が経つわけだが、未だにミュージシャンにとってステージが聖域的な場所であることを理解していない人がいるということにガッカリしてしまう。

とはいえ、その一件のあと、「最近、気が長いもんで」と言って、それ以上はそのことに触れずに何事もなかったかのようにライブを続けたCharはやはり大人だったし、かっこよかった。怒るべきところではちゃんと怒って、引きずらない。そういうCharだからずっと追いかけてきたし、これからも追い続けたいと思うのだ。


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