見出し画像

『三月のライオン(デジタル・リマスター版)』

2021年3月10日(水)

吉祥寺アップリンクで、『三月のライオン(デジタル・リマスター版)』。

矢崎仁司監督(『無伴奏』『スティルライフオブメモリーズ』『さくら』)による92年作品。

記憶喪失の兄と、その兄に思いを寄せている妹。禁断の愛‥‥のはずなのに、そこに背徳はなく、繊細で甘美で惹きつけられる。社会や世間と交わらない白昼夢のような世界で、ただひとつ互いを求め合うことだけがリアルな感覚、というような。「物語」ではなく、「カタチ」もない。愛は物語として描かれるのではなく、ただそこにどうしようもなくむせかえるようにある、といった感じ。ふたりはきっと、足りない部分を補い合うためにひとつになっていたのだろうな。そして最後、兄は新しい自分の誕生を見たのかもしれない。

ドラマの延長のような映画が多いなか、久しぶりに「ああ、映画を観てる」「非・商業映画を観てる」という感覚があった。何かにつけて自由なのだ。

30数年前の新宿の街を見て、思い出すことあれこれ。

二人乗りバイク疾走シーンが好き。

アイス食べたくなった。夏よ、はよ来い。


いいなと思ったら応援しよう!