自分にとってのベストMixは何か 仕事について考える
最近思考を書き留めておらず流れていく一方なので、今日はざっと書き留めてみる。
ちきりんのVoicy(↓)を聞いていて、「選択基準を1つにしたら、悩みは減るが出来ることの選択肢が狭まるし、選択基準を何もつくらなかったら何も決まらずどちらも思考停止。よりよい判断というのは複数の条件からなる自分にとってのベストMixを作るということが必要で、それが考えるということだ」という趣旨の話を断捨離や外食の例を引いて話されていた。
仕事についてのベストMixで考える要素
さて自分にとってのベストMix。いろんな物事に当てはめて考えることができるけど、多くの人が悩むのは仕事ではないだろうか。
いくつかの要素を取り上げてみた。
収入
年収が多ければ多いほど良い。そう考える人は多いし、新卒の就職人気ランキングは給料が高い商社や銀行は常に人気である。
でも、年収ランキングでTop常連のキーエンスは新卒就職ランキングでは20位にも入っていない。「キーエンスは給料が高いけどハードな会社」というイメージは昔から学生も知っていて「年収が高ければどれだけハードでも良い」と思う人は少ないということだ。
また、住む場所や家族構成によって必要とする年収は異なる。地方なら年収はそこまで高くなくても良いかもしれないし、東京都内に家族用マンションを買いたいと思っているなら、必要年収はぐっと高くなる。
安定性
「絶対つぶれず、クビにならない」
これを条件に公務員を選ぶ人は多い。
だけど、朝始業後5分で仕事が終わってそのあと延々と暇だとしたら、あなたは充実した仕事をしていると思えますか?
または、クビにはならないけれど給与がずっと初任給のままで昇給しなかったら?
世間体
「名の知れた会社に勤めたい」
そう思う人は今でも多いようだ。親を安心させたい、友人に自慢できる、結婚相手を見つけやすい、など。大抵の場合、他の要素「年収」や「安定性」もセットになるが、「名の知れた会社」以外の優良企業や、今伸びている企業を選択肢から外すことになるかも。
住む場所
自分にとって「鎌倉に住む」が最重要条件だとして、そこに住めたら年収は低くても良いならば、住み込みの民宿が見つかれば良いかもしれない。でも、家を持ちたいと思っているなら既に「住む場所」x「年収」という要素が発生する。
また、結婚した時点で配偶者が転勤の多い会社に勤めていたら、住む場所を決め持ち家を購入しても、家族そろって過ごすことができる期間は長くない。父親が単身赴任をし、母親と子どもがその家に住み続ける選択をする家庭も多い。
仕事内容
仕事内容の条件は、個人差が大きい。
「プライベートの趣味や家族との時間を優先させるので、残業の少ないゆるい仕事」
「20代に成長して起業したいので、様々な経験を積み早く出世できる仕事」
「自分が大学で専攻した分野の仕事」
「人と関わる仕事」
「1人で完結する仕事」
「定型的な仕事」
「変化に富んだ仕事」
仕事内容だけでも、複数の要素を掛け合わせた「自分のベストMixな仕事内容」になるはず。
複数の要素を「ほどほど」で決めた場合
「普通でいい」という人が良く言うのは「そんなに大企業でなくても良いから、そこそこの暮らしができたらいい。初任給が普通くらいで、土日休みで、転勤がなくて、仕事内容はよくわからないけど印象がよかったから」
条件は合うかもしれないが、入ってから仕事内容で詰むかもしれない。
新卒はだいたい仕事内容はイメージできないので仕方ないが、そのあと「ここじゃない」と思った時に転職など行動に移せない人は、ストレスを抱えたまま何年も過ごすことになる可能性がある。
また、転職する際に「自分のゆずれない要素」を明確にできていないと、転職しても「またストレスを抱えるような選択をした」と後になって気づくことも。
複数の要素に全部「最高」を求めた場合
年収は高く世間体が良くて、仕事内容も自分の希望に合っていてハードすぎず、転勤が無い仕事。
いわゆる「ホワイト企業」だけど、ぐっとハードルは上がるし選択肢も狭くなる。
人気の企業なので学生は殺到し、旧帝大か有名私大でなければ面接に進むことが難しいかもしれない。
高校や大学くらいから、本人が「こんなことがしたい」「この企業に入りたい」と考えることができたら、全ての要素で「最高」を得る人もいるかもしれいけど、普段こんなこと考えて生きている学生はごくわずかだろう。
子育て中の親は、得てして「子どもにより良い将来を与えたい」と複数の要素で「最高」を求めがちで、「将来安定して働きやすい会社に勤める為に」子どもをこの手の会社に就職できるトップ大学に進学させたいと考え、逆算して良い高校、良い中学・・と小学校4年からお受験塾に通わせ、そして多くの学力が中くらいのレベルの子は塾の養分となり、一部の子どもが病む結果になっていると思う。
私にとってのベストMix
ここからは、私の新卒からの仕事の変遷と、現時点で考えているベストMixを書いてみる。
新卒当初の条件と、入って分かったこと
私は「仕事も子育てもプライベートも充実する働くお母さん」になれるものだと思っていたが、何の戦略も準備もしていなかった。
-関西出身だったので、関西に本社があるところ。
-総合職。(その時代は総合職・一般職の区分があった)
このくらいしか考えていなかった。
就職氷河期で関西本社の企業をかたっぱしから受けては落ちていたが、結局英語力を活かせるメーカーの海外商社部門に就職が決まった。
入社してみたら、今では考えられないことだが、「総合職で入社したけれど、女性には一般職の仕事をさせる」という謎の業務が割り当てられた。
その後周りが盛り立ててくれたり部長に直訴したりで2年目から総合職の海外営業担当に変わったものの、仕事をしない人が一定数いる環境や女子総合職社員がほとんどいない状況に息が詰まり、外資系企業の営業に転職した。「仕事内容」は問題なかったが、「人間関係」や「環境」が原因と言える。
転職と出産を通じて変化した優先順位
外資系企業は仕事のモチベーションが高い人ばかりで仕事のスピードが速く、学びが多い環境だった。「年収」も大幅に上がった。しかし、私の強みである英語力は社内では生きるものの、顧客は日本企業であり「仕事内容」の営業そのものは好きでも得意でもなかった。
その後、結婚相手の仕事都合での引っ越しによる退職と同業種への転職が2度あったが、育休や在宅勤務など条件には恵まれていた。しかし、2000年代はまだまだ育休を経て働く女子正社員が少なく、自分だけ定時退社している状況に「売上に貢献せず権利をむさぼっている」と勝手に肩身を狭くしていた。
また、実家は遠く忙しい夫は頼りにならず、ほぼワンオペだったので、仕事と子育てで息つく暇がなく、毎日分刻みのスケジュールで家の中を走っていた。
その後、2度目の配偶者転勤による退職の際は「正社員は、いくら成果主義でも時間を企業に売り渡してお給料を頂く仕事で、子育てしながらはしんどい」と思うようになっていた。優先順位が「子ども」ダントツ1位になっていた。一方、他の全ての条件を満たしていても、「仕事内容」で満足できていなかった。
現在のベストMix
子どもも思春期に差し掛かり、マネープランもほぼ見えてきた現在の私のベストMixはこんな感じである。
収入:子ども2人を大学に通わせることができ、家をローンを組み購入することのできる年収。子どもが巣立った後は、夫婦それぞれが自分自身で食べていくことができる収入があればOK。
安定性:特にこだわりなし。自分のスキルセットで仕事が選べることが重要。
世間体:特にこだわりなし。ただ自分の価値観に反することはしない。
住む場所:特にこだわりはないが、都会に1時間程度でアクセス可能な場所。環境が良ければ国内でなくても良い。ただし、子どもが巣立つまでは動けない。
仕事内容:ここでは書ききれないが、かなりの自分なりの要素がある。他のすべての条件を満たしていても、人間関係が悪かったり、自分の成長がないと思う環境は長続きしない。
現在はフリーランスで、以前の上司にお声がけいただたいた仕事の他、いくつかの収入の柱を育てています。
なかなか全ての要素を満たすのは難しいですが、今は少しずつカスタマイズしている途上です。
もちろん、仕事自体も人生のベストMixの1つにすぎません。
皆さんのこだわり要素は何でしょうか。周りにも聞いてみたいものです。
それでは、また!