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【165.水曜映画れびゅ~】『ぼっち・ざ・ろっく! Re:/Re:Re:』~ぼざろに出会い、アジカンと再会する~

『ぼっち・ざ・ろっく! 』は、2022年に放送されたアニメ。その劇場総集編として、前編『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:』が今年6月から、後編『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:』が8月から劇場公開されています。

あらすじ

“ぼっちちゃん”こと後藤ひとりは会話の頭に必ず「あっ」って付けてしまう極度の人見知りで陰キャな少女。​そんな自分でも輝けそうなバンド活動に憧れギターを始めるも友達がいないため、一人で毎日6時間ギターを弾く中学生時代を過ごすことに。
上手くなったギターの演奏動画を“ギターヒーロー”としてネットに投稿したり文化祭ライブで活躍したりする妄想なんかをしていると、気づいたときにはバンドメンバーを見つけるどころか、友達が一人も出来ないまま高校生になっていた……!
ひきこもり一歩手前の彼女だったがある日“結束バンド”でドラムをやっている伊地知虹夏に声をかけられたことで、そんな日常がほんの少しずつ変わっていく――​

公式サイトより一部改編

私と、ASIAN KUNG-FU GENERATION

2022年に放送され、国内外で高い評価を得た『ぼっち・ざ・ろっく!』。私も大好きなアニメで、観るだけではなく、CDやグッズを買うまで完全にハマってしまいました。そして今年の6月と8月に2部構成で公開された劇場総集編は、本当に待ちに待ったものでした。

私がそこまで『ぼっち・ざ・ろっく』にハマったのは、もちろんアニメが面白いということもあるのですが、それに加えて私が昔から大好きなロックバンドが作品全体でオマージュされているからでした。

そのバンドはASIAN KUNG-FU GENERATION、通称“アジカン”。

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私がアジカンを知ったのは、「ある街の群青」という曲からでした。

小学6年生の頃、たまたまYouTubeで観た映画『鉄コン筋クリート』の予告編でこの曲を聴き、そのあまりのカッコよさに衝撃を受けました。

この曲をきっかけにASIAN KUNG-FU GENERATIONというバンドを知った私は、もっとこのバンドの曲を聴きたいと思いました。そんな時にちょうど、アジカン初のベストアルバム『BEST HIT AKG』が発売。お小遣いをはたいて、購入しました。

そのベスト盤を何度も何度も繰り返し聞いて、完全にアジカンの虜となりました。そしてその後、アニメ『僕だけがいない街』の主題歌となった再録版の「Re:Re:」にドハマりし、『ソルファ』を始めとするアジカンのアルバムを買い漁りました。もちろん、ライブにも何度か行ってました。

ぼざろに出会う

しかし時が経つと、次第に熱は冷めていくもので、洋楽などに傾倒していった私は、あまりアジカンを聴かなくなり、ライブにも行かなくなりました。そんな感じが時は過ぎていくものだと思っていました。友人に昨年、『ぼっち・ざ・ろっく!』を勧められるまでは。

「お前、アジカン好きだったろ?なら、絶対に観た方がいい!」

『ぼっち・ざ・ろっく』の作者のはまじあきがアジカンの大ファンであるらしく、アニメにもアジカンの影響が数々見てとれると、友人は教えてくれたのです。実際にぼざろの主要メンバーは後藤・伊地知・山田・喜多と、すべてアジカンのメンバーの名字と同じでした。また、これは単なる偶然らしいですが、主人公の愛称“ぼっち”がアジカンのフロントマンの後藤正文の愛称“ゴッチ”と重なり合っていることに、私のテンション爆上がりでした。

そうして『ぼっち・ざ・ろっく!』を観始めました。すると、正直アジカンとか関係なくドハマりしました。

それというのも、共感できるところがいっぱいあったからです。本作の主人公は、極度の人見知りでクラスでは目立たない…いわゆる“コミュ障の陰キャ”という設定なのですが、私も中学、高校、大学と、いわゆる“コミュ障の陰キャ”のぼっちで、かなり似た境遇を過ごした経験がありました。そんな暗い青春時代を送った自分の姿を、気づけば主人公と重ね合わせていました。そして、いつかの自分が見ることのできなかった景色を、劇中で成長していく彼女に託すような気持ちでアニメに観入っていたのでした。

アジカンと再会する

そんな感じで、きっかけはアジカンでしたが、結局私はアニメの面白さに夢中になっていました。しかしアニメ最終回で、私はアジカンに再会します。

最終回のED曲で流れたのは、アジカンの曲「転がる岩、君に朝が降る」のカバーでした。

何度も何度も繰り返し聴いていた「BEST HIT AKG」にも収録されていたこの曲。そのイントロが流れた瞬間、私はあの頃の自分と、そしてアジカンと再会しました。

考えてみれば、私の暗い青春時代には、常にアジカンの曲がそばにありました。当時は嵐やAKB、アイドル以外だとGReeeeNとかセカオワとかが流行っていました。そういったアーティストの曲を聴かなかったわけではないですが、最終的にはアジカンの曲を聴く時が一番落ち着きました。その時の感覚を、私は思い出しました。

それからは、再びアジカンの曲にどっぷり浸かる毎日を送っています。そして昨年、久々にライブに参戦することもできました。今年のライブも行きたいです。

Re:Re:

そうやってアジカンと再会させてくれた『ぼっち・ざ・ろっく!』は、本当に大好きなアニメです。それはアジカン抜きにしても、普通にストーリーが好きです。

そして、今回の劇場総集編も最高でした。アニメのエピソードを厳選して、しかもアニメでは用いられなかった曲や新曲も盛り込んであって、大満足でした。

そしてなんといっても、後編のED曲が再びアジカンのカバー曲で、しかも「Re:Re:」だったことは、鳥肌ものでした。

後編のサブタイトルが“Re:Re:”だったので、もしかしたら…とは思っていましたが、「Re:Re:」という曲を良く知っているだけに100%の確信は持てませんでした。そんな面持ちで迎えたEDでイントロを聴いた瞬間は、もう感動でした。感動しすぎて、次の日にもう1回聴きに観に行ったくらいです(笑)。

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時代は移っていき、バイト先の同僚の学生に「アジカンって何ですか?」と言われることもあります。その度に私は「アジカンがなければ、ぼざろは生まれなかったんだ!」とか「今のアニメ主題歌の歴史はアジカンが作って来たんだ!」とか熱弁します。そうしてウザがられることもしばしばです(笑)

別に他人に好きを強要するつもりはありませんが、でもそのくらい私はアジカンが好きです。しばらくアジカンから離れていたから偉そうなことは言えないかもしれませんが、でも本当に好きで、私の人生に必要な音楽です。そしてそれに気づかさせてくれた『ぼっち・ざ・ろっく!』も大好きなアニメです。

今回はアニメ作品の劇場総集編についてなので、他の映画レビュー記事とは少し主旨がズレてしまいましたが、それも覚悟のうえで、それでも私は書き記しておきたかったのです。つまり言いたいことは…

アジカンと、ぼざろは、最高だ!


前回記事と、次回記事

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次回の更新では、久々に旧作レビュー。2012年公開のポール・トーマス・アンダーソン監督作“The Master”ザ・マスターを紹介させていただきます。

お楽しみに!