24歳、鬱病になる。ー⑰希望制 週6制度
私24歳にして、今年2023年の1月に鬱病と診断を受けました。
鬱病になった私に起きたことや、そこから立ち直れるにようになるまでの姿を、自分なりに整理して、書き起こしてみたいと思います。
自分のために、そして同じような境遇の人の何かの一助になればよいなと思っております。
前回の記事では、新しく入った講師の方が、わずか1か月で会社を辞めてしまったことを書きました。今回は、そのことを知った日の帰りでの出来事を書き記していこうと思います。
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新入社員の早期すぎる退職を知った日。私は動揺してはいましたが、授業はいつも通り平静な態度で行うことができました。
授業後は残りの業務を片付け、退勤。1つ上の先輩社員も同じタイミングで仕事が終わったので、ともに校舎を後にしました。私たちは帰りが同じ方面の電車なので、一緒に乗りました。
「いやー、辞めちゃったんだね、彼…」と、電車の席につくと、先輩はため息まじりに私に言いました。
「ですね…」と私は返しました。
「最初見た時に、ちょっと危ないかもなって俺は思ったんだよね」
「確かに、ちょっと真面目過ぎるとは思いましたね」
先輩の言葉に合わせて、私は言いました。自分もまだ働いて数か月しか経たないのに、なんだか偉そうなことを言ってしまったな、と言葉を発してから後悔しました。
先輩はそんな私の相槌をそこまで気にしなかった様子で「後任はどうするんだろうなぁ…」と呟きました。
「私になるってことはありますかね?」と、私は聞いてみました。
「それは、どうかな…」と、先輩は少し笑いながら言いました。「君は入ったばっかりだから、そんな負担を課すことはないでしょ」
そう聞いて、私は少しほっとしました。すると、先輩はスッと私の方に身体を屈めて、囁くように言いました。
「君はさ、うちの会社に希望制で週6制度があるって知ってる?」
「週6」という言葉にぎょっとしながら、私は首を振りました。
「一応は希望制って言ってるんだけど、一部の先生はね、人手不足を補うために週6で働いているんだよ。まあ公休が1日なくなる代わりに、給料はそれなりにもらえるんだけどね」と先輩は答えました。
「君もどう?やる気ある?」と、先輩は怪しくはにかみながら私に問いかけました。
「いや、そんなの嫌ですよ!今でも、いっぱいいっぱいですし…」と、冗談を振り払うように笑顔を作って返しました
先輩は笑い返しながら、「そりゃそうだよな。俺も絶対嫌だね。だって、テスト週間で日曜出勤も重なったら、週7になるんだから。社畜もいいとこだよ」と言いました。
その時、電車は先輩が降りる駅へと着きました。腰を上げた先輩は「まあ、会社もそこまで馬鹿じゃないからさ、君に引継ぎをさせることはないよ」と言い残してから、電車を降りていきました。
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