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『デッドプール&ウルヴァリン』(感想)

2024年8月10日(土)

TOHOシネマズ新宿で、『デッドプール&ウルヴァリン』。

*ネタバレ含みます。これからご覧になられる方はご注意を。

「ほんとにさようなら、20世紀FOX」「ありがとう、ヒュー・ジャックマン」「頑張ってくれ、MCU」。あと「ああ、本当にもうX-MEN実写の続きは観れないのか」。観終わって、そんな感慨やらさびしさやらがグルグルグシャグシャ。

この設定、よく思いついたな。この役割を引き受けられるキャラはデップーだけだもんな。とは思った。虚無空間=ゴミ捨て場に落ちたところからさあどうする? といった設定にはワクワクさせられたし、これが物語としてうまく転がればMCUにとっての起死回生にならんでもなかった。はずなんだけど……。

X-MENにはけっこう思い入れあるし、ファンタスティック・フォー、それにサプライズで登場したあの人やあの人の出てくる作品も昔に見たし……という程度には過去作もまあ見てきてるし、つい数日前には久しぶりに『ローガン』を見直したので(関係ないけど、やはり『辰巳』は『ローガン』の影響下にあるよなとか思ったりも)、おお! と驚いたり喜んだり面白がったりはした(これから観る人も『ローガン』だけは観ておくべき)。

そういった各キャラまわりの小ネタのいっこいっこは面白いし、そこでかかる曲もよく考えられていて&合っていて、気持ちが上がる。しかしだ。全体としての話が荒唐無稽の上を行き過ぎててもうむちゃくちゃ。一本太い芯を通してくれたら小ネタももっと活きたはずなんだけど、展開があっちこっちに行き過ぎて結局大きなカタルシスが得られないまま終わってしまうのだ。マルチバース批判のセリフは最高なんだけど、それを言ったあとも物語自体はマルチバースにからめとられたまんまというか、結局頼ってんじゃん、っていう。小ネタはオモロイんだけど、それが芯の通った大きな物語に繋がっていかないという、例えば最近の宮藤さんのテレビドラマにも通じるその感じ。「うひょー、最高!」ってなる瞬間も何度かあっただけに、そのへんがねえ、いや、残念でした。

とはいえ、エンドロールにはグッときまくり。あれを活かすための本編だったんじゃ? とか思っちゃうくらい。追悼ファンムービー。といった意味ではまあ観てよかったのだけれども。さあさあ、ここからどうする? MCU。


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