![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/109955819/rectangle_large_type_2_7fae0fa74cea63243184bf2ca37700d9.png?width=1200)
【111.水曜映画れびゅ~】"The Little Mermaid"~日本人のポリコレ批判は、正直ダサいよ~
"The Little Mermaid"は、先月から日本公開されている映画です。
あらすじ
美しい歌声をもち、人間の世界に憧れている人魚アリエル。掟によって禁じられているにも関わらず、ある日彼女は人間の世界に近づき、嵐に遭った王子エリックを救う。この運命の出会いによって、人間の世界に飛び出したいというアリエルの思いは、もはや抑えきれなくなる。そんな彼女に海の魔女アースラが近づき、恐ろしい取引を申し出る。それは、3日間だけ人間の姿になれる代わりに、世界で最も美しい声をアースラに差し出すことだった…。
人間の世界に憧れて…
美しい歌声を持つ人魚のアリエルは、人間の世界に憧れを抱いていた。しかし、人魚の掟として人間との接触は禁じられていた。
それでも、好奇心旺盛のアリエルはある日、宴で盛り上がる船を覗き見していた。すると、嵐が巻き起こり、船は沈没してしまう。
そこでアリエルは、王子のエリックを救う。そして、彼女は恋に落ちた。
あの人に会いたい…
そんな想いが抑えきれなくなったアリエルは、海の魔女アースラととんでもない取引を行う。
それは、3日間だけ人間の姿になれる代わりに、彼女の美しい声をアースラに差し出すことだった…。
色々と公開前から話題だった
実写版『リトル・マーメイド』
本作の原作は、1989年に公開されたディズニーのミュージカル映画『リトル・マーメイド』。「パート・オブ・ユア・ワールド」や「アンダー・ザ・シー」などの音楽と、赤毛が印象的な人魚姫アリエルの可愛さで、今なお人気の高いディズニー映画のひとつです。
その公開から34年の時を超えて、待望のディズニー実写化作品となった本作。
アリエルにはハリー・ベイリーが抜擢されるなど、公開前から話題となっていました。
ハリー・ベイリーのアリエル役、
賛否両論はわからなくもない
このハリー・ベイリーの配役に、色々と賛否両論が起きました。
というのも、ハリー・ベイリーは黒人であり、「アニメ映画版のアリエルとはビジュアルが違いすぎる」という声が上がったのでした。そしてそのことから、黒人キャストを優遇する"いきすぎたポリコレ"によるキャスティングだと批判の声が上がりました。
ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)
特定のグループに対して差別的な意味や誤解を含まぬよう、政治的・社会的に公正で中立的な表現をすること
正直私としては、アニメ版の『リトル・マーメイド』を観たことなく、もともとのアリエルに全く思い入れがないので、「新しい試みでいいじゃん!」と思っていました。それに、実際にハリー・ベイリーのアリエル見て黒人の子どもたちが喜ぶ動画などは、非常に微笑ましかったです。
しかしなかなか割り切れない人々がいるのも確かなことでした。
その大きな原因が、アリエルの最大の魅力である"赤髪"です。アメリカでは赤髪の女の子って、かなりの確率でイジメられるらしいですよね。だから、白人の女の子は同じ赤髪のアリエルにかなり勇気をもらったということがままあるらしいです。そんな人が「私にとってのアリエル像がなくなってしまった」と嘆くコメントをみると、確かに同情の気持ちが湧いてこなくもありません。
日本でのポリコレ批判は、正直ダサい
というここまでが、アメリカ本国での話です。しかし日本に目を向けてみると、その批判の声はより辛辣になってきます。
アメリカ本国に比べて日本の方が、原作至上主義者が多い印象。「私のアリエルを返してください」「人種の多様性に配慮しすぎた、悲しきコンプラ時代の犠牲」「黒人が人魚の別の映画を作ればよかったのではないか?」といったコメントが、公開前後で散見されました。
まあ映画の思い出は人それぞれであり、思い入れが強い方がいるのはわかりますが、この際はっきり言わせてもらうと、日本人のそういった批判は”ダサい”です。
別に、そういうコメントをする人たちに”人種差別的”というレッテルを貼るわけではありません。ただ、こういった新しい試みを、ハリウッド、なかでも最大手のディズニーが先陣をきってやっているそばから、白人でも黒人でも赤髪でもない日本人が声をそろえて「ポリコレ」だのなんだの水を差すのは粋ではないなと思います。
当事者でない人々の声がでかいというのが、ダサいということです。結果的にあまり好きになれなかったのなら、心にそっとその想いをしまっておくか、「やっぱ私はアニメの方が好きかな」くらいのコメントを残せばいいのです。わざわざ口コミサイトで星を低くつけて、「ポリコレ」という言葉を引き合いに出したり、これまでのハリウッドの歴史を知らずに「ハリウッドやオスカーはマイノリティを優遇している逆差別だ」などということを言ったりするのは、あまりにも無粋なのです。
アリエル、マジ可愛かった!
というような話はありますが、肝心の映画に関しては、私としてはとっても楽しめました。
まず海の映像は、非常にレベルが高く、美しかったです。昨年公開の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』や『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』とよく比べられていますが、その2作とはまた違った美しい水中の映像を存分に楽しめました。IMAXで観ましたが、アリエルとともに水中を探検しているようでしたよ。
そして、なんといってもアリエルが可愛かった!
天真爛漫でおてんば娘なところ、そして声を奪われてからの表情など、色々と可愛い!そしてなんといっても、歌声が絶品でしたね!
あと個人的にツボだったのは、カツオドリのスカットルの声を担当しているのがオークワフィナだったこと。
独特の嗄れ声と、まさかのラップ披露に、心躍らされちゃいました。
・・・
そんな実写版『リトル・マーメイド』は、ディズニー作品をあまり見ない私が今イチオシしたい作品です。まだ劇場公開中ですので、まだ観てない人はぜひ映画館で、できればIMAXでご覧ください。
前回記事と、次回記事
前回投稿した記事はこちらから!
これまでの【水曜映画れびゅ~】の記事はこちらから!
次回の更新では、”ガチ"ワンカット撮影で挑む人気レストラン店の裏側に迫った鬼作"Boiling Point"(2021)を紹介させていただきます。
お楽しみに!