【87.水曜映画れびゅ~】"Mrs. Harris Goes to Paris"~家政婦おばちゃんのシンデレラストーリー~
"Mrs. Harris Goes to Paris"は、先月から劇場公開されている映画です。
㊗️ アカデミー賞 ノミネート!
あらすじ
家政婦おばちゃんが、クリスチャンディオールに一目惚れ!
舞台は1957年のロンドン。
家政婦として働くミセス・ハリスは戦争で夫が亡くなっていたことを知らされ、意気消沈していました。
そんな時に、ある雇い主の家で目にした一着のドレス。
美しいドレスに一目惚れ…
それは、パリオートクチュールのクリスチャンディオールが仕立てたドレスでした。
しかし、そのお値段はなんと500ポンド!
(当時の日本円にして約300万円!)
途方もないほどの大金…にもかかわらず、すっかりドレスに魅了されたミセス・ハリスはなんと500ポンドを貯めてしまいます。
そして…
クリスチャンディオールを買いに、いざパリへ!
ミセス・ハリスにドレスを届けたいっ!
胸を躍らせてパリに着いたミセス・ハリス。
そのままクリスチャンディオールへと足を運んだ彼女ですが、実はオートクチュールの意味も知りませんでした。
つまりオートクチュールが手掛ける一点物の超高級ドレスを着れるのは、限られたお金持ちだけ。
だから「家政婦おばさんがクリスチャンディオールを買うなんて滅相もない!」とか言われちゃって、ミセス・ハリスは突き返されそうになるのですが…
ちょっと待った!
その場に居合わせた英国紳士やクリスチャンディオールで働くお針子たちが「ハリスおばさんにドレスを届けたいっ!」とたちまち一致団結して、ミセス・ハリスのためのドレス作りが幕を開けます。
単なるご都合主義ではない!
多くの人々からの手助けを受け、実現へと大きく前進していくミセス・ハリスの大きな夢。
「なぜこんなにミセス・ハリスが応援されるのか?」というのは、単にこのストーリーがご都合主義だから…というわけではありません。
この映画の背景にあるのは、当時のフランスの労働者環境。
1950年代のフランスは、雇用主の権限が今よりももっと強い状況にあったようで、労働者は安い賃金で働かされていました。
なので、劇中でもストライキが起こっているシーンなどが何度か描かれます。
そんな労働環境はクリスチャンディオールも同じであり、高級ドレスをどれだけ縫ったとしても、お針子たちがそのドレスに袖を通すことは叶わない…
だからこそ 彼女たちはイギリスから来た家政婦おばちゃんのために一肌脱いでみせるのです。
家政婦おばちゃんのシンデレラストーリー
クリスチャンディオールのドレスに一目惚れした家政婦おばちゃんが、多くの人々を巻き込みながら夢を追い求める物語。
それはまさに、”シンデレラ”を彷彿とさせます。
「おばちゃんがシンデレラって…ちょっと…」なんて思っちゃいそうですが、そんなの関係ないっ!
ドレスに一目惚れした時のキラキラした目
何もかもを新鮮に楽しむ温かい笑顔
そして…
すべての人の心を動かす行動力
ミセス・ハリスの姿から「夢を追い求める素晴らしさは、いくつになっても変わらない」というメッセージを感じました。
本当に素敵な映画。
素敵すぎて、私は最後泣いちゃいました(´;ω;`)
そんな『ミセス・ハリス、パリへ行く』
ぜひ、ご覧になってみてください!
最後に
今回記事を書くにあたって、こちらの動画での町山智浩さんの解説を参考にさせていただきました。
より映画を楽しめる情報満載ですので、鑑賞前/後にぜひご覧になってみてください!
前回記事と、次回記事
前回投稿した記事はこちらから!
これまでの【水曜映画れびゅ~】の記事はこちらから!
来週は、先月から劇場公開されている映画『ある男』を紹介させていただきます。
お楽しみに!