地方から都会に出るのも少子化も個人が合理的に選択した結果
最近話題になった富山県の記事
若い女性の県外転出超過(20代前半では男性の3.2倍)について危機感を抱いた県が、経済・業界団体の代表を集めて会議を開き、「少子化対策には未婚女性の流出を食い止める必要ある」と話したこと↓
について、当事者の富山県から出た20代女性が
・富山県は持ち家率や共働き率が高いが、女性は家庭での役割が重く、過酷な状況に置かれている。働かない女性は『遊んでる嫁』として見下され、働いても家事育児の負担が平等に分担されていない。子育て後は孫の育児・家事が祖母として期待され、介護が加わる場合もある。
・また魅力的な仕事もなく、先行きが暗い。女性は県外に出るのは当たり前。
・流出を食い止めたいなら家庭内労働を男性も担う、安価な外部サービスを提供するべき
とした記事が話題になっていた。↓
さらに、別の「富山を出た20代女性」が
・富山を出た理由は、都会の企業と同等の条件や海外赴任が可能な企業が富山県内に見当たらないから。
・しかし、「男尊女卑傾向が強い」「県民性」も富山を出る理由の一つ。(注:県民性についてはここでは論じません)
・国連人口基金が「出生率にこだわらず、男女平等で社会や経済の発展を目指すべき」と提言している中、富山は真逆を行っている。
・少子化対策は、人間の生産性だけで見ている優生思想が根底にあると思われグロテスクである。妊娠・出産は重大事項であり、その決定権は本人にしかないと述べている↓
今日は「女性(もしくは若者)は地域に留まって少子化を食い止めるべきかどうか」についての意見と、「そもそも少子化は誰にとっての問題なのか」考えたことについて書いてみます。
1.私の意見:若者が地域に留まらない選択をするのは当然である。なぜなら、個人でみたら個人の幸せ・生活的満足を目指すのが合理的だから
個人の幸せ・生活が何かは人によってさまざまだし、時代と共に変化します。
独身の女性が、「結婚したら家事育児と介護を担いながらフルタイムで働く生活なんてまっぴらごめん」と思うのであれば選択しないのは合理的。
家族が仲良しでお互い助け合う環境で、「子どもをおばあちゃんおじいちゃんの近くに住まわせたい」と思って残るならそれも合理的。
昔は「都会に出る」という選択肢が少なかったし、親からの家を継ぐ・結婚する圧力も強かったので成り立ったかもしれませんが、現代、3世帯同居の家族を献身的に支える生活をしたいと思う若い女性は少ないかもしれません。
それ以前に、よりよい就職条件や広い世界を求めて出ていく若者がいるのは希望のある話だと思います。
海外はどうでしょうか。
韓国も、経済的理由、結婚に対する意識の変化の他、男女差別による男女の分断が少子化を加速させているという記事もありました。
(82年生まれ、キム・ジヨンの本も有名ですね)
・中国も、一人っ子政策から180度転換して出産を奨励し、最近は3人目を完全解禁、未婚女性の人工授精も許可されました。
・先の国連人口基金のニュースにもある通り、少子化政策はどの国も成功していないようです。
2.少子化は誰にとっての問題か
次に、「止まらない少子化」が誰にとっての問題なのか考えてみました。
・個人でみたら個人の幸せ・生活的満足を目指すのが合理的
生物として組み込まれている生殖本能があるとはいえ、色々な側面(金銭、異性との出会い/相性、社会的立場、環境 etc)やっていけそうかどうかで人間は判断しますよね。
・国でみたらGDPや税収、消費意欲は国力に直結する
「国としてやっていけそうか」問題ですね。
・世界でみたら「人口2080年代に約104億人のピークに達し、2100年までそのレベルに留まる」
「ファクトフルネス」読みましたか?人口爆発が心配されたのも今は昔、すべての国は豊かになるにつれ子どもを産む数が少なくなり、どこかで人口は安定するそうです。上記データは国連発表より。
・地球の生態系や環境全体で見たら 人間が増えて栄えることは生態系全体にプラスなのか?減ったほうがいいんでは?
誰もが自分は生きたいと思っていますが、動植物からは人間は増えなくていいよ!と思われていそうな面も多々あります。
なので、見方を変えれば少子化を止めることが正しいとは限らないし、そもそも「国や県のために」と考えて子どもを増やすような人ってあまりいないように思いました。
そのうち、日本で少子化が進んで、今地方から若者が出て行って問題になってるように、日本という国から若者が出て行って「いかにして若者の流出を食い止めるか」って時代が来たりして。
ではまた。長文を読んで下さりありがとうございます。
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