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【141.水曜映画れびゅ~】"The Color Purple”~美しく生きよ~

"The Color Purple”カラーパープルは、2月9日から日本公開されているミュージカル映画。

来週行われる米アカデミー賞では、助演女優賞にノミネートされています。

㊗ アカデミー賞 ノミネート!!

☆ノミネート
助演女優賞

第96回米アカデミー賞 結果一覧

あらすじ

優しい母を亡くし横暴な父の言いなりとなったセリーは、父の決めた相手と結婚し、自由のない生活を送っていた。さらに、唯一の心の支えだった最愛の妹ネティとも生き別れてしまう。そんな中、セリーは自立した強い女性ソフィアと、歌手になる夢を叶えたシュグと出会う。彼女たちの生き方に心を動かされたセリーは、少しずつ自分を愛し未来を変えていこうとする。
そして遂に、セリーは家を出る決意をし、運命が大きく動き出す──。

日本公式サイトより一部抜粋

抑圧された人生のなかで…

若くして母を亡くしたセリーは、横暴な父に言われるがままの人生を送っていた。それでも、妹のネティと支えながら、細々と生きることができていた。

しかし、父親に勝手に結婚を決められ、嫁がされてしまう。夫は自らを"ミスター"と名乗る、これまた横暴な男だった。"ミスター"の暴走は妹にまで及び、セリーはネティとも生き別れてしまう。

それから数年後、セリーは抑圧を感じながら、ひっそりとして生きていた。そんななかで、"自分とは違う"人々と出会う。

自立して、男にもはっきりと物言いをする隣人のソフィア

鎖に縛られず、歌手になる夢を叶えるために町を出たシュグ

彼女らとの出会いにより、セリーは心を動かされていく。そんな時に、セリの下へ、ある手紙が届く。

名作をミュージカル映画化!

本作の原作は、ピューリッツァー賞を受賞したアリス・ウォーカーの同名小説。

この作品の関連で有名なのが、1985年にスティーヴン・スピルバーグ監督の下で映画化された『カラーパープル』。

アカデミー賞で10部門11ノミネーションを獲得し、名作として語り継がれています。またスピルバーグが初めて撮った社会派路線の映画としても知られます。

その映画を基に、ミュージカル化。ブロードウェイでも上演され、2006年のトニー賞では10部門11ノミネーションを獲得しました。

本作は、スピルバーグと、1985年版でソフィアを演じたオプラ・ウィンフリーがプロデューサーとなり、ミュージカル版を映画化した作品です。

ミュージカル版を基にしているため、ファンテイジアがセリーを、ダニエル・ブルックスがソフィアを、とミュージカルで同キャストを務めた経験のある俳優が起用されています。それとともに、コールマン・ドミンゴアーンジャニュー・エリスコーリー・ホーキンズ、そしてハリー・ベイリーといった今を時めく黒人俳優が勢ぞろいしています。

ちなみに、チョイ役でH.E.R.ジョン・バティステも出演しています。そのくせ、あんまり歌うシーンがないんですよね…(笑)。

美しく生きよ

恥ずかしながら1985年版『カラーパープル』を未見なのですが、その分"比較する"などといった穿うがった見方なくできたのを幸いとも思えました。

とにかく力強い作品です。

醜く貧しいと言われて育ったセリー。しかし様々な人々との出会いによって、自分という存在の素晴らしさを自覚することができるようになります。

「私は美しい!」

セリーは物語の終盤で、歌い上げます。

どんなにしいたげられても、どんなにバカにされても、その存在を不定することはできません。人は一人ひとり尊く、美しい存在です。

美しく生きよ

そんな力強いメッセージを物語から感じました。


前回記事と、次回記事

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これまでの【水曜映画れびゅ~】の記事はこちらから!

次回の更新では、昨年のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作で、米アカデミー賞でも5部門にノミネートされている"Anatomie d'une chute"落下の解剖学を紹介させていただきます。

お楽しみに!