見出し画像

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 サザンオールスターズ ライブ・ビューイング@TOHOシネマズ宇都宮

2024年9月23日(月・祝)

TOHOシネマズ宇都宮で、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA サザンオールスターズ ライブ・ビューイング

サザンの夏フェス勇退ライブ。これは現地で観たいねと妻と話して応募したのだが抽選で外れ、第2チャンスでもまた外れ、やっぱダメかと思ってたところにライブビューイングがあるとの報せ。その日は栃木の田舎にいる日だったので、宇都宮のTOHOシネマズで観て東京に帰ろうということに。サザンならライブビューイングもすぐ売り切れそうと、発売開始時間にPCに張り付いてリロードしまくること約10分。どうにかチケットが獲れた。因みにこのライブビューイングは全国の映画館332館(611スクリーン)で行われ、チケットは完売に。15万5000人が観に行ったそうだ。現地で観た人が5万人として、合わせて20万人以上がリアルタイムで観たことになる。やっぱすごい人気だね。

ROCK IN JAPAN FESは好きじゃないけど、大昔に2度だけ行ったことがある。そのうちの1回は2005年(19年も前だ!)の3日目で、坂本龍一とサザンが出るので観に行った。そのときがサザンにとってのROCK IN JAPAN FES初出演だった(因みにサザンが初めて夏フェスに出たのは1979年8月に江の島のヨットハーバーあたりで行なわれた「JAPAN JAM」で、出演はビーチ・ホーイズ、ハート、ファイアーホール、TKO、日本からはサザンのみ。「いとしのエリー」がヒットしてた頃で、僕はそれも観ている)。

ライブビューイングといえどもサザンのライブを観るのは2015年の東京ドーム公演以来なので9年振り。夏休みの最後みたいな気分で、僕も妻もけっこうワクワクしていた。宇都宮TOHOシネマズに少し早く着くと、売店に赤いタオルなどグッズが少しだけ置いてあったが、目の前であっというまに売り切れた(Tシャツは既に完売していた)。開映(ライブの始まり)までまだ時間があったので、お茶をしながら妻とそれぞれ演奏しそうな曲を出し合って、どっちが多く当てられるかという遊びをした。やりそうな曲をそれぞれ15曲書いて見せあったのだが、結果、僕は15曲中11曲を当てた。15曲中11曲というのはなかなかの的中率だと思うが、これは即ちそれだけライブで必ず盛り上がる曲、みんなが聴きたがっている曲、あるいはヒット曲や代表曲の数が多いということだ。そしてそれをサザンはしっかりやってくれるということだ。それでもまだまだヒット曲・代表曲でやらなかった曲がたくさんある。こういうバンドは日本にほかにないだろう。

新旧とり混ぜ、約100分で全19曲。夏曲の多さも含め、夏フェス勇退に実に相応しい理想的なセットリストだった。とりわけ、そろそろ終わりをMCで匂わせてからのあとがとてつもなくすごかった。そろそろ終わりかとみんなが覚悟を決めているというのに一向に終わらず、むしろそこから盛り上がらないはずのない必殺曲をどんどん放っていく。「LOVE AFFAIR」のあとに「マチルダBABY」がきて「ミス・ブランニューデイ」がきて「みんなのうた」がきて「マンピーのG☆スポット」で華々しく本編が終わったからと思ったら、アンコールで「希望の轍」がきて最後は「勝手にシンドバッド」なのだ。キター!  キター!  キター!の連続だ。とんでもない。

なので、ライブビューイングで観ていても(立ち上がりこそしなかったものの)みんなで拳を振り上げたり手を横に振ったり声をあげたりと、けっこうな一体感。そりゃもう、盛り上がる。

始まりの「女呼んでブギ」から「マンピーのG☆スポット」まで、今の時代普通に考えたらアウトで怒る人も多そうな曲とて、堂々歌いきる(しかもマンピーは相変わらずのあの演出で)。そのあたりの覚悟もキマっていて、68歳になってもブレがない。だって歌ですから。屈しません、ってな感じだ。

ところで個人的に注目していたのは、病気療養中の渋谷陽一さんに対して桑田さんがどんなメッセージを送るのか(送らないのか)ということだったのだが、恐らくはシリアスなトーンで何か言葉を発するのは(それが大きく報道されてしまうことのリスクを踏まえて)避けようと考えたのだろう。直接的に言葉にすることはしなかった。ただ、終盤で夏フェス卒業について触れたあと、そのことをこんなような歌詞にして歌ってみせた。「夏フェスは暑すぎて じいさんとばあさんはもうGood Bye 泣かないで渋谷さん   緑黄色社会のみなさんこれからもよろしく」。「泣かないで渋谷さん」。これが桑田さん流の渋谷さんへのメッセージだ。実に、実に桑田さんらしい。

因みにセトリのなかには「栄光の男」も入っていた。長嶋茂雄に捧げて書かれた曲であり、恐らくは勇退という意味でこれを選んだのだろうけど、その歌をこの日は渋谷さんに捧げる意味も含ませていた……というのは考えすぎだろうか(考えすぎですよね。いやわからないけど)。

まあそれはともかく、最後はこの日の出演者全組をステージに呼び、何度も何度も彼ら彼女たちのグループ名を呼んだ桑田さん。次世代への期待と敬意、そして託す思いが溢れていて、そこにもけっこうグっときた。声の出力も十分に感じられたし。最後の最後は花火がこれでもかとあがって、2024年の夏が終わった感。やっぱり偉大なり、サザンオールスターズ。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?