"20 Days in Mariupol”は、「実録 マリウポリの20日間」としてNHK「BS世界のドキュメンタリー」で放送され、4月26日から劇場公開されている映画。
今年の米アカデミー賞にて、長編ドキュメンタリー賞を受賞した作品です。
作品情報
マリウポリ
2022年2月24日。ロシアによるウクライナ侵攻が始まった。
ウクライナ東部ドネツク州のマリウポリは、ロシア軍にとってクリミア半島とロシア本土を結ぶ線上に位置する戦略的な要衝になり得た。そのため侵攻から約3か月間、ウクライナ軍とロシア軍の激戦地となった。まだ民間人の避難が行われていないにもかかわらず、ロシア軍の攻撃は容赦がなかった。
マリウポリは2022年5月20日に陥落。推定2万人の民間人がマリウポリで命を落としたとされている。
ウクライナ侵攻が始まった日から20日間を、現地で取材中だったAP通信の記者は記録していた。
現実と思いたくない…
現在進行形で進むウクライナ侵攻。本作は、その戦争と向き合う記録映画。
ロシア軍の容赦ない攻撃。不条理に殺される民間人。それでも命を救おうとする医師。そして、子供を失い、絶望に打ちひしがれる親…。
AP通信の記者は、自らも命の危険と隣り合わせの状況のなかカメラを回し続け、この無慈悲な戦争を世界に伝えようとしました。
その様子は現実とは思えません。…いや、現実とは思いたくないのです。映画を観ている時、どこかで「これはフィクションだ」と思い込もうとしている自分がいました。もちろん、この映画がドキュメンタリーであることは百も承知です。しかし、そんな風に自分を騙さなければ、本当におかしくなりそうなほど、残酷な現実が映画には記録されていました。
「こんな映画、作りたくなかった」
本作の監督は、ミスティスラフ・チェルノフ。長編ドキュメンタリー賞を受賞した彼のスピーチが、今年のアカデミー賞で最も印象に残ったシーンでした。
ウクライナだけでなく、ガザやミャンマー、アフガニスタンなど、世界中で起きている戦争が1日でも早く終結することを願っています。
前回記事と、次回記事
前回投稿した記事はこちらから!
これまでの【水曜映画れびゅ~】の記事はこちらから!
次回の更新は、急に暑くなってきたので夏らしい作品を。『水深ゼロメートルから』を紹介させていただきます。
お楽しみに!