【37.水曜映画れびゅ~】"SCORE"~映画音楽って素晴らしい!~
"SCORE: A Film Music Documentary"(2017)は映画音楽の作曲家たちにスポットライトを当てたドキュメンタリー映画で、現在(2021/08/25)Amazonプライムで視聴可能です。
作品情報
映画と音楽
上記の通り、映画音楽の歴史とその進化を辿っていくのが本作。
全編を通して語られるのは、映画にとって音楽は不可欠なものであるということでした。それは白黒の無声映画の時代から現代に至るまで揺るぎない事実と言えます。
そもそも無声映画の時代は、映写機の爆音を誤魔化すために音楽が演奏されていたらしいです。
そして時代を経るにつれ、映画は進化。
それに伴って映画音楽も大きく変わっていきます。
本作では『サイコ』(1960)などで作曲を担当したバーナード・ハーマンや、『007』のテーマを作ったモンティ・ノーマン、さらには『ダークナイト』(2008)や『インターステラー』(2014)を担当したハンス・ジマーなど今昔の映画音楽のレジェンドがピックアップされます。
しかも、それを語るのが映画音楽界のスーパースターたちなんですね!
ジョン・ウィリアムズ
しかしそんなレジェンドの中でも一際レジェンド、つまりレジェンド・オブ・レジェンドなのは…
やはりジョン・ウィリアムズでした。
アカデミー賞ノミネート51回、作曲賞5回と編集賞1回受賞。
代表作は有りすぎてどれを選べばいいかわからないくらいの方ですね。
その凄さは本作において存分に語られています。
特に私が衝撃的だったのは『E.T.』(1982)について分析していた映画評論家の話でした。
その方によれば「『E.T.』はもはやスティーブン・スピルバーグの作品ではなく、ジョン・ウィリアムズの作品である」とのこと。
これは『E.T.』に限った話ではなく、そしてジョン・ウィリアムズに限ったことでもなく、それほどまでに映画と音楽というのは密接に繋がっているのだなと改めて私は思い返しました。
私の好きな映画音楽三選
この映画を観ることによって、これまでよりも映画音楽に耳を傾けながら映画を観ることになるでしょう。
そうすると、これまでの何十倍も映画の奥深さを感じれること間違いなしです!
そんな本作を紹介したおまけとして、ここで私が好きな映画音楽を3つほど紹介させてもらってこの記事の〆とさせていただこうかと思います。
"Briony"
『つぐない』(2007)より
一つ目は『つぐない』より"Briony"。
タイプライターの音と焦燥感溢れるメロディーで、映画冒頭から心がつかまれます。そしてこのタイプライターの音が全編を通してモチーフになっていることが物語の伏線にもなっており、まさに映画音楽!って感じです。
作曲家はダリオ・マリアネッリ。
『つぐない』でアカデミー作曲賞、ゴールデングローブ作曲賞を受賞。ちなみに、本作『すばらしき映画音楽たち』にもちょっとだけ出演しています。
"The Anxious Battle for Sanity"
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)より
アカデミー作品賞を受賞した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。
ストーリーや出演者の演技力、撮影技術など様々な点でレベルが高すぎるこの作品ですが、音楽ももちろん一級品。
ドラムをモチーフとした乱雑な音と主人公の焦りの気持ちがオーバーラップする感覚はたまりません。
作曲はアントニオ・サンチェス。
本業はジャズ・ドラマーで、今作で初めて映画音楽を担当したようです。
このように、近年になって別分野から映画音楽へ参戦してくるケースが増えていることは『すばらしき映画音楽たち』でも取り上げられていました。
"Catch Me if You Can"
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002)より
最後はジョン・ウィリアムズで〆させてください。
スピルバーグ監督作品『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のテーマ曲です。
本当に、これは初めて聞いたときに衝撃的でした。
歌詞がないのにここまでキャッチーな音楽を初めて聴きました。
オープニングクレジットでこの曲が流れて以降、この曲が今度どこで流れてくるかを楽しみにしながら映画を観ていましたね。
こんな感じで皆さんもぜひ、映画音楽の魅力も感じながら映画を楽しんでみてください!
前回記事と、次回記事
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次回の記事では、覆面グラフィックアーティストのバンクシーが監督したドキュメンタリー映画"Exit Through the Gift Shop"について語っています。