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闇も明るみになれば光となる。保育の現状と未来。

最近、保育園での保育士による虐待というニュースが話題となっている。

本来、子どもには優しい気持ちを伝える側の人間が真逆のことをやってしまったという事件。

子どもを持つ親からすると、

『自分の預けている保育園は大丈夫?』

となるのは当たり前の心境である。

どうしてこういうことが起こるのか?

というのは、割と悩まなくても納得のいく背景があったりする。

そもそも保育士というのは、国家資格で名称独占資格に分類される。

保育士を名乗ってはいけないという資格であり、資格を持っていなくても保育の仕事は出来るわけではあるが、保育園を運営するにあたっては、資格を持っている人を規定数配置しなければならないので、保育士資格というものはそれなりに評価されるべき資格ということになる。

そのような資格であることから、誰でもホイホイと取得できる訳ではなく、それなりに準備をしておかないと取得はできない。

なので、心底保育の仕事に関わりたいという熱意のある人じゃないと、資格を取得しようという動きにはならない。

ただ、今回のニュースを見ていると、そうでない人が保育士になっていたという話もある。

子どもを適当に相手にするだけでお金が貰えるなんて、楽な仕事。

そういう心構えで保育士になってしまった人は、今の現状に耐えられずストレスが積まれていき、結果として児童にその捌け口がいってしまう。

今回の事件もそういう流れだと思う。

そして、保育の現場で1番の問題とも言えることがある。

仕事量に対して給与が割にあってない

これが1番の問題である。

人間誰でもお金である。

納得のいくお金が手に入れば、多少の過労働も耐えられる。

やりがいのある仕事であれば多少の辛さも我慢できる。

しかし、貰えるお金は少ない上に、休む暇もないくらい過労働では、好きな仕事も嫌になってしまう。

最初からお金目的で、やりがいを感じていない仕事なら尚更嫌になる。

保育の仕事は、求められるものが非常に多い。

それでもって個々の児童の個性を尊重しながら関わる必要もある。

基本子どもが可愛いという価値観の人が保育士になっているが、やはり個性の強すぎる児童と毎日関わっているとストレスとなり、その捌け口も欲しくなる。

その状態で、満足のいくお金が手に入れば、『よし頑張ろう!』という気持ちになれるが、そうでないと段々と憂鬱になってくる。

では、何故保育士の給与は低いのか?というところであるが、国の基準が低いからである。

保育料無償化の推進により、基本的に保護者から徴収していた保育料に相当する分を行政から貰うシステムとなっている。

これは公立、私立問わず同じである。

なので、保育士の給与も、そこで設定された額に合わせる必要がある。

よほど自己資金の沢山ある私立園なら個別に給与も増やせるであろうが…基本的には設定された額に合わせている。

要はその設定金額が上がらない限り、劇的に給与が上がるのは期待できないということである。

慢性的な保育士不足

さらに保育士一人当たりの児童数は学齢ごとに設定されているが、これも実状と合っておらず、多くの児童を沢山に相手にしなければならない状態を引き起こしている。

保育園の規模で受け入れられる園児数が決まり、それにより配置できる保育士の数が決まり、その分しかお金も貰えない。

結果的に園児数に対してギリギリの保育士しか雇えない状態を引き起こしている。

それを補うためにパートの職員も雇ってはいるが、常にギリギリ状態なのは変わらない。

人材がギリギリの場合、通常時はそれでも何とかなるが、1人何かの都合で休むとなったら、その時点で破綻する。

休みたくても休めない…という状態を引き起こすことになる。

それこそ、今流行りの病などになった日には壊滅的な状態になるのである。

こういう実状があるがゆえに、本当に保育が好きで保育士になっている人も、環境に押しつぶされて辞めてしまうケースも多い。

人手不足で高負荷な上に処遇も満足いかない。

やりがいで乗り越えたとしても、いずれ限界が来る。

共働き世代が増えて、保育のニーズも高まっている。

それに対応するために、保育士の働く環境をより良くする。

これなくして、改善は無いと思う。

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